毎年この期間は、スタジオもサロンも倉庫も一斉にピアノがいなくなります。
今年も、ラ・フォル・ジュルネにピアノを12台貸し出しなので、早朝からサブちゃん達がピアノを搬入。
スタッフも全員、国際フォーラムで搬入&調律です。
私は朝から日本テレビへピアノを搬入して「DON!」の収録です。今日はウィーン少年合唱団。

テレビ局のスタジオは意外と狭くて人が多いって、始めて来た人はびっくりするけど、今日は特に凄い。
いつもの大人数のスタッフに加えて、ウィーン少年合唱団にマネージャーやら通訳やらでごった返す中を、ピアノを出したり入れたり、大騒ぎ(笑)
おまけに、今日はピアノのピッチ指定が440と、アメリカならともかくヨーロッパにしては低い。
ともかく生放送を控えて、秒単位でスタッフ達は動き回る。
ピッチ下げの調律は落ち着かせるまで時間がかかるので、昨夜あらかじめピッチ下げの調律をスタッフに頼んであったからまだ楽だが、案の定まだ半分も終わってないのに、マイクやスピーカーのサウンドチェックが始まった。
彼らも仕事。申し訳なさそうにやり始めたので、こっちも急いで終える。

いよいよ少年達が入ってリハーサル。
なんと各々がカメラを持って、林家ペーパーみたいに写真を撮りはじめた(笑)
そりゃウィーンの田舎から出てきたら、東京の景色は珍しいだろね(笑)
リハーサルが終わったらスタッフと交代して、有楽町の国際フォーラムに向かう。
夜はピアニストと食事会。
連日の忙しさにかまけて日記をサボってたら、もう4月も終わり!
ここのところ雨で寒いし、はっきりしない天気の中、毎日レコーディングや編集に追われています。
今日は久しぶりの快晴!
2台ピアノの持ち込みで横須賀に出発しました。
世間はゴールデンウイーク初日なので、大渋滞を予測して朝7時に出発。
案の定、高速道路はあっちこっち大渋滞。
世間の動きの逆を読んで、高速を降りたり乗ったりしながら渋滞回避。急がば回れで、横須賀に8時半に到着!
9時半まで時間を潰して、いよいよ搬入開始。
横須賀芸術劇場には良く来るけど、文化会館は初めてだ。
昭和30年代に出来たホールらしく、搬入口プラットフォームの高さが150センチとの情報だったので、ちょっと心配。岩手県の宮古市民会館と太田区アプスコホールの160センチが最高だったから、2番目に高い搬入口だ(笑)
ドアを開けてビックリ!
プラットフォームの先には更に20センチ以上の段差。

なにしろ、バリアフリー何て考えが一切なかった時代の建物だけに、館内はやたら段差や階段が多い。
こりゃ普通の人力の運送屋さんじゃ、大変だ(笑)
まして、今日はフルコンを2台入れなきゃならない(笑)
こんな時でも、基本1人で汗もかかずに搬入できるこのシステムには感謝だね(笑)
かくして、このホールもクリアー。

調律を終えたらあとは楽屋で待機。
この仕事って本番が始まってしまえば暇なんだよね。
まあ、僕がリハーサルや本番で忙しくしてたら、何かあったって事だから(笑)
今日は楽屋でパソコン仕事をしながらモニターで本番を聴いて、夜7時搬出。
その後、横浜工場に行ってラ・フォル・ジュルネ用ピアノの準備。
明日は11台搬入だ(笑)
乃木坂のソニースタジオの2階にイベント・スペースがあります。
地下のレコーディングスタジオは、調律に行くので良く知ってるけど、その上にこんなホールがあるとは知りませんでした。
このスペースにピアノは置いていないようだ。買うより借りろだね(笑)

