ラ・フォル・ジュルネ

今年で3回目となる、ラ・フォル・ジュルネも、毎回規模が大きくなってきました。
初回から協力している我社は、今年も8台のピアノを国際フオーラムに運びました。朝からサブチャン大忙しで、大量のピアノを梱包、夕方6時に搬入です。
演奏会場はもちろんのこと、10箇所の練習室にもそれぞれピアノが必要なので、主催者も大量のスタィンウェイをかきあつめなければならず大変です。今年はヤマハも初めて参加したけれど、実はタカギクラヴィアが一番多くピアノを提供しています。

なにせ会場はてんやわんやで、調律や搬入が深夜だったりもします。今年は丸ビル会場のコンサートも担当するので、4日には更にまた1台運びます。
この催し物が始まると、ゴールデンウィーク、今年も1/3が終わったな・・と思います。

徳島日帰り?

昨夜21時45分、渋谷発徳島行きの深夜バスに乗り、今朝6時30分徳島に到着しました。
深夜バス?とびっくりされるのですが、昨年の「2週間でCD5枚レコーディング in 徳島」で覚えた超過密スケジュールをこなす裏技です(笑)
以前の深夜バスは品川駅と浜松町駅発だったのですが、最近は会社から徒歩2分、渋谷マークシティから出発する便ができたので、重宝しています。
21時半まで会社で仕事をして、バスに飛び乗ってコテンと寝れば朝には徳島。7時から駅前にあるサンルートホテルの天然温泉で一風呂浴び、さっぱりして8時半から仕事ができます。

今日は徳島在住のピアニストのリサイタル調律を頼まれたので、無理やり詰め込んだスケジュールだけど、深夜バスのお陰で、何とかなってしまいました。
調律にさえ来てくれればOKと言う話だったので、夕方の飛行機で東京にトンボ帰り、18時には別の現場に間に合った。
ちょっと疲れるけど、行けば安心してくれるピアニストがいる限り続けようと思う。いつまで体が持つやら・・。
明日は6台ピアノ以来の山下洋輔さんとライブだ。






ブルース・アレイ2日目

ジャズライブの2日目。
今夜の共演者は業界の実力者、島健さんです。
ライブ本番は19時半からだけど、18時から店はオープンしているので、何時にきてもOK。こういったライブには常々お世話になっている人たちをご招待することにしています。
クラッシックのコンサートの場合、業界の違う友人や、音楽に興味のない知人は招待しにくいし、コンサート終了後に食事に誘うにしても、1演奏会につき1組になってしまいます。
また、ピアノの搬出やらこっちの仕事が終わるまでロビーで待っていてもらわなければならないし、どの店に行こうか、悩むし・・。
そんなわけで、いつも二の足を踏んで皆さんに不義理ばっかりをしてしまいます。
こんな時、ジャズライブなら、全て解決。食事をしながら、ワイワイガヤガヤ、おしゃべりしてもお咎めなし。ご招待した皆さんのテーブルを回って、日ごろの不義理を詫びて、ワインの1本もサービスすれば恐らく全て許されるような、そんな社交場に早代わり!
普段あまり音楽に触れる機会無い人たちも、目の前で繰り広げられる日本のトップレベルのジャズメン達のパフォーマンスを満喫して、日ごろのストレスを解消していただけたようでした。

常々、クラシックの世界にどっぷり浸かっていると、こういった雰囲気が本来の音楽の楽しみ方なのに、いつのまにクラッシックはかしこまって聞かなければならないようになってしまったのだろうと思う。
もともと貴族の晩餐会の音楽隊として発展してきたはずなのにね。



ブルース・アレイ初日

今日から目黒にあるブルース・アレイで、ジャズ界のトップ・プレーヤー佐山雅弘プロデュース、NYスタインウェイ2台によるSuper Deluxe Editionが3日間行われる。
このライブハウスには、ハンブルグと混血というか改造NYスタインウェイのD型が入っている。ところがピアノを納入してから、天井をふさいでしまったらしく、そのままではもう二度とフルコンは搬入出できない。
そんなわけで、我社から搬入するピアノもB型が限度。狭い階段をサブチャンと相棒の菊池さんが必死で地下に降ろす。30分くらいかかって、やっと搬入できた。

