とうとう4月になってしまいました。
今朝6時にトラックで渋谷を出発!また秩父ミューズパークへ。
2~4日までビクターとレコーディングです。最近2日間でやる録音が多かったので、3日間のレコーディングは何だか久しぶり。
今回は歌の録音なので、スケジュールに余裕があります。
実はこの録音は半年前に予定されていたのですが、声楽の佐藤さんの体調不良で延期になっていました。
確か風邪をひいて、数日前に突然中止になったと記憶しています。
声楽家は体が楽器。予定が変わる事はよくありますし、あまり長い時間録れないので、スケジュールも余裕を持って組んであります。
佐藤さんとは3枚目のCD録音で、前回はチャイコフスキーの歌曲集をこの秩父で録音しました。
彼女がチャイコフスキーコンクールで優勝したのが、1998年だから、あれからもう10年近く経つのか・・・早いものです。
先週とはうってかわって、秩父は小雨が降り寒い。
ステージ上の湿度も70%を超え、先日の笠懸の25%とは大違い。
持ち込んだピアノは、1枚目の府中の森、2枚目の秩父と同じ楽器というリクエストだったので、人気者のCD105Hを持ってきました。
まだまだ続く年度末パニックスケジュールのため、スタッフは誰も同行できず、今回もデュトロ+よぶチャンの組み合わせで、一人搬入です。
最近やけにお腹が出てきて、足の爪が切りにくいなーと思っていたのですが、先週の秩父の露天風呂で恐る恐る体重測定してみるとなんと!76.8キロという驚異的な記録をうちたてしまいました。
ダイエットのつもりで、一人でピアノの足やペダルを運んでみたりしても、焼け石に水です。
でも今回のピアニストは、前回同様、川原忠之さん(ご存知、昨今の歌の伴奏では1番人気)で、その巨漢の影に隠れてあまり目立たないから、良いことにしよう。(笑)
さて、ピアノを組み立てて調律を始めた。
秩父ミューズパークは山の上にあり、客席の両サイドの非常口をあけると、すぐ外なので、搬入口や通路のドアを開けると外気が一気に入ってくるため、ステージ上の温度湿度が一気に変化するのが欠点だ。特に録音初日は機材などの搬入もあるので、必然的に搬入口のドアは開けっぱなしになる。本当はこの時間に調律はしたくないけれど、
時間の関係でそんなことも言ってられない。
舞台セッティングのあるコンサートなどの場合は、ステージにピアノがあると邪魔なので、ピアノ庫で調律をすることが多い。
秋から冬の時期、ピアノ庫でチェックすると中央から高音にかけてのセクションが、必ず低めになっているが、それを正直に直してはいけない。やがて舞台にピアノを出した時、冷えた搬入口からの風で、どんどんピッチは上がってきて、オクターブが、哀れなくらい濁ってくる。
それでも夜本番なら、また楽器が暖まって、わからない程度には回復するけれど、ここのホールのコンサートは殆どがマチネなので、ピッチが最高に上がってしまった時に、リハーサルをやることになる。
そこでびっくりして、ピッチを下げようものなら、本番の頃にはまたまたピアノが暖まってきて、更にばらばらに下がってしまうことが常なので、大忙しでピアノと格闘する羽目になる。
ステージの温度が、照明や外気でどんどん変わるホールは他にもよくあるので、調律師が本番当日必死にピアノと格闘しているのは、一生懸命丁寧にやってくれているのではなく、本当は調律の予測が失敗
しちゃって、慌てている姿かもしれないので、笑ってられませんよ(笑)
今回も案の定、21Fから上に3音ほどが上がってきたけれど(スタインウェイDは20Eまでがベース弦なので)無視して、いつもの温度になるころピッチが揃うように予測して調律をしなければならないので、神経を使います。
いつもの慣れたメンバー、場所、楽器なので、録音は順調に進み、7時には終了して、ホテルにチェックイン。
夕食はやっぱり夢庵。佐藤さんは前回食べれなかった、マジョラムのカレーが随分気になっていたみたいで、今日も朝から、カレーカレーとうるさい。マジョラムは売り切れると夕方でも終わってしまうので、明日は予約を入れることにした。