オベラシティ リサイタルホール

一昨日、甲府で行われた千葉純子/シュテファン・ズィーバス教授のDuoコンサート、東京バージョンだ。
今日は13時入れ。近いので15分で着いてしまった。
おととい甲府で使ったピアノは、横浜工場で、エアコンを付けたままでトラックの中に保管して、直接オベラシティに運んだのだが、甲府でバッチリ調整を済ませたので、ほとんど狂いもなく、時間を持て余した。
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リサイタルは今夜も満員。ズィーバス教授は、この2日間ピアノに大満足で、終演後わざわざ私を探し、何度も礼を言って、元気に帰って行った。
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来日するたびにピアノを任されていますが、今年72歳になるシュテファンのために、実は少しずつタッチの調整を軽めにし始めています。内緒だけどね…。

山梨へ

日曜日の朝に中央道を走るのは憂鬱だ。
例の高速道路千円均一効果による大渋滞を予測し、朝5時出発で甲府の白根桃源文化会館に向かう。

今日は千葉純子とシュテファン・ズィーバス教授のDuoコンサートだ。
この時間に出発すれば、さすがにすいすいと2時間ちょっとで到着。
二葉パーキングで朝ご飯を食べて9時に搬入。
レコーディング以外でこのホールに来るのは滅多にないので、ちょっと変な感じだ。
江口 玲のDear America,を録音したホールといえば、わかるかな(笑)

ズィーバス教授は軽いリハーサルしかしないので、今日のようにマチネで時間が無いときでも、ピアノを調整する時間を気にしなくても良いので助かる。
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リハーサルを聴いて、ピアノ位置も決まったので、外でお弁当を食べる事にした。
ホールの周りは桃畑!さくらんぼに桃に葡萄!甲府は素晴らしい(笑)
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本番は満員御礼の白根桃源文化会館で、素晴らしいシューマンやブラームスを聴けて、お客さん大満足。


さて、我々は地獄の上り大渋滞突入!
途中桃やトウモロコシを買うために寄ったパーキングで、大型トラックに挟まれた我がデュトロ号の小ささに(笑)
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夕方5時にホールを出たのに、40キロ渋滞の高井戸方面を避け、大月から山中湖~御殿場を抜け、横浜の工場にトラックを留め、渋谷に戻ってきたのは夜9時を過ぎていた。

サブちゃん活躍中

F1復帰第一戦は神奈川県立音楽堂に決定。

「須江太郎ピアノリサイタル2009~假屋崎省吾の花とともに」と題して開催された今日のコンサートは、満員の神奈川県立音楽堂で行われた。
今年はこのホールに良く来る年だ。
50年以上前に建てられたこのホールには搬入口もなく、ピアノは客席を通ってステージに上げなければならない。
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というわけで、今日はサブちゃん活躍中。といっても、この位のステージなら我々でも搬入できるけど、仕事は分け合わなくてはね(笑)

今日のステージは假屋崎さんの花で埋め尽くされるので、クラシックのコンサートととしては、珍しく華やかだ。
須江ちゃんは、2年前の12月、国際フォーラムでベートーヴェンのコンチェルト「皇帝」を、5000人の観衆の前で弾いた時にもこのF1を弾いた。すっかり度胸が座ったみたいで、今夜は余裕のコンサートだった(笑)

彼も、ここ一番のコンサートの時は、ココイチのカレーではなく、タカギのピアノを使用する。
新しいキャッチフレーズにしようかなあ…。(笑)


「たたかうピアノ」PV収録


7月18日、8月8日、9月12日と3夜に渡ってお送りするトークセッション「たたかうピアノ」の為のプロモーションビデオを撮りに行ってきました。
主催者の坂元さんとツーショット(笑)
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私が登場するとなると、なぜか戦わせたいらしく「戦うピアノ」という標題になりました(笑)

私:それで何をしゃべったら良いの?
坂元さん:あのスタインウェイ戦争の本の前後の話を赤裸々に…
私:赤裸々に?良いの?(笑)

というわけで、出てきたガイドラインが私の10代~現在までの話。
(そんな事聞きたい人がいるとは思えないけど)

スタインウェイの話。ピアノの話。裏話。ピアノビジネスの話。

などなど、みんなが聞きたい事に答える形式を取り入れて、赤裸々に(笑)といった感じでやるらしい。
三回ともテーマが違うので、全部続けて聞いたら全てがわかる面白いトークセッションになるね!
少人数で、何か飲みながらも良いね!など、いろんなアイデアが出ています。

限定30人だけど、7月に入ったらプロモーションも始まるし、既に三夜ともチケットを買った人も何人かいるので、お早めに!