今日はここでイベントがあるので、スタインウェイC型を搬入。階段で2階上げ(笑)
こういった仕事は、たくましいスタッフ達の仕事なんだけど、最近、階段上げに凝っているので、私がやりました(笑)
長い階段を2階まで上げて、ホールに入ると更に60センチのステージ上げ。
階段上げの強い味方「ピアノプラン」で挑戦。
なかなかの迫力(笑)ですが、楽勝で完了。終演後は階段下ろし。
相模湖には、今朝も渋谷から40分位で着いてしまったので、十分通える。
10時半アップで調律を終えたけど、誰も来ない…。
今日は、子供の情景を録音するだけだから、余裕の裕ちゃんだね(笑)

昼頃から、レコーディング開始、順調に進んで、夕方4時頃終わってしまった。
大きなお腹で頑張ったUさん、6月に生まれてくる女の子は、お母さんの弾く「子供の情景」を、お腹のなかで、聞いてたわけだ(笑)
さて、思ったより早くピアノを積み込んで渋谷に戻ったら、響レコーディングが大変な事になってた!
コンピューターが壊れて、レコーディングが何度も中断したらしい。
予定が延び延びになって、編集作業がなかなか終わらず、かわいそうにエンジニアのSさん、今夜は徹夜の覚悟。
我々も夜中の2時近くまで付き合ったけど、申し訳ない、鍵を預けてお先に失礼!
やっぱり業界で認められている人達に共通して言えるのは、この責任感だ。
決して言い訳や責任転嫁なんかしない。結果が全てだから。
若者よ、おじさん達を見習え!(笑)
昨日から3日間、サロンでは稲本響のレコーディング。
今日から2日間は、相模湖レコーディングも重なっているので、相模湖は宿泊せずに通うことにしました。
C2が開通した事によって、渋谷~相模湖のホールまで、ちょっと飛ばせばわずか30分ちょいで行けるようになり、ますます便利なホールになりました。

9時に搬入して、調律アップが11時。ピアニストのUさん登場。
前回のレコーディングから1年半振りに会ってびっくり!何と妊娠7ヶ月(笑)
長年住み慣れたパリをひき払い、日本に引っ越したらしい。

今回はピアノソロで、謝肉祭、アベック変奏曲、子供の情景、オール・シューマンだ。
有名だけど、意外と録音は少ない。
今日はアベックと、カーニバルを録音した。
順調だったので、最後の休憩時に調律をチェックし、19時に相模湖を抜け出して19時半に渋谷に戻ってきた(笑)
サロンではまだレコーディングの真っ最中で、みんなお待ちかね(笑)
最近すっかり定着してきた松濤サロンでのレコーディング。
防音ドア増設や機材の充実で、大人気。
今回は、最近オークションで手に入れたトリオ・スタンドマイクMC-50を改造して、レトロでお洒落なトーク・バッグシステムを作ってみました(笑)

早速今日から始まる稲本響のレコーディングで使用、みんなに大受け(笑)
さて今日から3日間、舞台で使用するオリジナル曲を録音します。
5月に約三週間、新大久保のグローブ座で上演される「君と見る千の夢」という舞台の曲です。
元ピアニストの物語で、ピアノソロの曲が中心。
主人公が嵐の相葉君なのでチケットは完売、ヤフーオークションで十万を超える高値が付いてるとかいないとか…良くわからない世界です(笑)
ピアノは、稲本響がCD199を使用し、もう1人クラシック曲を弾くために参加する女性ピアニストには、音色を対比させる為に、新しいハンブルクを用意しました。

エンジニアはクラシックのレコーディングで良くお世話になるSさん。

彼は松濤サロンでのレコーディングは初めてだが、「日本一便利な場所にあるレコーディングスタジオだね!」と喜んでた(笑)
昨日は季節外れの雪が降って高速が通行止めになったけど、お昼には全て解除になったので、秩父倉庫に行きピアノを運んできました。
今年のラ・フォール・ジュルネは、ピアノの王道ショパン。よってピアノの貸し出しも13台の予定なのです!
今日は東京文化会館大ホールで、ソプラノの大國和子さんの追悼コンサート。

