NHKの収録

今日は源田さん指揮の東フィルと、NHKの506スタジオにて、ガーシュウィンとラフマニノフの収録。
朝10時にピアノ搬入。今回はコンチェルトなので、F1の登場。ガーシュウィンやラフマニノフは、まさにニューヨーク・スタインウェイの独壇場である。パデレフスキーもラフマニノフも、ホフマンもルビンシュタインもガーシュウィンもホロヴィッツもグールドも、みんなニューヨーク・スタィンウェイを弾いていたし、なかでも作曲家はニューヨーク・スタインウェイの音で音楽のイメージを膨らませていったことは明らかである。
故にこの巨匠達の音楽を他の楽器で表現しようとすると、なんだか嘘っぽくて、しっくりこない。同じ小麦粉なのにうどんでペペロンチーノを作ったような感じだ。それでも、うまいと思う人がいるのかもしれないけれど、本物を知ってるとね・・。

そんなことはどうでも良いけれど、NHKで調律している間、江口君はサロンで練習中らしい。
彼の今月のスケジュールは・・・まず5月2日にカーネギーホールでギル・シャハムとリサイタルをやって、翌日、日本に向けて出発。
その後、今日のコンチェルト収録までの約1ヶ月弱で15本の本番、しかも6種類のプログラム!あ~鉄人。
収録後、いつも口の悪いディレクターも、ラフマニノフにはいたく感動した様子で一安心。

ピアノを搬出して会社に戻る。NHKから会社は直線距離で数百メートルなので、他のスタッフは歩いて帰る。
今回の江口君とはとりあえず今日で1段落。
彼はこの後、先日ギルと行った豊田市で竹澤さん達と室内楽のコンサートをやって、関空から直接ニューヨークに帰るらしい。そして1週間後に戻ってきて、今度はツアーの後半戦だ。




ミレニアムホール

今日は久々のローズウッドで、レコーディング。
場所は台東区にあるミレニアムホールで、曲目は、ライネッケ作曲、フルートとピアノの為のソナタ、「ウンディーヌ」Undine(水の精)」というタイトルが付いている作品です。
全4楽章、20分ほどの作品ですが「北川森央ミニアルバム第2集」として秋に発売の予定だそうです。

彼の楽器は、フランスの名器ルイロット、1886年製。というわけで1887年製のローズウッド君の登場の意味が判ると思います(笑)
この殆ど同じ年の楽器のアンサンブルは、相性ピッタリで、時代を超えて先人達の感性が聞こえてくるような気がします。



ギル・シャハム 日本公演最終日

紀尾井ホール、東京でピアノにとっては最高に相性の良い舞台。
理想的な響きのこのホールは、ピアニストにも本当に評判が良い。
このホールにはもう何度も持ち込んでいるけど、今日はNHKの収録も入るので、中継車や機材車も機材搬入をする。
いつも思うけど、テレビの収録は本当にびっくりするほどスタッフが多い。搬入口や舞台上でいろいろな人と、挨拶が忙しい。

ギルとは、2003年3月のサントリーホールリサイタルを最初に、その後ニューヨークでのレコーディング、2003年11月のリンカーンセンターの2700人満席のリサイタルなど、思い出多いコンサートを一緒にやってきて、そのたびに、その世界一のテクニックに毎回感心させられてきた。
もう大体の音はわかってきたので、今回のツアーではギルシャハム仕様の特別なピアノを使用した。
九州から始まって、豊田、大阪、静岡、と回って東京に戻ってきて休む間もなく2日続けてのコンサート。
おまけに家族が来日して家族サービスではさすがにお疲れ模様。
最終公演の紀尾井ではBプロ。何度聞いても彼のテクニックは世界一だ。今夜もあんなに簡単に弾いてしまうチゴイネルワイゼンに脱帽。

楽屋に戻ってきたギルに「やっと終わったね!」っと言ったら、小声で「Happy!」と返ってきた。ゆっくり休んでね!
いつも気さくなナイスガイのギルや江口君を見ていると、ほんとに巧いヤツは偉そうにしないというのが、よくわかる(笑)