昨年も同じ企画でやったことがあるので、今回はいろいろ対策を考えてきた。
まずピアノの置き場所が恐ろしくデッドな響きな上に、2台とも大屋根を外して並べるので、客席側には生音は殆ど来ない。おまけに賑やかな音を出し続けるエアコンの前という絶望的な環境なので、ともかくやかましいくらい楽器を鳴るようにヴォイシングして、ピアニストにもメリハリがはっきりわかるように調整した。
結果は皆さん大喜びで、NYスタィンウェイの底力を発揮してくれた。





「グリーグ再発見の旅」録音

グラーセルさんは、今日も朝10時にはホールにお見えになって、軽く指慣らし後、まだ空調も止まってないのに、「早く録音しよう、早く録音しよう」とせっかちに騒ぐ(笑)
この勢いだと、昼には終わってしまいそうな勢いだ。
ノルウェーの格言で「全ての事は3回目が一番良い」というのがあるらしく、1回目、2回目とプレイバックを聞きに戻って、殆ど3回弾いて終わり。
ここ1週間、ローズウッド君をずっと弾いているので、本当に安心しきっているようだ。おまけに「この楽器をポケットに入れてノルウェーに持って帰りたいと」何度も言う。
こんなにピアニストに愛されて、ローズウッド爺さんもさぞかし御機嫌だろう。
まさに相性ピッタリのカップルでした。

13時には全ての録音が終了し、打ち上げもかねて近くのバーミヤンでランチ。今回のレコーディングの話に花が咲いた。
ここで、7日の日記にも書いた「馬車と新幹線の話」と全く同じ話を偶然グラーセルさんが話し出したので、またまた意気投合しました(笑)
以下はグラーセルさんの話。

「作曲家が実際に活躍していた頃の楽器で演奏しなければ、その音楽の本当の意味が表現できません。
例えばブラームスの曲も、あの時代のティンパニーは、現代のものよりもっと小さかったのに、それを知らないで、現代の大きいティンパニーを叩くから、バランスが全然違ってしまう。
ピアノも昔の楽器は全体の音量に比べてベースのほうが大きいので、楽譜にはPPPと書いてあっても、現代のピアノではPPPで弾くと小さすぎてバランスが崩れてしまう。
昔のピアノはそれぞれのパートでいろいろな音色が出せたけれど、現代の楽器ではそれは表現できない。」等々、要約すると大体こんなお話でした。

ムニエの時もそうだったけど、遠い国ノルウェーからやってきたグラーセルさんも全く同じ話をするので、この「正統派シリーズ」を長年続けてきた事の意味が、また今回も証明されたような気がします。
こうして先生は2週間の日本滞在を終えて「明日ノルウェーに帰るの!」と元気にお帰りになりました。
2ヵ月後にこのCDができるのが楽しみです。

「正統なクラシックの伝統を後世に残していく」このシリーズは、コンセプトが凝っているのでお金がかかって大変だけど、こういった素晴らしい音楽家達も思いは同じだということ、そして「一気にパッと売る」営業目的のCDではないからこそ、皆さんが喜んで協力してくれて、こうしてまた作品が1つできあがることを嬉しく思います。
お金ではない財産は心を豊かにします。
次は7月にまた珍しい録音を企画しています。乞うご期待。





グラーセルさん録音初日

今日から録音開始。
朝9時スタッフと3人でホール入り。4月から入社した新人君も、研修のためコーヒー入れ要員として初参加。
10時に早々と先生が到着。軽く指慣らしの後テスト録音。短い曲ばかりなので、その後とんとんと、順調に進む。

昼過ぎ、スタッフに後を任せて、私は車で渋谷に戻る。首都高速が空いていたので、なんと20分で渋谷に戻ってきた!
今日は午後1時からサロンで、コロムビアのレコーディングがある。
ピアニストは久しぶりの加羽沢美濃。
調律は昨夜済ませてあるので、こちらは立会いだけだ。
今日は3曲なので、取りあえずメドがついた頃に抜け出して、美濃ちゃんの差し入れのいなりずしをほうばりながら、またミレニアムホールに戻る。今度は18分で戻ってきた!

