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1903年のスタインウェイ

1年以上お待たせしていたお客さんの 家に行ってきました。
久しぶりに再会した、このニューヨーク・スタインウェイ。
例によって響板や駒、ピン板に至るまでフルリビルトしたヴィンテージスタインウェイである。
この時代のスタインウェイの鍵盤蓋には良くこのディカールが貼ってある。
当時はまだ酸化第二鉄によるエッチング技術が確立されてなかったので全てシールだった。。
逆に言えば紙に印刷したシールだったから、こんな複雑なディカールが出来たとも言える。

このディカールが使われているニューヨークスタインウェイもよく手がけるが、この楽器ほど程度の良いものは珍しい。
キャプスタンもオリジナルの六角のもので、専用のスパナで回す。
この楽器の面白いのは、アリコートシステムが一切ない事だ。
この前後の時代の楽器には当然欠かせないシステムで、むしろスタインウェイの特徴なのに、全く採用してない楽器もあったということがわかる。

この楽器のオーナーは、大のグールド好きで、バッハの曲のやりたかった事が、この楽器だと簡単にできる。幸せで、今夜は眠れない…
というメールが来た(笑)
いや、本当の話。



母島最後の夜

母島小中学校のグランドピアノのばらしは順調に進み、明日の午前中に外装の磨きを残すだけです。

夜、事務の方が旧ヘリポートに星を見に連れて行ってくれました。
偶然にもヘリポートには母島小中学校の先生方ご家族がいらっしゃっていて、レクチャーを聞きながら、満天の星空を集まったみんなで地面に寝転んで眺めました。
おびただしい数の星々、くっきり見える天の川、数分に一度落ちて行く流れ星、すごいスピードで移動している人工衛星…すべてが初めてみる光景で、圧倒されてしまいます。

そしてヘリポートまでの行き帰りに、浜ではあまりにも身近に、あまりにも自然に何匹ものウミガメが浜に上がってきて、産卵しては海に帰って行くという、もう一つのすごい光景を目にすることができました。
東京での生活ではつい忘れてしまう大切なことを、壮大な自然とここに暮らす人達から学びました。
仕事でこんな経験が出来るということは、本当に有り難いことだとつくづく思いながら、明日からも頑張ろう!と思いを新たにしました。


(芽)

小笠原通信

父島に到着しました。
船の揺れはそれほどひどく無かったですが、ご飯も食べずずっと寝ていました。
父島はやはり暑いです。海の色が冬と比べるとかなり明るくて、ハイビスカスもいっぱいでキレイです。
13時半に母島に向け出航します。こちらはものすごくいい天気ですが、東京はどうですか?
母島は携帯が通じません、しばらく音信不通になります

(芽)


小笠原へ出発

「怒涛のオーバーホール8台」のうち2台は、なんと小笠原の父島と母島にあります。
小笠原には空港が無い為、父島までは25時間、母島へは船を乗り換えて更に2時間の船旅です。
船は基本的には週に1往復(8月だけは2往復)しか出ておらず、会社と同じ東京都でありながら日本一遠い場所のような気がします。

今回は2月に調律に来たのと同じメンバー(2人)で、まずは母島へ行きカワイのグランドピアノのばらし。その後父島に戻りヤマハのグランドピアノを仕上げて約2週間後に戻ります。行ってきま~す!

(芽)




さくらんぼ

午後からサロンで、ハンガリー帰りの山本麻紀ちゃんのコンサートがあるので、朝から準備。
そんなおり、クール宅急便が届いた。
お待ちかね、アメリカから、巨大アメリカンチェリーの到着だ!
某ピアニストによる、毎年恒例のありがたい御中元。
社員一同この季節は首を長くして待っている逸品だ!
最初は赤黒いチェリーと、この黄色いのが2種類送られてきていたので、日本では珍しい黄色いさくらんぼのほうにして!と、厚かましくもリクエストしてからは、この黄色いのが毎年送られてくるようになった。
見よ、リンゴかプラムのような大きさ!この食べごたえ!ありがとう!また来年も(笑)