思い起こせば20年ほど前、まだ20代の若い江口君と知り合って(彼がニューヨークに移り住む直前だったと思います)、数多くのレコーディングやコンサートを一緒にやってきたけれど、今や世界中のヴァイオリニストから指名され、世界中をツアーで回り、共演した外人アーティスト達から「信じられない・・!」と最大級の賛辞を送られ、新人アーティストからは、彼の伴奏で弾くことが今やスティタスと言われるほど憧れの存在になった。
こうやって世界に通用するようになった日本人アーティストは、他に見あたらない。
満員の歓喜の拍手を聞きながら、この20年でお互いに10キロくらいは太ったけど、思い起こせばいろんな事があったなあ・・と感無量でした。





王子ホール

九州から始まったギルとのツアーもやっと東京に戻ってきました。
今日は13時に銀座の王子ホールに搬入します。
ギル・シャハムがキャパ300人の王子ホールでやると聞いた時には、みんなびっくりしました。やはりチケットは30分で売り切れたとか。

今までも何度か持ち込みを頼まれたことはあるのですが、このホールは王子製紙本社ビルの中にあり、搬入が面倒なので今回が初めて。
正面玄関から入ってお客様が使用するのと同じエレベータを使い、客席を通って、しかもステージ上げまであるので、サブチャン登場です。
13時の搬入が終わった頃に調律に入って、調整開始。
14時には早々、江口君登場。「何でこんなに早いの?」って聞いたら、「え?リハーサル14時半開始だよ?」何とこっちが聞いていたリハーサル開始時間は17時頃。急いで仕上げをやって、14時半江口君個人リハ開始。

今回のツアーはアン・アキコ・マイヤースの神戸国際会館、宮崎から始まって、豊田、静岡と1000~2000人の大ホールが続いていたので、いきなり300人の狭い空間に戸惑う。
天井も低いので音はスカ~ンと抜けない。同じピアノを持ち歩いていると、ホールの音響は一発でわかる。
このようなホールでは、頭を切り替えて、「超一流の音楽を目の前で聴く空間」と思えば実にうらやましい。
我社の松涛サロンはわずかキャパ60人。天井は低いし、音響は殆ど生音。せめてこのくらいの空間があればなぁ・・。

江口君がリハーサルをやっている間に遅いお昼を食べに行って戻ってきたら、江口君が「何だかこの1音だけがやけに音程が下がるんだけど・・」。どれどれ・・と調律し始めたら、嫌な感触・・予想的中。
バーンと嫌な音をたてて、その弦は切れた。
弦の切れる直前は、弦が一瞬細くなるので突然音程がガクッと下がるので判ります。我がコンサート部のピアノは、約2年で全弦交換をするのですが、新品の弦でもたまに切れる事があります。
ともかく、本番まで1時間しかない。数分で切れた弦を交換する。
張り替えた弦はすぐ狂うので、本番からアンコールまで、狂わないように落ち着かせなければならない。
これから本番なので張り替えた弦だけ、高めに調律して、落ち着くのを待つなんて暢気な事も言ってられない。これも、ちょっとしたコツ。

そんなわけで、今日はもう何年ぶりだか忘れたけど、休憩時間にステージに出て、張り替えた弦をチェックする事にした。
いくら休憩時間とはいえ、ステージに出て行くのはちょっと恥ずかしい。よくピアニストはこんなところに出て行けるものだと感心したりしながら、チエックした。予想通り、殆ど下がっていないので、安心した。

ロビーに「本日はタカギクラヴィア(株)所有のピアノを持ち込んで使用しています」と張り紙をしてくれたせいか、後日会社にもピアノの問い合わせが何件かあった。うれしいことだ。
さて、連日のツアーにギルも少し表情が疲れ気味・・で、明日は今回のギルシャハム最終、メインイベントの紀尾井ホールだ。