大屋根支え棒の話

グランドピアノの屋根を開けて、支える棒があります。
今日はそんな話題になったので、その話。

この支え棒を止める位置は、丸い皿が屋根の裏に付いていたり、框に凹みがあったり様々ですが、屋根を全開にする為の一番長い棒を刺す穴と、半開にする為の短い棒を刺す穴では位置が違います。
ピアノによっては、更に微開にする小さい棒が付いている物もありますが、いずれも、屋根に対して直角になる位置に刺すのが、安全性や開度の面から見ても、当然です。
調律師やステージマネージャーの立ち会うクラシックコンサートでは、まず間違いはないけど、テレビや雑誌のCM、はたまたテレビ番組の中では、時折、写真の位置に支え棒を差して本番をやっている光景を見るね!と言う話になりました。
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さて、私が見た嘘のようなホントの話。
今から15年程前に、カーネギーホールのワイルリサイタルホール、田部京子のリサイタルでの話だ。
ピアノの屋根の支え棒が妙にバランスが悪いなあ…と思って良く見ると、半開の位置に差してあった。
翌日スタインウェイで、この話をしたら、苦笑いしながら「Oh!My God!」
後で田部京子に聞いたら、
「そうなのよ~私、言ったのよ!そしたら、このほうがより角度が開くからって言いはるのよ~」
スタインウェイのコンサート部の調律師が、カーネギーホールで…である。
おいおい、たのむよぉ~って言いたいね(笑)

そんな話の最中、置いてあるチラシにふと目をやると、何と先日、我が松濤サロンで撮影した某ピアニストのチラシを見てびっり!
鋭角に刺された支え棒の前にピアニストが座ってニッコリ(笑)
この時は、カメラマンと外部スタッフだけしか居なかったらしいけど、みんな意外と正しいピアノの姿を見てないんだね~。
ニューヨーク・スタインウェイの譜面台は手前に倒れるので、初めて見る人は九分九厘びっくりします。ステージで、譜面台の抜き差しを、知らない人に頼むと、ほぼ全員、逆に入れて、ステージ袖に戻って来るので、また入れ替えに出て恥をかきます(笑)

木嶋真優/江口玲ヴァイオリン・リサイタル

朝8時半にピアノを積み込み、渋谷を出発。
それでも、紀尾井ホールは近いので、9時前には到着してしまう。

搬入口には、既にNHKの中継車や機材車が勢揃いして、大勢のスタッフが待機している。
その中からMさんが声をかけてきた。
Mさんは長年、クラシック・アワーや芸術劇場など、多くのNHKクラシック番組の映像プロデュースをしている人で、良く仕事でご一緒する。
私が15年程前に、ジェルメーヌ・ムニエ女史をフランスから呼んで公開レッスンをやった時には、中継車付き&カメラ6台!で映像を撮ってもらった。
その映像は「公開レッスンDVD」として今も発売しています。

中継車とピアノトラックの、搬入搬出順番を打ち合わせて、搬入開始。
今日はマチネなので慌ただしい。
こんな時、我社の「5分間でピアノを搬入できるシステム」は喜ばれる(笑)

紀尾井ホールは、過去のピアノ位置データを全て記録してくれているので、とても有り難い。
ギルシャハムの時はここ、南紫音ちゃんの時はここと、いろいろ変えてはみたけど、結局ピアノがいつもと違うので、今日の位置はまた新しいデータになった。