今年の1月20日に急逝された大國さんは、まだ五十代半ば。
ここ数年、仕事でよくご一緒しました。
腸閉塞で急死されたようで、昨年秋のコンサートではいつもの元気な笑顔を振りまいていたのに、びっくりでした。
生前を偲び、東京文化会館大ホールでの盛大な追悼コンサート。
合唱の指導も掛け持ちでやっていたので、出演者だけでも700人近い人が楽屋周辺に溢れています。
最初は文化会館のピアノの調律を頼まれたんですが、彼女のお別れ会ですから、昨年彼女が竹下景子さんと「ご縁なコンサート」で使用したピアノを持ち込みました。

竹下さんも仕事場から駆け付けて、昨年と同じ朗読とピアノを再現。
1600人も訪れた文化会館大ホールは、夜9時の終演まで、彼女に贈る歌と拍手が鳴り止みませんでした。

盛大なお別れ会で送られて、大國さんも喜んだでしょう。
仲間って良いものですねぇ。
やっとスタッフ達が通常スケジュールに戻ってきたので、今日のエイベックスのスタジオ調律も、スタッフにお任せ。
今週は工場に籠もってピアノの調整や、溜まっている制作物や修理をやるつもりだったのだが、延ばし延ばしにしてあった打ち合わせや打ち上げのスケジュールが、隙あらば!とポコポコ入ってきて、結局毎日人と会う事になってしまった。
今日は、来週からの稲本響のレコーディングの打ち合わせと、先日の相模湖ドイツリート、レコーディングの打ち上げ。
午後、中途半端に時間が空いてしまったので、スタッフから「社用車スバルサンバーのマフラーが壊れて、暴走族のような音がするんです…」と要請のあった、車の修理に取りかかる事にする。
エンジンルームを開けたら、マフラーではなく、エキパイと触媒を繋ぐ蛇腹のパイプの断列と判明。

厄介な事に蛇腹なので溶接は困難。
インターネットオークションでパーツを確保。
それが届くまでの一週間とりあえず応急処置でしのげるよう、耐熱バンドで固定して完了。

ここまでで30分。委託すれば、1日預けて数万円の出費。出来る事は自分でやりましょう!(笑)
夜は、先日の相模湖レコーディング、アーティストのOさん主催の打ち上げ。
豚しゃぶ屋さんに行きました。
我々は、コンサートやレコーディングが終わって、後日改めて打ち上げをやる事はまずありません。
頭はもう次の仕事に切り替わっているし、仕事は毎日なので、全ての打ち上げに参加してたら体が持ちません(笑)
また、忙しいスタッフのスケジュールを改めて合わせるのも難しい。
今夜もアシスタント・エンジニアのK君、ディレクターのKさんがスケジュールの関係で参加できなかったけど、アーティストのOさんは録音がうまく行ってよっぽど嬉しかったのか、是非ともという事で(笑)
ズィーバス教授はドイツに帰ってしまったけれど、大喜びで
「ピアノも録音の音も素晴らしかった!次はドヴォルザーク、その次は…」
と次の次まで、このスタッフで録音する!と、録音曲まで決めていたらしい(笑)
私は録音最終日は名古屋に行ってて居なかったけど、録音終了後の機材撤収時に、客席と同じ高さにまで下ろしていた可動式のステージを元に戻して、移動していた客席を並べ直しているのを見ていたズィーバスさんは
「良い音を作る為に、ここまでこだわるんだね…」とびっくり感激していたらしい。
我々にとっては、いつもの当たり前の事なんだけどね(笑)
前回はドイツで録音したらしいけど、日本のレコーディング技術レベルは世界のトップレベルだから、外人アーティストは喜んでくれる。
なにしろ、こんなに立派な音楽ホールが数え切れないくらい存在するのは日本だけ。
内情は喜んでばかりいられないけど(笑)
打ち上げでは、いろんな話しで盛り上がった。
●調律師やレコーディングエンジニアのような職人の仕事は、一見普通に仕事をしているように見えても、実はいろんな技を持っていて、困ったり迷ったりした時にはそれらを駆使して見事に解決している。
そこまでのレベルに到達するには、多くの修羅場を経験したキャリアが必要だから、職人には向き不向きはあっても、若き天才調律師やエンジニアは存在しない。
●仕事が出来る技術屋は、口数や理論より先に手が出る。
●単に楽器の音や声をマイクで拾うんじゃなくて、音楽やその空気感を録らないと、クラシックのレコーディングはできない。
などなどの話が、アーティストにとっては、とても「深いい話」だったみたいです(笑)
岡田さんと2人でアーティストに説教するのは日常茶飯事。これも職人の特権(笑)
年寄りだと思われるかなあ…
おまけに雨。
春休みも終わり、ようやく一般部門のスタッフ達も年度末ハードスケジュールが一段落したようで、交代で休みを取り始めている。
私は、今朝10時にスタジオに入って12時調律アップ。平原綾香のレコーディングだ。