静岡AOIホール

デュトロは秩父に置いてきたので、今日はアーバンに楽器を積み込み、静岡AOIホールに向かった。
この車は4月号の月刊ピアノに、ごぶチャンとともに「簡単にピアノを運ぶシステム」として、紹介されたので、ご覧になった人もいると思います。
13時搬入なのに、何かの間違いか11時には静岡についてしまった。意外と静岡は近かった・・。(笑)
時間つぶしに焼肉食べたり、100均ショップ行ったり、結構遊べました。

このホールは郵便局パルルのやっているホールで、静岡の駅前にあり、とても便利です。録音やコンサートに、もう何度も来たことがありますが、なかなか良いホールです。
調律は15時アップ。程なくして江口君登場。
彼らは昨日、大阪のイシハラホールでコンサートをやってきました。
残念ながらイシハラホールは搬入が困難なので持ち込みはせず、私は秩父で別の仕事をしてきて、本日ここで合流したわけです。
今回、ギル・シャハムの日本公演はAプロ、Bプロの2種類あり、今日はAプロ---オールブラームス・ソナタです。
嬉しいことに2階最後列に空席があったので、本番を客席で聞くことができました、それにしてもギルの安定感は素晴らしい。

アーティストがサイン会をやっている間に速攻で搬出完了、そのまますぐに東名高速に乗る。
21時半にホールを出て、渋谷に着いたのは23時半。
サロンにピアノを下ろして、明日からはやっと東京だ。



秩父レコーディング2日目

日頃の睡眠不足を一気に解消して、今日は録音2日目。
10時半に音出し開始。録音は順調に進み、今日も予定通り、と思いきや、14時頃私の交代要員が、秩父に向かう途中の関越道・花園本線上から緊急電話!「エンジンが突然止まりました!」
詳細を聞くと、どうもエンジンが突然焼きついたらしい。
その後、何とか無事にJAFに牽引してもらって、一般道まで降りたという連絡を受け一安心。
我々の仕事はともかく車で全国を走り回るので、車の故障や事故には神経を使う。

交代要員は予定より2時間ほど遅れて、修理工場の代車で現れた。
2日目の録音も無事終了して、皆で、秩父名物マジョラムのカレーを食べに行った。
10人でワイワイ食べるマジョラムのカレーはやはり旨い。
私は一人渋谷に戻る。
明日の早朝出発する、静岡の楽器を調整しなければ・・。






秩父レコーディング

昨夜11時頃に豊田から戻ってまいりました。
サロンにピアノを下ろして、今日からの録音用のピアノに乗せ変えて、深夜1時頃に帰宅。
風呂に入って、寝たのが3時頃。寝たと思ったら、6時半にはもうトラックがお迎えに来た。

9時に秩父に搬入。快晴の素晴らしい深緑の秩父ミューズパーク。この環境が何物にも変えられない。
深呼吸をして、連日の睡眠不足の頭に新鮮な山の空気を注入して、レコーディング開始だ。
今日から3日間、デュエットゥという連弾のユニットで、バッハのアレンジ曲のレコーディングだ。
今日と明日は私が担当しますが、明後日は静岡AOIホールへギルシャハムのコンサートに行かなければならないので、別のスタッフと交代します。

例によって、レコーディング初日は楽器の調整や、サウンドチエックに時間がかかる・・と言うよりはかけます。
今回の楽器は、比較的新しいハンブルグD。デュエットゥのお二人は、松涛のサロンで事前にこのピアノで練習をしていました。
連弾の録音は、実はバランスがとても難しくてエンジニア泣かせです。
20本もの指が別々の音を奏でるのですから、ピアノソロの場合では考えられないような歪んだ音が出たりします。
2台ピアノの場合は響鳴板のような発音部分が2つに分かれているけれど、連弾の場合は同じ響鳴板の上で発音するので、複雑なひずみが出たりします。
そんな心配をよそに、録音はとんとんと進み、7時頃には早々と本日の予定は終了。早めにホテルに戻って、爆睡!