秩父倉庫大活躍

貸出用コンサートグランドピアノが15台にまで増え続け、その置き場所も、松濤サロン、スタジオ、横浜工場、羽沢倉庫と、次々と広げざるを得なくなって、とうとう趣味の車達は昨年借りた60坪の秩父倉庫に引っ越して行った。

何せ、コンサート部貸出用のピアノは梱包して立てて置くわけにはいかないので、全てのフルコンは弾ける状態で起こしてある。
ピアノ1台で軽自動車位の面積を取り、自分では動かず、厄介なのは、温度湿度の管理の為、エアコンを24時間つけておかなければならない。
全く人間様より優遇されている(笑)

以前は、趣味の車数台と、そのスペア部品で完全に2部屋占領していた横浜工場も、床の工事を施しエアコンも設置して、完全にピアノ庫になった。
秩父出身のスタッフ、Nさんが見つけてくれた秩父倉庫は、安いし、彼女が実家に帰る際には管理も任せられるので万全だ(笑)

そんな秩父倉庫は、車や部品や工作機械等を置いても、まだまだ余裕があるので、倉庫の中に小部屋を作り、エアコンを取り付けて、ピアノ庫も作った。
ここには、ガブリエル・ガボーやイバッハ、コラード&コラードといった珍しいアップライトや、ベーゼンのModel-170など、コンサート部の貸し出し以外のコレクション・ピアノ達が眠っている。

今日は久しぶりに倉庫内の配線工事や片付けに来た。
こんなにピアノが増えてしまって、昨年ここを借りてなければ、今頃どうなっていたかと思うと、ぞっとする(笑)
ちょっと大工仕事をやって、近くの温泉で一汗流して、私だけレッドアローに乗って、池袋に向かった。

今夜はピアニストと、池袋のハーベストと言う店で待ち合わせ。
秩父倉庫便利(笑)


オーバーホール

学校が夏休みに入り、今日から「怒濤のオーバーホール」がスタートです。
この夏休みだけで、グランドピアノ8台のオーバーホールをこなします。
社長はコンサートやレコーディングで全国飛び回り大忙し、私たちもコンサートとこの修理で大忙しです!

朝から4階の音楽室まで階段で工具やパーツを運び(5階までの階段上げを経験しているので、それよりはましと思いながら…)、脱弦から張弦までずっと汗を拭きながらの修理。
真夏の修理は大変です。

私は行きませんが、今年は小笠原での修理もあるのでそちらは更
に大変かと(笑)。

〈晶〉



杉並公会堂

梅雨明けしたらしいけど曇り空の中、今日は杉並公会堂に朝9時搬入。
歴史ある杉並公会堂も最近新築した。

新しいホールに、慣れたピアノを持ち込むのは楽しみだ。
そのホールの音響の良し悪しが何よりも、良くわかる。
ずっと、ピアノにあったホールを探しているので、今日の杉並公会堂はどうなんだろ?

ピアノをホール内に入れて見回してみると、サントリーホールのようにステージ後ろにも客席があり、ホールは横幅に比べて、奥行きが少ない。
こういった形のホールは得てして、音の方向性が無く、客席にカーンと音が飛んで行かない。
リハーサルの時、客席中央で拍手をしたら、ビンビンと鳴き竜現象が起きる。
モヤモヤした響きは、このせいかも知れない。
そういった事を除けば普通のホールだ。

本当にピアノに合うホール探しは難しい。ホールも楽器なのだ。


アミュゼ柏

今日は朝から柏市のホールにフルコンを搬入しました。
私はこのホールには、クラシックでは、エリック・ベルショさんのコンサートと、美野春樹さんの時と2回程調律に入っていますが、持ち込みのコンサートで、完全に任される事は初めてなので、ちょっと緊張です。

主催の皆さんも、ピアノを持ち込むと言うことで今日のコンサートをとても楽しみにしていらしたようです。
400席のチケットは完売、お客様も大満足だったのではないでしょうか。

各ホールそれぞれカラーはありますが、今日のスタッフの皆さんは色々気遣いしてくださり、こちらも気持ちよく仕事ができました。

(N)


7月13日阿南

今日から、徒然日記に私達スタッフも時々参加する事になりました!