こちらの録音も順調に進んでいるので、安心した。
このローズウッド君もオーバーホールをしてから早5年、新しい響板もここのところ馴染んできて、ぐっと落ち着いた音がでるようになり絶好調だ。120年の時を超えて、今なお当時のパワーを再現してくれる。
名器に寿命など無い。

ここで一つ、2~3日前にニューヨークで起こった残念なニュース。
今までニューヨークでの貸出用として、数多くのレコーディングやコンサートで活躍したMODEL-D (前回のギル・シャハム&江口玲のレコーディングと、リンカーンセンターでのリサイタルにも使用した楽器)は、どうしても欲しいという人に譲ってしまったので、2月に渡米した際ニューヨークで、TAKAGI KLAVIER USA次期貸出用のフルコンを購入した。
それを5月2日のカーネギーホールで使うために、知り合いの工場で全弦交換を頼んであったのだけど、何を勘違いしたのか「全塗装を始めてしまいました・・ゴメンナサイ・・」というもの。
塗装は6週間もかかるので、5月2日には当然間に合わない。
他の楽器でやる気はなかったけれど、急遽別の楽器を手に入れるか、借りるか・・さんざん考えた末、残念ながら今回のカーネギーは、持ち込み中止の方向で考えていることを、昨日江口君にメールしました。
このコンサートは、ギル・シャハムと江口君のツアーの一環で、5月2日カーネギーのあとは、来日して東京から九州までのツアーになります。こちらはほぼすべての会場にピアノを持ち込むことが決定しています。
カーネギーの件は本当に申し訳ないけれど、江口君は優しいので、きっと許してくれるでしょう。

グラーセル レコーディング 

台東区にミレニアムホールという音楽ホールがあります。
キャパ300人で、オープンして4~5年、 時々レコーディングで使います。ここのホールは客席の壁もすべて木造りなのですが、見た目ほど残響は長くないので、ピアノの小曲のようなものには向いており、今回のプログラムにはちょうど良いと思います。

録音は10~12日までで、今日はピアノを搬入して、マイクセッテイングとピアノの練習のみ。明日は叙情小曲集、あさってはホルベルグ組曲の予定です。
ムニエさんのドビュッシーの録音のように、グリーグの録音としては、後世に残るものを作る予定です。

朝9時に渋谷で楽器を積み込み、10時にホール搬入。
エレベータで2階にあげる時に、何とスタッフ君がペダルの突き上げ棒を1本、カラ~ンと、エレベータードアの隙間から地下に落としてしまった!怒られてシュンとなったスタッフがホールの人に助けを求めたら、5月7日にエレベータの保守点検があるので、その時なら拾えるとの事。仕方なく池袋の東急ハンズまで走らせて、直径5ミリ長さ50センチの真鍮棒を買いに行かせることにした。
無くした部分はソフトペダル用だったので、とりあえずソステヌート用を外してソフトペダル側に付け、取りあえず2本ペダルとしては使えるようにして調律を始めた。
カーネギーホールのときは録音当日に足を折られ、今日はエレベーターの隙間に部品を落とされ、何ともはや災難続きのローズウッド君である。
東急ハンズから真鍮棒がやってきたのと、グラーセル先生が現れるのとはほぼ同時!なんとか間に合った・・・。
ソステヌートは使わないといえば使わないけど、ペダルが下に下がったままになってるのも見苦しいからね。
先生は夕方まで練習をして、お帰りになった。

その後私は、銀座線の田原町駅から京橋のル・テアトル銀座に向かう。ここでは江原啓之さんのコンサートを1週間やっていて、その間フルコンを貸し出しているので、ほぼ毎日スタッフが調律に入っている。
劇場をちょっと覗いてみたら、裏方さんは旧知の人ばっかりで、あっちこっちで捕まっては立ち話。
わが社のコンサート・グランド達もいろんなところで活躍しているので、思わぬところで皆さんのお耳を汚しているかも知れません。(笑)



グリーグピアノ作品 連続演奏会

グリーグ没後100年イベントのコンサートシリーズ、第2回目はリヴ・グラーセルさんです。
グラーセルさんは御年70歳。
元ノルウェー国立音楽大学の教授で、グリーグの権威なので、今回、一緒に仕事ができることを楽しみにしていました。
ドビュッシーの時のムニエさんのように、遠い北欧のグリーグが何たるや・・を感じ取るには、やはり彼女しかいないでしょう。

小柄で陽気なおばさんといった感じのグラーセルさんは、実に行動的で、難解なノルウェー語(ドイツ語とロシア語を混ぜたような感じ)とドイツ語と片言の英語を駆使して、おまけに満面の笑顔で我々を笑わせてくれます。
事前に、グラーセルさんはピアノフォルテのような古楽器が好きで、過去にはそういった楽器で録音もしているという情報があったので、今回は、1887年ローズウッド君を用意しました。
おばあちゃんとおじいちゃんの組み合わせはとっても相性ピッタリだったようで、先生はすごく喜んでいました(笑) 