豊田コンサートホール

朝5時にデュトロで、豊田に向けて出発。
先週のアン・アキコ・マイヤースに続いて ツアーの第2弾が始まりました。日本では4年ぶりのギル・シャハムです。
今日は久しぶりの豊田市コンサートホール。さすが世界1のトヨタの町だけあって、豪華なホールです。

さて、先日の神戸国際会館で撮れた写真はいかに偶然だったかの比較見本として、今日も同じアングルで録ってみました。通常の照明はステージより客席のほうが暗いので、殆どがこんな感じで映ります。
神戸の時は照明のセッティング中で、ステージより客席のほうが明るい時があり、偶然そのタイミングのときに撮ったので、綺麗な客席に私がシルエットだけで溶け込んでいるみたいに撮れたのです。今日は、神戸に負けず劣らず綺麗なホールなのに、おっさんがはっきり写ってしまって、目障りな、普通の写真になってしまいました(笑)

さて、今回のギルのツアーの持ち込みは、豊田、静岡AOI、王子ホール、そして25日最終の紀尾井ホールです。
4年前、サントリーホールでの名演はNHKで何度も再演されているので、見た人も大勢いると思います。今年も最終の紀尾井ホールはNHKが収録するので楽しみですね。

今日は日曜日で東名もスイスイ、横浜から3時間半で豊田に到着。
9時半に搬入して、調律開始。
昨日大きな調整は殆ど済ませているので、あとはステージ上で、ホールの癖にあわせて微調整するだけです。
この豊田市コンサートホールは以前フルートの高木綾子の録音でも来たことがありますが、シューズボックススタィルの約1000席で、かなり奥行きがあるにもかかわらず、一番後ろの席まで見事に音が届く魅力的なホールです。
9階建てビルの最上階にあるので、ロビーからは抜群の展望で、コンサートホールにいるのを忘れるほど夜景も綺麗です。


前回のサントリーでは、ギルの衝撃の演奏テクニックにびっくり!
ヴァイオリンであんなPPPPPがかすれもせず、なぜ出せるのか・・!
完璧な音程とあいまって、どんどん小さくなるPPPPPP!ダメだ、ピアノの音量が大きすぎる。たまらず江口君が私を呼ぶ。
「もっと小さい音が出したい・・」サントリーホールのステージで、頭を抱えた。
この約2000人のホールで、しかもただでさえ音が飛んでいかないこのサントリーホールに合わせて、フォルテ重視で調整してきたのに・・まるで違う方向に調整を変えなければならない。
時間が無い・・。音量を下げるだけならばハンマーに針を刺して、柔らかくするのが、よくやるテクニックだけれど、そんな事をしたって江口君は決して満足するはずない。
ピアニシモに芯がなくなって、モワっとした鼻詰まりの音を彼は求めているのではない。
それは音量だけではなく音色まで変わってしまうからだ。
ともかくタッチで限りなくPPPPPが出せるように調整をやり直す。
それならずっと遠くまで減衰しないで
PPPPPが聞こえるはずだ。そんな苦労も知らず、ギルは更にPPPPPPに拍車をかける!
だめだ、もっと音を小さくしたい・・江口君も悲鳴を上げる。また調整をやり直す。こんな時ホフマンアクションだったら・・。

(ホフマンアクションとは---鍵盤を押していくとやがてコクンと感じる「エスケープ」「アフタータッチ」とよばれるあの感触が全くなく、いくら弱いタッチで弾いても音の抜けがない調整のアクションのこと。)

実際はこのコックンと抜ける位置がハンマーが弦にもっとも接近している位置なので(この後は鍵盤を押し続けてもハンマーは逆に弦から離れてしまう)、この先が音の出るポイントなのだ。
この位置はピアニシモで演奏上とても重要な位置なのだが、鍵盤の表面の高さと「あがき」と呼ばれる鍵盤の深さを計る基準はあるものの、このアフタータッチの高さの明確な基準はない。
実際この位置は感触で判断するしかないので、殆どのピアノが揃っていない。(目に見える部分を一生懸命揃えたピアノほど、音の出るポイントがばらばらな事が多い)
ここが揃っていないと、和音で鍵盤を押した時にそれぞれの指で出る音のタイミングがずれるので、1枚の板のような和音ではなくポロロンポロロンと分散してしまう。これはピアニシモの時は、より顕著に現れるので、とても重要なわけです。

