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軽井沢 その4

録音も3日目に突入。録音する曲はカルメン。これも激しい曲だから、さすがに今日は調律をする。
いつものように一曲ごとに「低音のふくらみをもっと少なく」とか「この曲は枯れた音が欲しい」とか注文が入るたびに、ステージとモニター室の階段を上がったり降りたり忙しい。なぜ痩せないのか不思議だ。
ピアニストのこういった注文をテキパキこなしていると、必ずいつもヴァイオリンの人が「いいなー私の楽器も治してよー」と言い出すね、という定番の話題になりました。考えてみたら楽器メンテナンスの技術者がいつも一緒にいるのってピアニストくらいなものです。それだけ複雑な楽器ってことなんだろうけど、一般家庭のピアノは年に1回調律師を呼べば良いほう。ただし、それは単に楽器を維持していくだけの調律だから、究極を求めようとすると何かと手の掛かる楽器なわけです!

録音では1日中弾いているので、どんどん楽器が鳴ってきます。朝と夜では明らかに音色が変わります。
録音後は、編集作業で良いテイクをつなげていくので、楽器の音色が途中で変わっては困ります。日にちが変われば温度湿度や空気感まで変わってしまうので、ほとんどの場合1つの曲はその日のうちに全部のテイクを録り終えるようにします。どうしてもうまくいかなくて(例えば疲れてしまって)続きは明日にしようって事もありますが、まず、使い物にならない事がほとんどで、またその曲は気分も新たに最初からやり直すほうがうまく行くようです。
ともかく録音の仕事はアーティストがモニター室にプレイバックを聞きに行っている間の数分間で気になる部分を直さなければならないので、時間との勝負です。あくまでも裏方なので、みんなに迷惑をかけないように、的確に、最短時間で、確実に直さなければなりません。
大手レコード会社のエンジニアや、世界中のスタィンウェイを知っているアーティスト達には言い訳や、ごまかしは通用しません。CDは後々まで残るものですから・・。



軽井沢 その3

今回のヴァイオリニスト渡辺玲子さんと「そういえば前回も北のほうで、録音しましたね・・」という話になって、7~8年前にワーナーレコードの録音で新潟に行った事を思い出しました。
ピアノはニューヨーク・スタインウェイ、御存知F1の持込でしたが、私は確か田部京子ちゃんの青山劇場と重なっていたので、前日調整をしてホールに持込、あとはスタッフに任せて、初日で失礼したような記憶があります。
その時伴奏していたアメリカ人ピアニストがアンドレ・ワッツの友人で、このCDを聴かせたところ、とてもピアノを気に入ったとかで、確か1年位経ってワッツが来日した際、突然「今からF1を弾いてみたい」と会社に来たことがありました。
私はDENONの録音で、北海道の旭川にいたので、お会いできなかったのですが、新潟の録音をアメリカのアンドレ・ワッツが聴いたなんて、世の中狭いね(笑)