グリーグ(1843~1907)の生涯で、1887年といえば44歳の時。
亡くなる20年前でまさに現役バリバリの時ですから、この楽器以外はありえないでしょう。
真新しいピカピカ光ったスタインウェイで演奏して、グリーグは何を語りたかったのか・・では、お墓からグリーグが出てきて「おいおい、何だいこの音は。これがプレハブってやつかい?」とか言いそうです。
新幹線やジャンボジェット機の時代に、馬車や蒸気船で移動していた時代の叙情をより正確に表現するには、できる限り当時の条件を揃えてあげることが必要だと思います。

味のある奥深いグリーグを休憩なしの1時間、無事に弾き終えて、満員の聴衆は大満足。先生もはしゃいで、打ち上げでは納豆まで食べて、おいしい、おいしいと言ってました(笑)
この勢いで、10日からこのピアノでレコーディングをやります。
お楽しみに!




録音最終日

今回、佐藤さんの体調はなかなか良いと見えて、順調にスケジュールをこなしていきます。
湿度が70%近いのも関係しているのかもしれません。
楽器や録音機材のためにはあと20%くらい低いほうがありがたいのですが、生身の人間のほうが大事ですから。
体が楽器って大変です。
それにしても、声楽家と仕事をすると、決まって始まる発声練習には未だに慣れません(笑)突然、ホォー!フォー!とか始まります。
まるで動物園にいるみたいです。

今日も秩父は寒くてステージの温度も16度まで下がってきました。
夕方には雷と共にあられや雪交じりの雨が降り始めたけれど、その頃にはチャイコフスキーの録音は全て終了したので残りは昨夜録音した「千の風になって」という曲をやり直すだけ。
これは去年の紅白歌合戦でも話題になりましたが、なかなかいい曲
ですよね。
「私のお墓のまえで、泣かないでください、そこに私はいません、死んでなんかいません。眠ってなんかいません。千の風、千の風になって、あのおおきな空を吹き渡っています・・。」

折しも昨日、ビクター・スタジオの専属調律師だった小林さんが亡くなったという訃報が入ったばかりでした。
偶然ですが2年ほど前に、今録音しているこのピアノを小林さんに貸して、彼が調律して山下洋輔さんのコンサートをやったのが、私にとって小林さんとの最後の思い出です。
今頃、千の風になって吹き渡っているのでしょうか?  合掌・・。

三鷹で仕事をしている社員から「早くおわったので、これから秩父に向かいます!」と連絡が入りました。やれやれ。
それではトラックとピアノを先に帰らせて、私はちょっと途中で満願の湯という温泉に浸かって帰ります。寒いので・・。


録音2日目

今日はちょっと専門的な話を。
今回のメインマイクは知る人ぞ知る、BK4040という超特選マイク。
普段使い慣れたBKの2倍は太い胴体に金色キャップは堂々たる風格です。
限定生産で世界で50本、25セットくらいしかないらしく、値段も1本150万円、ペアで300万円と破格の値段。定番のBK4006や4011の約6倍!ゴージャスで、上品な音に録れるという。
上品以外は、そのふくよかさといい、マイクの叶姉妹か。

実はこのマイクとは、数回ご一緒した事があって、過去の経験からすると、私個人的には、あんまり好きではない。
ヴァイオリンとか歌とかには良いけれど、はっきりいって、ピアノとは合わないような気がする。ゴメンナサイ(笑)
このマイクは、人間の耳には殆ど聞こえない、ホワイトノイズ気味の高音域も、減衰せずダイレクトに拾ってしまう。
たとえて言えば、うまい水というのは純水ではなくて、ミネラルやナトリウムのようないろいろな不純物が含まれている部分をうまみとして感じているわけですが、超敏感な味覚センサーを口につけて、おいしい水を飲んだとしたら、今までバランスよく感じていた不純物までもが、それぞれ別々にはっきり味として識別されてしまい、それでおいしいと感じられるだろうか?といった感じ。
ボケた音のピアノだと、逆にくっきり録れるので、クリアーで、ハッキリ、クッキリした音に聞こえるのだが、それはあくまでマイクが拾った音で、現実の音ではない。
これではスーラの点描画のような音は描けない、そんな気がする・・。

もちろん今回は歌が素晴らしい音で録れるので、このマイクのよさが際立っているけれど、デジタル時代になって、マイクもコンデンサーになり、どんどんこういった傾向に拍車がかかっているように思います。
アナログ、アコーステイックな音は、アナログな人間と共に過去のものになりつつあるのかな。
でも世界的に見ても、日本の録音技術はトップレベルにあり、その延長線上の悩みだから、贅沢な話であり、やっぱり叶姉妹みたいにゴージャスな悩みなのかも(笑)