このサントリーホールでのリハーサルは、久しぶりに目の覚めるような出来事で、現状にアグラかいてちゃいかん!と汗だくで時間一杯まで、ホフマンアクション風に調整をやり直した事を昨日の事の様に思い出すわけです。
日本ではそれ以来だけど、その翌年もニューヨークでのレコーディングやエイブリフィッシャーホールでのコンサートで、タカギクラヴィアUSAのスタインウェイDを使ったから、ギルちゃんに会うのは3年ぶりかな?
そんな事を思い出しているうちにいつものように早めに江口君は現れた。今日は日曜日でマチネなので、3時開演。
久しぶりのギルは少し年をとって中年太り。そのせいか、以前よりヴァイオリンの音が太くなったように聞こえるのは、気のせいか?
相変わらずヴァイオリンを弾くという技術もこれ以上のものはないというほどのテクニックで、まさしくこれは天才だ。





スイートベイジル

六本木の交差点から少し下ったところに、スイートベイジルというライブハウスがあります。
ここはフルコンが入るので、時々持込を頼まれます。
今日は稲本響のライブで、朝11時にサブチャンが渋谷から持ってきたF1を搬入しました。
調律をしてリハーサルを少し見て、一旦渋谷に帰りました。
近いと言うのはなんと便利なことか・・・。
開場時間は6時ですが、そこからディナータイムなので、演奏開始は7時半からになります。

今夜は久しぶりのムービングピアノも登場なので、その調律もやったり、ワイアレスの受信機のチェックや電池を交換したり、いつもよりやることが多かったのですが、始まってしまえば2階のスタッフ席に陣取り、ワインを飲んで、ぐでぐでしていても、照明が暗いので、笑っていられます。
しかしいつ聞いてもヒューマンビートボックスという口だけでやるパーカッションはすごいです。完全に本物のドラムが入っているのかと騙されます。
やはり大うけで、大喝采!満員完売で大盛り上がりで本番終了。

見回してみると会場にはバレーボールの大林さん、奥田瑛二さんご一家、鈴木光司さん(リング/らせんの作者)等など、まるで芸能界の集まりのように知った顔がぞろぞろ。
それぞれに挨拶周りをしている間にいつの間にかサブチャンはF1搬出終了、あわてて追っかけて、渋谷に戻りました。



フィリアホールにて

今日の公演は、日曜日なのでマチネです。
青葉台の駅前にあるフィリアホールは、もう何度も持ち込みで来たことがあります。室内楽にはぴったりの約 400席。搬入も楽で駅も近いし、なかなか使い勝手の良いホールです。

朝9時半に搬入して、調律アップが11時。マチネは慌ただしい。
リハーサルでは客席で音のバランスを聞くのも調律師の重要な仕事です。ステージにいるアーティストには、自分の演奏している音が、客席にどんな具合に聞こえているのか、絶対にわからないので、とても気になります。
音色や音量やバランス、それによってはピアノの置き場所を変え、ヴァイオリンの立ち位置を変え、ピアノの調整まで変える事も良くあります。
特にヴァイオリンのような弦楽器は、弾き方はもとより、楽器によって音量や音の飛んでくる感じがまるで違うので、ピアノ全体の音量を調整して、バランスをとります。
ソフトペダルをもっと効くように調整してしまうと、ピアニシモに輪郭がなくなり、もわっとして和音が団子になる事が多いので私は好きではありません。
ソフトペダルが段階的に効くようにする事はよくありますが、それよりはタッチ調整でピアニシモが出しやすくしたほうが、より芯のある弱音が出て、遠くまで良く届くようになります。もちろんこういった作業は持ち込みだからできるのですが。

今日もステージの上では音楽的なバランスの論議が続き、何度も調整を繰り返します。
そのたびに少しずつフォーカスが合ってくるように、いろんな倍音が見えてきます。そこにヴァイオリンが乗ると、まるでオーケストラとのコンチェルトのように色彩豊かになり、もう単なる伴奏ではありません。
アコースティックな立体感のある音楽に包まれた至福の2時間を過ごして、楽屋の長蛇の列を横目で見ながら、搬出!