12日から女性スタッフ2人で徳島県阿南市に来ています。
夢ホールで「こんにゃく座」の公演と、お隣のホテルで「市民協議会ゆめつくりあなん」の10周年記念のパーティー(私たちも参加)でピアノを使うため、東京からトラックにB型を積んで走ってきました。

社長は東フィルのコンチェルトでオーチャードホールに行っているので残念ながらこちらには来られませんでしたが、10周年のお祝いにと、このパーティー用のピアノ・レンタルは市民協議会に社長からのプレゼントです(実物通り太っ腹!)。

2人で会場にB型を搬入して、ホールと会場とそれぞれに分かれて調律をし準備万端。
公演も無事終了、そのまま会場へ移動して、パーティー。
ところが最後の締めに、突然壇上に呼び出され、社長に代わり、挨拶とピアノについての説明をさせられました!サプライズでした。

さて残るは搬出のみ。パーティーに参加していたこんにゃく座の皆さんもこの搬出の様子に興味津々。
今日もギャラリーの多い中での搬出となりました(笑)。
14日は東京まで走ります。

(S)


ニューヨーク・ニューヨーク

おととい、オペラシティのリハーサルホールにニューヨークスタインウェイのアップライト(!)Model-1098を持ち込みした。
東フィルの定期演奏会のリハーサルで、アップライトはオケ中で使うためだ。

今日の本番はオーチャードホールで、もちろんコンチェルト用にF1も持ち込み。
オケ中ピアノもニューヨークスタインウェイのアップライトで、まさにニューヨーク・ニューヨーク!これは日本初でしょうね!
プログラムもバーバーとバーンスタイン。
ここは、カーネギーホールかあ?(笑)

今日はマチネで、15~17時本番だから、朝から大忙し!
オーチャードホールはすぐご近所だから助かった(笑)
まずはF1を搬入して、舞台上のオケの楽器セッティング終わるまで、袖で調律。
その間にスタッフは歩いて会社に戻って、あらかじめ調律して置いたアップライトを搬入準備。
今日はまたもや、NHKのFMの収録があるので、オーチャードホールの、あの狭い搬入口はそれぞれのトラックが待機して、ごった返してます。
やっとステージ上にピアノを移動して調律を再開したら、もうオケの団員がやってきて、袖で管楽器をガンガン吹き始めるし、ドラムセットまでドカチャカ!
とても調律どころじゃない(笑)良くある事。
マチネだったのを忘れてた自分が悪い(苦笑)

リハーサルが始まって、誰かが言った。

「いやあ~今日はタカギさんのピアノ持ち込んでもらって良かったですよお~。この曲、普通のピアノじゃあ聴こえないすよ~」

そりゃあごもっとも。

舞台上を埋め尽くしたフルオーケストラに、フルセットのドラム、ハープもダブル!
オケ中にもピアノ、ドラや数々のパーカッションなどなど、大音量とピアノは戦わなきゃならないから(笑)
そのくせ極端なピアニシモがやたら出てくるので、そのダイナミックレンジの広さたるや、極限に近い。
大音量でオケが鳴ったあとは、耳がマスキングされてしまうので、次にピアノがピアニシモで弾いても、普通のピアノでは聴こえない。
そんな事もあろうかと、ちゃんと昨夜輪郭のあるピアニシモが出るように、整音してきました(笑)
リハーサルを聞いて、よしよし、良く鳴ってる。
これぞニューヨーク。
しかし、リハーサルの時は第一部のオケ中で使うホールのフルコンも出ているので、ステージ上にはハンブルクとニューヨークのフルコンが2台、ニューヨークのアップライトとチェレスタ、鍵盤楽器が計4台もひしめいている不思議な光景(笑)

このF1とアップライトは全く別の時期に手に入れたのに、ある時ふと、製造番号を見たら、なんと末尾が4番しか違わない!
おそらく同じ日に生まれた双子の兄弟だった!
うちに来るべくして生まれてきた2台のような気がしてびっくり!
その2台が15年後に、このステージ上でオーケストラに囲まれて共演している姿は、ただのスタインウェイというピアノではなく、命あるもののように思えた。