今日も淡々と録音は進み、6時半に終了。急いで山を下りてマジョラムに直行し、8人でカレーの晩御飯。

またまた秩父でレコーディング

とうとう4月になってしまいました。
今朝6時にトラックで渋谷を出発!また秩父ミューズパークへ。
2~4日までビクターとレコーディングです。最近2日間でやる録音が多かったので、3日間のレコーディングは何だか久しぶり。
今回は歌の録音なので、スケジュールに余裕があります。
実はこの録音は半年前に予定されていたのですが、声楽の佐藤さんの体調不良で延期になっていました。
確か風邪をひいて、数日前に突然中止になったと記憶しています。
声楽家は体が楽器。予定が変わる事はよくありますし、あまり長い時間録れないので、スケジュールも余裕を持って組んであります。
佐藤さんとは3枚目のCD録音で、前回はチャイコフスキーの歌曲集をこの秩父で録音しました。
彼女がチャイコフスキーコンクールで優勝したのが、1998年だから、あれからもう10年近く経つのか・・・早いものです。

先週とはうってかわって、秩父は小雨が降り寒い。
ステージ上の湿度も70%を超え、先日の笠懸の25%とは大違い。
持ち込んだピアノは、1枚目の府中の森、2枚目の秩父と同じ楽器というリクエストだったので、人気者のCD105Hを持ってきました。
まだまだ続く年度末パニックスケジュールのため、スタッフは誰も同行できず、今回もデュトロ+よぶチャンの組み合わせで、一人搬入です。
最近やけにお腹が出てきて、足の爪が切りにくいなーと思っていたのですが、先週の秩父の露天風呂で恐る恐る体重測定してみるとなんと!76.8キロという驚異的な記録をうちたてしまいました。
ダイエットのつもりで、一人でピアノの足やペダルを運んでみたりしても、焼け石に水です。
でも今回のピアニストは、前回同様、川原忠之さん(ご存知、昨今の歌の伴奏では1番人気)で、その巨漢の影に隠れてあまり目立たないから、良いことにしよう。(笑)

さて、ピアノを組み立てて調律を始めた。
秩父ミューズパークは山の上にあり、客席の両サイドの非常口をあけると、すぐ外なので、搬入口や通路のドアを開けると外気が一気に入ってくるため、ステージ上の温度湿度が一気に変化するのが欠点だ。特に録音初日は機材などの搬入もあるので、必然的に搬入口のドアは開けっぱなしになる。本当はこの時間に調律はしたくないけれど、
時間の関係でそんなことも言ってられない。

舞台セッティングのあるコンサートなどの場合は、ステージにピアノがあると邪魔なので、ピアノ庫で調律をすることが多い。
秋から冬の時期、ピアノ庫でチェックすると中央から高音にかけてのセクションが、必ず低めになっているが、それを正直に直してはいけない。やがて舞台にピアノを出した時、冷えた搬入口からの風で、どんどんピッチは上がってきて、オクターブが、哀れなくらい濁ってくる。
それでも夜本番なら、また楽器が暖まって、わからない程度には回復するけれど、ここのホールのコンサートは殆どがマチネなので、ピッチが最高に上がってしまった時に、リハーサルをやることになる。
そこでびっくりして、ピッチを下げようものなら、本番の頃にはまたまたピアノが暖まってきて、更にばらばらに下がってしまうことが常なので、大忙しでピアノと格闘する羽目になる。
ステージの温度が、照明や外気でどんどん変わるホールは他にもよくあるので、調律師が本番当日必死にピアノと格闘しているのは、一生懸命丁寧にやってくれているのではなく、本当は調律の予測が失敗
しちゃって、慌てている姿かもしれないので、笑ってられませんよ(笑)

今回も案の定、21Fから上に3音ほどが上がってきたけれど(スタインウェイDは20Eまでがベース弦なので)無視して、いつもの温度になるころピッチが揃うように予測して調律をしなければならないので、神経を使います。
いつもの慣れたメンバー、場所、楽器なので、録音は順調に進み、7時には終了して、ホテルにチェックイン。
夕食はやっぱり夢庵。佐藤さんは前回食べれなかった、マジョラムのカレーが随分気になっていたみたいで、今日も朝から、カレーカレーとうるさい。マジョラムは売り切れると夕方でも終わってしまうので、明日は予約を入れることにした。




FC2Ad