ヴァイオリン三昧です

ツアー移動中に、先月までさかのぼって思い出しつつ日記を更新しました。今月ももうすぐ真ん中。
今日は午前中、久しぶりにVnの奥村愛ちゃんの仕事をやってサロンに戻ってきたら、もう江口君が宮崎から戻ってきて、明日の青葉台フィリアホールでご一緒する岡崎さんと練習していました。
明日もヴァイオリン。
これから2ヶ月に渡り、ギル・シャハム、竹沢恭子、そしてプーレ先生まで、ヴァイオリンとの共演はまだまだ続きます。



宮崎です

昨日は京都からトラックで伊丹に送ってもらって、さようなら!
トラックは東京に戻り、私は空路、宮崎へ。
バスのような小さい飛行機に乗って1時間でもう宮崎だが、空港から都城は遠い。バスで都城に向かって、駅前のホテルに着いたのは夜の9時頃だった。

朝チェックアウトをして、ホールに向かう。
駅から5分くらいのところに都城文化ホールというピカピカの新しい豪華なホールがあった。今日もここでアン・アキコ・マイヤースのコンサートだ。
最初の予定では神戸からトラックを走らせて宮崎までピアノを運ぶ予定だったけど、東京で仕事が重なってしまったので、ホールのピアノを使用して調律だけ入る。
都城の文化ホールの企画担当の「ひばりの」さんとお会いした。
実は担当の人の名前を聞いた時に、いったいどんな字を書くのか、名刺交換するのを楽しみにしていました。パソコンでもなかなか変換出来ない珍しいお名前のひばりのさん、お世話になりました!
この仕事で、全国を回っていると、いろんな珍しい名字の人と知り合います。宮崎のひばりのさんは、秩父ミューズパークの髭右近(ひげうこん)さんの次にびっくりしました。

さてさて、最終の飛行機で東京に戻らなければならず、空港まで時間もかかるので、リハーサルの最中に失礼する事にした。空港に着いたら、今、宮崎は話題の中心。結局マンゴーを買ってしまった。




京都といえば・・・たこ焼き!

アン・アキコ・ マイヤースの神戸国際会館大ホールは満員!
昨夜はコンサート終了後、ピアノを搬出して、京都に向かい、京都東インター下車。たこ虎の山科店で、楽しみにしていた「たこ焼き」を食べる。たこ焼きと馬鹿にするなかれ、食べた人はみんなびっくり!
たこ焼きのイメージが変わります。これは立派な料理だ。
何年か前に、京都コンサートホールに持ち込みした帰り道、偶然見つけてから、この近辺に来た時は必ず寄ります。

腹一杯食べてから、昨夜はまた多賀で宿泊して今日は京都で、個人的なお客さんの仕事をやりました。
トラックは東京に戻り、私は伊丹空港からいざ宮崎へ!



新たなツアーの開始です

昨夜はいつもの多賀パーキングのハイウェイオアシスで休憩。
風呂も入って、朝ご飯食べて出発。

朝11時に神戸国際会館大ホールに搬入。
ここは三ノ宮からすぐの繁華街にあるのに、なんとシャッターが空くと10トン車が3台も入りそうな広い搬入口!
しかも搬入エレベーターまでフラットで、上がると目の前が舞台!
1人でも楽勝で搬入できる。

こくさいホールは、カーネギーホールにそっくりで綺麗な大ホール。
キャパはサントリーホールとほぼ同じの約2000人。反響板があるので、音的にはサントリーホールより全然良い。
ピアノをステージで鳴らしてみる。流石にステージ上は音の返りが少ないので痩せた感じに聞こえるけれど、客席ではなかなかどうして、よく聞こえる。これは良いホールだね。

調律が終わった頃、いつものように早めに江口君登場。
今日はポロシャツだ、暑いからね。
そしてアンちゃん登場。すっかり大人になったアンちゃんは、これまたすっかりアメリカ人。ハーフでも日本で育つのと、外国で育つのでは、まるっきり違って見えるのも面白い。
リハーサルが始まる前の調律中に、偶然照明を落としてくれたので、綺麗な写真が撮れました。やっぱりカーネギーホールにそっくりだ。




ツーショット!?