やがて会うたびに大人っぽくなる真優ちゃんがやってきた。
彼女も、期待の若手ヴァイオリニスト トップ3の1人だ。
リハーサルを聴いて、良く鳴るヴァイオリンにびっくり!
バックステージでは、ジャパンアーツや梶本の見慣れた人達が入れ替わり立ち替わりやってくるので、挨拶に忙しい。彼女の未来がいかに嘱望されているかが伺える。

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本番は客席に座ってじっくり聴いた。
聴く度に上手くなる彼女の演奏は毎回楽しみだけど、今回は特に良い出来だったね~。
技術的には、ほぼ完璧に近く、安定感抜群。
こんなにやすやすと弾いてしまうと、ヴァイオリンって簡単な楽器なのか?と思ってしまう(笑)
音色とかで、若さが出てしまうところがあるけれど、これからいろんな経験をして、何かを掴んで欲しい。楽しみだね。
江口君の素晴らしいリードとフォローも流石で、超一級のコンサートでした。
詳しくはNHKハイビジョンBSで見て下さい。

本当に今、日本の20代が熱い!(笑)


追伸: ピアノは先日来日したニューヨーク・スタインウェイモデルDで、昨年8月にアン・アキコ・マイヤースとのニューヨーク録音で使用した楽器でした。

笠懸レコーディング最終日

昨日までの梅雨空とはうって変わって快晴になった。
3日間を予定していたレコーディングも、昨日で全て録り終えてしまったので、今日は一応、見直しの曲を録って、午後からは写真撮影だ。
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笠懸野文化ホールも今年で17年目を迎えたらしい。
ホールのOさんとKさんはオープン当初からのスタッフで、この笠懸の畑の真ん中に作られた千人のホールを、「クラシックのレコーディングといえば笠懸」と言われるぐらい、日本一有名にしたお二人だ。
このホールが、日本におけるクラシック音楽文化に残した貢献は大きい。

我々が初めてこのホールに呼ばれたのは17年も前になるわけだ。
初代館長のHさんが、コロムビアの岡田さんに「録音で使えるホールにして欲しい」と依頼して、私は岡田さんに連れてこられた訳だけど、ホールスタッフのOさんによれば、その時はまだオープン前だったそうだ。
以後、いろんな録音企画を持ってきては実験を繰り返して、色々とホールの改良をしてもらった。
我々もあっちこっちで宣伝をしたりと影ながら協力したわけだが、残念な事に…というか、今では我々でもスケジュールがなかなか取れない人気のホールになってしまった(笑)
それもこれも、全てはオープン当初から熱心な同じスタッフがいてくれるからに他ならない。

実は昨日、目と鼻の先の桐生市民文化会館で、木嶋真優/江口玲のリサイタルがあったので、レコーディングの途中で抜け出して、二人をびっくりさせようとたくらんでいたのだけど、録音が盛り上がってしまったので、間に合わなかった(笑)

明日は紀尾井でこの二人のコンサート。
ちょっと珍しい楽器を持って行くので乞うご期待!
聴きに来れない人は、NHKの収録があるので、まあそれで我慢してね(笑)

笠懸レコーディング中日

漆原啓子さんと練木繁夫さんによる、ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタの録音2日目だ。
笠懸は慣れたホールなので、ピアノやマイクの設置場所も、過去のデータがしっかり記録してあり、とてもやりやすい。
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練木さんは、アメリカ在住37年目。
今回は宮崎国際音楽祭に参加するために、アメリカから直接宮崎入りして、その後東京~笠懸入りというスケジュール。
漆原さんも同様に、宮崎~東京~笠懸入り。
私も出張で東京に居なかったのでピアノ選びが出来ず、私が決めたピアノを持って来たのだが
「こんな素晴らしいピアノは滅多に弾けません!」と大喜びしてくれた。

漆原:練木さんがピアニシモをどんどん小さく弾くので、私も更に小さく弾こうと頑張らなきゃならないから大変!

私:フォルテシモの音量は限界が決まっているから、ピアニシモをいかに小さく弾くかで、ダイナミックレンジが広がって音楽の幅が広がるんだよね!

