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秩父ミューズパーク

2日から4日まで、ビクターのレコーディング。
持ってきたピアノは、CD101Hという番号をつけた、これまた人気者のハンブルグのフルコン。
どこから来たかというと、6年ほど前にニューヨークで見つけたハンブルグDです(ややこしい)。
この楽器もすでに、40枚を越えるCDの録音に使用されているし、コンサートやTVの収録も80ステージ以上になる人気者だ。先日、「徹子の部屋」で、羽田健太郎氏がショパンを弾いていたのもこの楽器。

さて、今回はチェロとピアノの小品集の録音です。この楽器は録音慣れしているので、セッティングは非常に早く終わります(つまり、変なクセがないということだろうか)。
ピアニストは久しぶりのTさん。彼とは日本フィルとの仕事で良く一緒になる。僕と違って、とても真面目だし、作曲科出身だけあって、単なるピアノ弾きではない音楽家としての演奏のできる、好きなピアニストの一人。

実は、彼とは珍しい体験をしたことがあります。
ピアノを持ち込むコンサートを始めて15年、北は北海道から南は九州まで、あらゆる場所に行きましたが、一番大きかった会場はどこでしょう?
・・・答えは「横浜アリーナ」です(約2万人)。
ある日突然、日本フィルから「来週、大阪のフェスティバルホールでやるグリーグのコンチェルトのゲネプロ場所を、横浜アリーナに変更したい。2階の会議場でやるのでそこに1台、アリーナの中にも1台、計2台のフルコンを用意してください」という電話が掛かってきました。
かなり意味不明だったので、詳しく聞いてみると、なんと当日はオウム事件の坂本弁護士の葬儀をやるらしい。(坂本弁護士が、修習生の頃、日本フィルと仲が良かったとのこと)
当日は、ご存じのように全テレビ局が生放送で中継をしたので、ご覧になった方もいると思いますが、あまりにも会場が広すぎて、フル・オーケストラでも会場の隅っこにぽつんとしか見えませんでした。その時のピアニストがTさんだった訳です。
これが、ピアノ持ち込み、最大会場(室内編)の記録。野外編No.1は、横浜国際総合競技場(約7万人)ですね!これは矢沢永吉50歳記念のライブで、地上5メートルぐらいの所に組まれたステージにピアノを上げました。いやはや、色んな仕事が舞い込んでくるものです。

さて、話はそれましたが、秩父でのレコーディングは、驚くほどトントンと進み、予定の3日間を大きく下回る、ほぼ1日半で終了してしまいました。ピアニストも巧いし、チェロの音程も抜群!
ホント、巧い人は仕事が速い。(巧い人と仕事する方が楽なんです・・・言えないけど 笑)
そんなわけで、最終日は無伴奏を録るということで、ピアノはお役目終了。ゆっくりホテルで休んで4日の朝に帰ってきました。
でも、明日の夕方には北海道行きのフェリーです。