いつものプログラムと違って、今日は2部がピアノコンチェルトなので、休憩時間にピアノをステージに出せば、ゆっくり客席で聞いていられた。
場所は1階席の1番後ろ。狙い通りの結果に満足。
欲を言えば、調律の時間もっと欲しい~(笑)
F1もオーバーホールからもうじき1年。
ようやく落ち着いて来た。
あれだけ固かったチューニングピンも、もう一息だ。
大ホールで、無限の可能性を見せるF1は、今年から少しずつ現場に復帰。
今のところ、依頼が来ているコンチェルトの仕事を中心にスケジュールを入れています。
お暇な時、聴きに来て下さい。




チェレスタ

午前中にミーティングをやって、午後からサロンで松本茜ちゃんが、チェレスタを使ったレコーディングだ。
先日、さすがに調律の狂いが目立ってきたので、鉄琴を削って調律をやりました。

この貸出用のチェレスタは、赤坂のコロムビアスタジオから引き取った楽器で、今は我社で活躍しています。
チェレスタを使ったレコーディングで思い出深いのは、10年位前、まだこれがコロムビアスタジオにあった頃に録音した、ディーバの「ラブレター」というアルバムです。
谷川俊太郎作詞、谷川賢作作曲で、ピアノは我々が「ひばり」と呼んでいる、当時第1スタジオにあった艶消しハンブルク・スタインウェイD(報道ステーションのテーマにも使った楽器)を使って録音しました。
これは数え切れない位録音したCDの中でも、私が1番好きなアルバムで、今でも車の中に入っていて時々聞きます。
2曲ほど、私もバックコーラスに参加させられています(笑)

今、そのピアノもチェレスタもみんな、うちにあって、録音やコンサートで活躍しています。
チェレスタは意外と貸し出しがあるのですが、軽いし、調律&立ち会いがないので楽です。


徹子の部屋

朝から雨模様の梅雨空。
今日はスタッフ全員、コンサートやリハーサルの立ち会いが重なっていて、誰もテレビ朝日の収録に行けないらしい。
昨夜会社のホワイトボードを確認すると、私が行くスケジュールになっていた。
テレビの収録は、基本的にスタッフに任せてあるのだけど、仕方なく今日の収録は私が担当だ。

11時30分テレビ朝日にB型を運んで、徹子の部屋の収録。
以前は演奏部分が別撮りだったので、ほとんどフルコン持ち込みだったけど、最近はセットの中にピアノを設置することが多く、B型が活躍しています。
収録はサントリーホールの隣にあるテレビ朝日のCスタジオで毎回行われます。
隣りのBスタジオでは、「ちいさんぽ」の収録をしているので、地井さんが、うろうろしています。
今日のゲストは綾戸智恵さんです。
今日は、他にも石野真子、劇団ひとりの方々など3本の収録があるので、いろんな人がうろうろしています。

綾戸さんは、この番組には何度も出演していますが、何よりも、昨年の6月19日、あの渋谷の温泉爆発の日、私は六本木で島鍵さんと仕事をしていて、ここのスタジオでは綾戸さんの収録がありました。
そして爆発!
テレビ朝日と六本木に貸し出したピアノが渋谷に戻れず、大騒ぎだった。

一年経った爆発現場は未だに警察の管理下にあり、24時間、お巡りさんが立っています。
おかげで会社の前の通りは治安が良くなり、逆に夜中までピアノをトラックから出したり入れたりしている我々が、お巡りさんから不審そうな顔で見られています(笑)



湘南新宿ライン

昨夜は主催者の二宮の住職のお寺で、打ち上げ。
帰りはみんなと湘南新宿ラインで、何と渋谷までグリーン車で帰って来た!渋谷に長く住んでいるけど、渋谷までグリーン車で帰れるなんて驚きだ。

今日は打ち合わせや、サロンでリハーサルやらで、会社から出られず、夜は会社のミィーティング。
今月は急にキャンセルになったレコーディングなどがあったおかげで、月末までの間に飛び飛びなれど、久しぶりにスケジュールの空きができそう!
休むぞ~と、今から吠える(笑)
温泉でも行って、次の企画など考えよう。

それと、今日のミィーティングで、この徒然日記も、スタッフも参加する事が決まりました。
私が忙しくて書けなくて、ぽっかり穴が空くことも少なくなりそうです。
少し賑やかになります。



二宮ラディアン

毎年恒例、神奈川県二宮ラディアンにて、ご縁なコンサート。
今日は持ち込みではないので、珍しく東海道線に乗って二宮に向かう。
東海道線など、めったに乗らないので、空いた車両に乗ったら、車掌さんが回ってきて、何とここは自由席グリーン車だと言う。

何だそれ?グリーン車の自由席って?