練木:そうそう。でもピアニシモが出せないから、フォルテシモに限界がきてる事に気が付かないでぶっ叩いている人が多いんだよねー。

私:結局自分で出してる音聞いてないんだよね、そういう人は。

練木:そうそう!でもこういう風に自分のやりたい事ができる楽器は怖いよね、腕がばれちゃうからね(笑)


ステージ上で、そんな楽しいピアノ談義をやりとりをするだけで、お互いにピアノや音楽に求めているものがわかるので、瞬時に信頼関係が生まれる。
その場に答えとなるピアノがあるから、何の説明もいらない。


慣れたホールでマイクセッティングも決まっており、録音はスムーズに進むので、今夜は何を食べに行こうかという話しばかりになる(笑)

最近は若手アーティストを育てるための録音が続いたが、今回は平均年齢が高いベテランチームだ(笑)
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来年も引き続き、このチームで録音してベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタの全集を作るそうだ。
全10曲、CDで3~4枚になるらしい。楽しみだね。




笠懸でレコーディング

昨夜雨の中、久しぶりに東京に戻ってきて、今日からレコーディングで使うピアノの調整をやって、自宅に戻って、着替えを詰め替えて、朝6時半にピアノを積み込んで群馬県の笠懸文化ホールに出発した。たった数時間の自宅滞在であった(笑)。

今日から3日間、漆原さんと練木さんのレコーディング。
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この録音が終われば、長かった今回の出張も終わり、土曜日に行われる紀尾井のコンサートでとりあえず東京の生活に戻ります(笑)


出張後半戦

今年度から頼まれたホールの保守点検を、この出張の途中に入れてしまったので、残念ながら、帰りは高速千円均一恩恵にあずかれなくなってしまった。

朝9時入り、スタッフと2人で保守点検。
1日ドックの保守点検は、三段階ある我社の保守点検の中でも一番リーズナブルバージョン。
3月に前業者が保守点検をやったらしいので、さほど苦労をしないで終わるかと思いきや、おやおや、ハンマーの弦合わせがバラバラ。
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私は最初にこの部分を見ます。
ピアノメーカーによって、考え方はいろいろですが、スタインウェイの、もっともスタインウェイたる部分であると、私は思います。
このハンマーの弦に対する位置がバラバラだと、ソフトペダルで打弦の位置を変える、というグランドピアノの特徴が全く生かされないので、本当の意味でクラシックは弾けません。
ハンマーの弦合わせをやり直すということは、弦の当たりや、整音、ソフトペダルの音色など全てやり直す事になります。
少なくともこの「原点を無視した状態」だと、2日間もかけて何を調整したのか?と言われても仕方ないね。
さて、1日かけて、見違えるようになったスタインウェイを後にして、我々はとりあえず東京に戻ります。



四国にて

二日酔いの頭を振り絞り、ホールで調律(笑)
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10日間に渡る出張も、いよいよ最終段階。
今日は、リハーサルを見てから、途中抜け出して、近くの温泉でひとっ風呂。
毎日良く飲み、良く食べた(笑)
今夜は最後の打ち上げだ。

温泉で体重を計ると、やっぱり2キロ増(笑)
このあとも二次会、三次会だ・・・。
この仕事も体力勝負だね(笑)


四国に移動

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1週間近く滞在した古座川を後にして(写真は串本の梯杭岩)、東京から合流したスタッフは、また東京に戻るので駅に下ろし、私ともう1人のスタッフは四国に向かう。

途中大阪を抜けると、今朝まで鶯の鳴き声で目覚め、トンビや鷲やホタルが飛び交い、目の前を野生の鹿が飛び跳ねる場所にいたのに、一気に現実に引き戻された(笑)
さて、少しずつ頭を切り替えて行かなければ…。

夜9時過ぎに淡路大橋を渡り、四国に上陸。
リハーサルを終えて打ち上げ中のアーティスト達と合流。
今回の出張でも、行く先々で、調律やオーバーホールを次々頼まれるので、先延ばししながら、やんわりお断りするのが大変だ。
スタッフと、スケジュールの遣り繰りに頭を悩ます。
この不況の真っ只、ありがたい事だけど、こちらも体が持ちません。(泣)





シートベルト

全国的に梅雨入りしましたね。
スタッフがやっている古座川のピアノのオーバーホールも最終段階になり、今日は東京から応援のスタッフがくるので、駅まで迎えに行きました。
ところが、駅前の一時停止で張り込み中の警察官が、いきなりピーピーと笛を吹いて、広場に誘導。

「はい、シートベルトの取締です」

?????