ラ・フォル・ジュルネが終わって次のコンサートシリーズが始まりました。これから7月上旬まで、ヴァイオリニストとの共演シリーズ、今日からツアーに出かけます。

横浜工場から楽器を積み込み、夕方東名に乗って、一路神戸を目指しました。明日からアン・アキコ・マイヤースと江口君のツアーです。
我がデュトロ号は快調に東名をひた走ります。
1999年導入以来、北海道から九州まで15万キロを走破した2代目トラックのデュトロ号も、大分傷だらけになって、お疲れ模様です。
そろそろオーバーホールかな。
途中のパーキングで、先日制作した我がデュトロ号の模型と親子でツーショット!




 いよいよ最終日

昨年より1日延びたラ・フォル・ジュルネも今日で最終日。
朝から生憎の雨で、残念ながら、この天候では目標入場者100万人は達成出来ないかもしれないが、それにしても凄い人出で、来年はどうなることやら・・・?
地方でも同じような催しを始めるらしいけど、あの「のだめ効果」が火付け役になったみたいですね。重要なのは長く続ける事です。

夕方から各業者が集結して一斉に搬出。我が社にも次々スタインウェイが戻ってきました。ホントにピアノって大きいから置き場所に困ってます。誰か良いアイディア下さい(笑)



ピークです!

夜は結局2時間も眠れず、電車に飛び乗って、朝9時には厚木市文化会館入り。
昨年はここの大ホールで厚木交響楽団とコンチェルトをやった。
今日は小ホールでアキコ・グレース。持ち込みではなく、ハウスピアノを使用する。シリアルナンバー47万台の、まさに良かった頃のスタインウェイで、私の好きな楽器だ。

11時には調律を終えて有楽町に戻る。程なくして、朝9時に搬入した「ルネこだいら」のスタッフから、調律が終了したとメールが入った。
こだいらでは今日、N響メンバー達とのコンサートがある。
昨夜搬入した丸ビルとラ・フォル・ジュルネも合わせると、昨日に引き続き10台の持ち込みと厚木市文化会館とが重なっている記録的な1日になってしまった(笑)

昼過ぎに国際フォーラムに着いて、昨夜ピッチ変更をしたピアノでバルトークのリハーサルを覗く。
この後、全く同じ時間に丸ビルで、中井&武田さん達の2台ピアノのイベントと重なっているので、こちらの本番は見ずに丸ビルへ走る。
いつもの曲を聞きながら、昨日の深夜の搬入騒ぎや、夜中の調律を思い出し、ホッとして、急に睡魔が襲う。スイマセン寝てないもので(笑)

やれやれ、責任を果たして、取りあえず渋谷に帰る。丸ビルの搬出はまた今夜の0時からだが、それはスタッフにまかせて少し休もう。







ラ・フォル・ジュルネ真っ只中!