ともかく、千円払えと言うので、小心者の私は、今更「じゃあ普通の車両に移るよ!」と言う一言が言えず、素直にハイ!って払った千円を後悔している間に二宮駅に着いた。
おまけに、いつも車で来ていたので、駅から遠いと勘違いしていて、タクシーに乗ったら、ラディアンまで何と200メートルと書いてある!
高騰するガソリン代節約で、エコ出張が片道4千円近くかけてしまった!(笑)

ホールに着いて調律を終えて、竹下景子さん達がリハーサルを始めたので、ホールの前のデニーズでやっと朝ご飯。
今回は調律のピッチが何と443より高くなっていて、ともかく1時間半で442に下げるのが大変!
久しぶりに持ち込みではない仕事をして、昔を思い出した(笑)

二宮で始まった、このご縁なコンサートも、4回目にして、いよいよ、今年からツアーに出る事になり、9月には、竹下景子さんの出身地である名古屋と、滋賀県に出かけます。



芳澤ガーデンギャラリー

朝から楽器を積み込んで、市川の芳澤ガーデンギャラリーに向かう。
今日はアキコ・グレーストリオのライブだ。

最近流行りの美術館コンサートをここでも出来ないか?という依頼があり、先日下見をした。
ピアノ搬入も楽勝だし、天井高5メートル、横幅10メートル、奥行き20メートルのシューズボックス型、外は広い庭園で、実に羨ましい空間だ。
残響はトンネルみたいなのがちょっと残念だけど、工夫次第で何とかなる。響かないよりはましだ。

さてさて、ここの企画を頼まれて、歌や弦の室内楽はすぐに思いついたけど、まずはJazzのピアノトリオを企画した。
このトンネルのような残響で、コントラバスは良いとしても、ドラムやピアノははたして、どうなる事やら。
この広さだから当然、ピアノはフルコンを持ってきたのだが、案の定、残響が多すぎて調律不能(笑)
ピアノの位置や角度を変えたり、四隅に音が乱反射用するように箱を置いたり、何とか工夫してみた。
あとはお客さんが吸音材(笑)

何と、この企画、発売とともに100枚は直ぐに売り切れ、急遽40席増やしてもまた売り切れだとういうことで、びっくり!
これだけ人が入るなら、無理にマットを敷いたり吸音しなくても大丈夫だろうと、予測した。

もう一つの心配事は、ここのお客さんの年齢層の高さだ。
普段はクラシックを聞きにくる年配の方達に、いくらPA無しのアコースティックジャズとは言っても、ドラムを含めた大音量が耐えられるだろうか(苦笑)

さてさて、本番。大入り満員のおかげで、うまい具合にトリオのバランスはバッチリ。
リハーサルの時にあまりにも、みんなが「音量は控えめに、控えめに」と言ったせいか、前半はちょっと遠慮がちで、ぎこちない(笑)
一番後ろで見ていたら、お客さん、だんだん体がリズムを取り出して、乗ってきた。一安心。

休憩時には、お客さんが何人も「素晴らしいピアノの音で感激しました!」と言ってくれてホッとした。
後半はアーティストもノリノリで、音量も大迫力。これぞモダンジャズ。
アンコールになったら、何人も白髪のお婆ちゃん達が立ち上がって後ろに来たので、やっぱり耐えられなくなったか…と思いきや、立ち上がって、リズムを取り始めた!
ジャズは体で楽しむもの。

終演後は、「素晴らしいピアノありがとうございました!」と皆さん名残惜しそうに、ピアノの周りに群がって写真を取り始めた。
こちらは、その様子を後ろからバッチリ(笑)

案ずるより、産むが易し。
一流の音楽には、ジャンルを超えた感動があるという事を目の当たりにした。