運転手の、我がスタッフはシートベルトをしたままキョトン?

何と、助手席の私のシートベルト不着装らしい。
運転していたスタッフに切符を切ろうとするお巡りさんに、私は助手席でメタボのお腹を指差して
「妊娠中でーす」と言ってみたが、ダメだった(笑)
罰金はないけど1点減点。スタッフに借りが出来ちゃったなあ…。

東京から来たスタッフと合流して、ピアノを仕上げて、夜はバーベキュー。
新しいスタッフには、岡田さん恒例の説教大会(笑)
レコーディング・エンジニアの仕事と調律師は同じ職人仕事だから、コロムビア時代にチーフとして、エンジニアを何人も育ててきた経験から、職人の心得を説いてもらう。
我がスタッフ達も、久しぶりに長老にカツを入れて貰って神妙な顔だ。
最近すっかり居なくなってしまった、職人カタギの年寄りの説教を聞いて、タカギの社員も、職人タカギになれるだろうか?(笑)

足利事件

去年まで、携帯も通じなかった古座川も、FOMAのアンテナが立ち、今回はauも繋がるようになって、便利と言えば便利だけど、残念ながら、ここまで仕事が追いかけてくるようになった(笑)

今日はテレビで、足利事件をやっていた。
DNA鑑定をやり直して無実を証明し、釈放されたわけだが、この記者会見に出ている弁護士さんが頼もしい。
検察もひどいけど、裁判所も反省すべきだ。いかに検察寄りの判決を下したか、明らかにするために、これから更に追求する!という訳だ。ちょっと感心した。
弁護士は、「裁判官に睨まれたら、次に自分の担当する裁判で、裁判官に嫌がらせをされて、不利な判決をされるんじゃないか」などとは思わないらしい。(当たり前の事なんだけど…)

反面、我が音楽業界たるや、○○先生に睨まれたら…とか、評論家の○○さんに睨まれたら…とか、ピアノ業界に至っては○○楽器さんに睨まれたら…とか、笑ってしまうくらい幼稚な世界だ(笑)
ようやく最近は権威主義が衰えを見せてきて、実力主義が少しづつ芽生えてきたようだ。
そもそも権威主義とは、自分で物事の良し悪しを判断出来ない人達の価値基準に過ぎない。

芸大、桐朋でなくても、世界的コンクールで優勝できる時代だから、あの弁護士のように、自信のある人はどんどん権威を振りかざす人達と戦うべし!
それにしても、辻井君や長富さんのように、最近の20歳前後の音楽家には大いに注目だ!

辻井くん

まだまだ古座川に居ます(笑)
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テレビでは、辻井君がヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝したニュースで持ち切り!
最近は、著名なコンクールで日本人が優勝しても、さらっと流すだけだったのに、盲目のピアニストになると「良く頑張った」と、例によってマスコミのお涙頂戴報道が大騒ぎ。
いかに苦労したかを聞き出そうと群がるコメンテーターを尻目に、本人は余りにもあっけらかんと、ピアノを弾く事が楽しくて楽しくてしかたない様子(笑)
集まったマスコミに「もっと器の大きいピアニストになりたい」って言ってたけど、二十歳の辻井君のほうが、何と人間の器が大きいのだろう(笑)

彼を小学校の頃から教えたのは、川上さん(カプースチンの研究家でピアニスト)で、そんな辻井君の性格の良さを以前から話していました。
2ヶ月程前に「徹子の部屋」の収録で、辻井君のピアノを担当したスタッフが、ハンディキャップのあるなし関係なく、彼のピアノは音楽的に本当に素晴らしいと驚いていたけど、私はそれ以上に、楽しそうにピアノを弾いている彼の姿が好きだ。
音楽ってそんなものだから。

これから、えらそーーな音楽家と仕事をしたら、「もっと器が大きい人間になりなさい」と言ってやろう(笑)
彼をここまで導いた、川上さんにもエールを贈りたいね !