毎日毎日、朝8時半入りで4人の調律隊を組んで、各ピアノを調律して回る。何せこのイベントは時間との戦いだ。オケまでいれると1700人ものアーティストに対して練習室やピアノが足りなさすぎるようだ。
外人達はホテルでは練習ができないので早朝から練習場所の争奪戦が始まる。
朝8時半から10時まで調律をやって、展示ホールに全員集合。
1階広場の屋台でみんなでちょっと早い昼ご飯を食べるのが日課。その後我々は通常の勤務に戻ります。

ゴールデンウィークとはいえ、ラ・フォル・ジュルネ以外にコンサートがないわけではないので、8台も国際フォーラムに貸し出していると、流石に楽器のやりくりが大変だ。
今朝は服部良一特集の収録で、さっそく朝早くからテレビ番組スタジオに搬入。午後からは茅ヶ崎市民文化会館にも貸出があるので、合計10台が稼動していることになる。
国際フォーラムから帰って早速楽器を積み込み、茅ヶ崎へ。本番終了が21時。ピアノを積み込み、トラック隊は渋谷に返して、私は電車で茅ヶ崎から有楽町まで移動。ゴールデンウィークの真っ只中に車では時間が読めないので、移動は電車に限る。連日の寝不足を電車ならうたた寝で解消できるので一石二鳥だ。

先に国際フォーラムに向かっていた別のスタッフ達が、ホールDからCにピアノを移動。しかしホールCのコンサート終了は23時なので、お客さんがはけて調律を始めたのは24時。
さてこれから明日のバルトークのコンチェルトの為に、ピッチを442から一気に440に落とさなけりゃならない。最初に438に落として、2回目に440に落ち着かせる。
先ほどピアノを移動したスタッフ達は、今度は丸ビルの方に移動して、今年から増えたピティナ主催の丸ビル会場にも2台ピアノ用の楽器を搬入している。
フォーラムも丸ビルもセキュリティーが厳しくて、搬入出も大いに制限がある。フォーラムは深夜0時までに車両を出さなければならないし、丸ビルは深夜0時まででないと車両が入れない。人は0時半までの入館、そして作業は0:30からでないと始められない・・・などなど。

「無事、搬入・調律が終わりました」の報告が入って、先にスタッフは帰らせたけと、こっちは2回めの調律の真っ最中!夜中の2時を回って、ようやくピッチが440に落ちついてきた。
昨日も3時間しか寝てないのに、今夜ももうこんな時間!誰もいない深夜のコンサートホールで調律を続けながら、なぜか笑えてくる。家に帰ったら4時。
明日は厚木市文化会館に朝9時入りだ。もう笑うしかない。



いよいよ・・・

ラ・フォル・ジュルネ、今日は調律です。
朝8時、会社に集合。7台は昨日搬入したので、ホールDに持っていくフルコンを積み込んで、総数8台の調律隊も出発です。
1人2台ずつ9時~12時で、各ピアノを調律して回ります。これが期間中、毎朝の日課になります。

私はまず展示ホールをやる事にして、ホールに入っていくと、調律の音が聞こえます。はて?と思い音のするほうに行って見ると、展示ホールのステージの下に、今年はカワイのブースもできたらしく、そこでカワイの調律師さんが調律していました。
なにやら、7~9時で調律の時間をもらっていたらしいのに、ホールがあいたのが9時だったので、やむなく、調律を始めてしまったらしい。
こういった大きなイベントではよくある手違いで、同じ場所で、2台の調律の時間が重なってしまったわけだ。
仕方ないので、私の9~11時の時間のうちの9~10時を彼に譲って、私は10~11時にすることにしました。
ひょんなことで、カワイの調律師の人とも名刺交換ができました。
普段は殆ど他の調律師と同じ場所で仕事を一緒にすることはないので、他社の調律仲間と話ができるのもラフォールジュルネの楽しみでもあります。

展示ホールの調律を終えて、ホールDへ移動。こちらではオーケストラのリハーサルがもう始まりそうなので、ゆっくり調律をしている時間はありません。
外人アーティストは時差ぼけなのか早起きなのか、与えられた調律時間でもお構いなしに、ぞろぞろ入ってきて練習したがります。

13時頃に調律隊全員集合して、とりあえず会社に戻ります。
私と部長は夕方6時にレセプションのため、またホールに戻りました。
毎年恒例のオープニングのパーティーです。
立食で、ローストビーフやワインを頂きながら、今年は出演アーティストは1700人を超えて年々盛大になっていくラフォールジュルネの話に花が咲き、いよいよ明日から本番スタートです。

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