15日から久しぶりに秋田へのツアー。
ここ十数年の持ち込みリストを振り返ってみても、秋田県はたったの2回!10年ほど前に能代という町で、文化庁の主催で開催された読響と田部京子のコンチェルト以来です。
どんな珍事が待ち受けるやら、楽しみだね。
午前中に大田区民プラザで調律をこなしてから、出発したので、13時頃出発することになってしまった。カーナビをセットすると、到着時刻は22時!途中で休憩や食事をとれば、恐らく24時近くになってしまうであろう・・・秋田は遠い。
退屈な道中の暇つぶしに、お客さんがダビングしてくれた「のだめカンタービレ」のDVDを、全編通しで見ることにしました(笑)
長旅の車中は、普段ゆっくり見られないDVDを楽しめる唯一貴重な時間です。
昨年末は、クラシックのコンサートチケットがやけに売れたらしく「これは、のだめ効果・・?」とクラシック業界ではもっぱらのうわさ。
わが社でもラプソディー・イン・ブルーが収録された、江口君のCD「Dear America,」の注文が急に増えて不思議だな?と思っていたので、これものだめ効果かもしれません。
先日も音大の先生がこんなグチをこぼしていました。--- 最近生徒がやたらと頭を振って演奏するので「そんな弾き方はやめなさい!」と言うと「のだめみたいに弾いてはいけないんですか?」と言うんですよ。---
DVDを見て納得。なるほどよくできたドラマだ。特に劇中で採用されている曲目が、あまりミーハーでなく、かといって懲りすぎてもなくて、かなり考えられていて面白い。
ピアノはヤマハが提供しているみたいだけど、驚きだったのは、調律からボイシングにいたるまで、そして演奏もなかなか素晴らしいことだ。 これに比べると韓流ドラマのピアノのクオリティは笑ってしまうほど。
音楽番組ではなくドラマなのだから、どうしてもメインはお芝居の方になると思うが、オケも含めてあれだけのクオリテイを保つのはそれは大変な事。「のだめ」が、こういう部分にしっかり技術をかけている事も、このドラマがプロ受けした理由のひとつだと思う。
CMや雑誌などにピアノが使われていることは多いが、大屋根の支え棒が半開の位置に差してあるのなど序の口で、屋根前すら開かずに大屋根をそのまま開いて支え棒を立てていることさえある。
恐らく何千万円も予算をかけたであろう現場に、ピアノの技術者はおろか、ピアノという楽器すら知らない人たちしかいなかった事が明白だ。
そんななかで、同じ技術者として、うれしかったね。
のだめのピアノスタッフ様、お疲れ様!