古座川に来ました

豚インフルエンザの影響で北九州のコンサートが中止になったので、早めに古座川に来て私はのんびり、スタッフはピアノのオーバーホール(笑)

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写真はいつもお世話になる常宿の岡田邸の風呂から前の山を望む風景。
毎夜、蛍が舞い、インフルエンザ休暇を楽しんでいます。

ここで来月から始まる「戦うピアノ」レクチャーの原稿を作ろうと思います。このレクチャーは7月18日、8月8日、9月13日の3日間、自由学園の明日館にて行われます。
主催はユージンミュージックプランニング・音楽寺子屋。
代表は元ビクターのディレクター、坂元さんで、ゆ~たん音楽堂や音楽専門館などもをやっています。
レクチャーは随分前から頼まれていたのですが、なかなか時間がとれなくて、延ばし延ばしに…。
でも観念して一念発起、やる事にしました(笑)
スタインウェイの話や、業界の話、ピアノとビジネスの話等々のリクエストがあるので、今回の和歌山で籠もって資料作りをやります!

ニューヨークから来たピアノ

通関も終わり、スタジオに運びこまれたフルコン。
1970年製なので、スタインウェイ社が会社を売り払う前の楽器。
この頃はまだ、素晴らしい職人がたくさん働いていた頃だ。
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この時代のスタインウェイは、1984年以降のモデルのように、ハンブルク製との部品の共通化は、全く考えられてなかった頃で(ニューヨークの職人達はプライドが高かった)、厳密に言ってニューヨーク・スタインウェイとは、この時代までだと私は思っている。

ちょうど隣ではF1の最終仕上げ中。
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1990年に世に出たこのピアノは、私のニューヨーク時代の楽器だが、既にほとんどロクな楽器がなく、数十台の中から探して探してやっと見つけて、更にコンサート部で調整をやり直したものなので、90年代以降の楽器としては最高傑作だと自負している。
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さて、この2台を比較してみると、正に甲乙付けがたい。
新しく到着した楽器は、弾いた瞬間に誰もが「おっ!」と思うタッチ。
そしてコロコロと転がるような次高音の音色は、現代のスタインウェイでは決して出せない音色だ。
昨年8月、アン・アキコ・マイヤースのニューヨーク録音に使用したので、是非お聴き下さい…
と言ってもこのCD、全米では発売されているけど、日本では売ってないらしい。残念!(笑)

F1の調整

今年も半分終わってしまった。
スタジオではF1の調整も、仕上げの段階。
ニューヨークでサウンドボードとピン板を交換して、約2年経ったのに、いつまでも堅かったチューニングピンを抜き、新しく打ち変えたので、必然的に弦も新しくした。
普通のオーバーホールなら、「数年後に落ち着くので…」と言ってられるけど、我社のスタインウェイは貸し出しスケジュールが一杯なので、そんな事も言ってられない(笑)。
ついでに、フレームも再塗装した。

と言うのも、2年前にニューヨークに送り返した時に、「F1のフレームに書いてあるヘンリー・スタインウェイとフランツ・モアのサインを汚さないように気を付けて! 」と伝えたところ、向こうのスタッフはびびって結局フレームを再塗装しなかったからだ。
1台のピアノの中に、この2人のサインがあるのは、恐らく世界でこのピアノだけだろう。
しかも日付入りで、このピアノがニューヨークから日本に出発する直前に二人に書いて貰った。
3月3日がヘンリー・スタインウェイで、翌日がフランツ・モアだ。
ヘンリー・スタインウェイの横に書いてくれと頼んだのだが、Mr.スタインウェイに遠慮して、それより小さめにサインをしているところが忠実なサラリーマンであるフランツの人柄が見える(笑)
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更に仕上がりを熟成させたF1の再デビューをお楽しみに!

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