お父さんの平原まことさんとは、10年位前に甲府の白根桃源ホールで「月の癒し」というアルバムを作ったり色々付き合いがあるが、まさか娘の綾香ちゃんが、こんなに有名になるとはね(笑)
ジョイントコンサートに行ってきましたスタッフ(K)です。
名古屋の階段上げ搬入が無事に終わった翌日、私は1人で徳島県に向かいました。
4月11日、四国全県から10組の合唱団がホールに集合し、東京から招いた合唱曲の作曲家である松下耕さんや地元の小学生も加わってジョイントコンサートが行われる為、本番前日のリハーサルが全て終わった後、20時からホールのピアノの調律に入りました。
ピアニストからは「ガンガン弾いちゃったから所々音の狂いが気になるのでよろしく!」と言われ、静かになったホールで1人調律をします。
翌日、本番前のリハーサルを見て納得。
松下さん作曲の歌の全員合唱もあり、150人近くがステージに立って歌うため伴奏にも力が入ります。
幸い前日からピアノはステージに置いてあるため状態は安定しており、開場前の最後の直しの時には大きな狂いは無く一安心。
本番開始を見届けてホールを出ました。
たった1日のコンサートの仕事でも、わざわざ東京から調律に呼んでいただけるのはありがたい事です、
信頼されるという事に責任の重さも感じました。
徳島から高速バスで大阪へ出て、新幹線に乗ります。
雨の中、さすがに日曜日、高速道路も新幹線も混んでいました。(K)
昨夜は、名古屋名物「ふくわか」のステーキを食べる気満々だったけれど、ピアニストに連れられて、珍しいドライカレーを食べに行くことになりました。
「ドライカレー?え~?う~ん…ふくわかの炭火焼きステーキが良いなあ…。」
「まあ、一度食べて見て!普通のドライカレーじゃないから、サラダが山盛りでねぇ、ご飯が見えないし」云々…
車中でいくら説明されても、想像が付かない(笑)
半信半疑のまま連れていかれた「ガデス・ウノ」というお店、びっくりのドライカレー!

なる程凄い!
この山盛りサラダの下に、確かにドライカレー発見!おいしかった(笑)泡
まで美味しい生ビールという生ビール(笑)を飲んで、赤ワインを飲んで、ピザまで食べて、大満足。
名古屋のグルメ店がまた一軒増えました(笑)
昨夜の宿はサンプラザ・シーズンズホテルに泊まりました。
今回の同行スタッフKさんは知多半島の出身なので、昨夜は実家に帰り、今日はそのまま徳島に向かいます。
明日本番のコンサートの調律です。
私はホテルの朝食バイキングで名古屋コーチンの卵かけごはんを食べて(絶品!)お迎えの車で山のホールへ。
11時アップで調律。
各現場のスタッフから続々と「調律終わりました!」メールが入って来ます。
相模湖レコーディングも今日は最終日、ピアノは安定しているようで安心した。
徳島に行ったスタッフは、今日調律に入るはず。
こちらは昼からリハーサル。
聞き慣れた、乾いたニューヨーク・スタインウェイサウンドに「グールドだ!ホロビッツだ~!」と、大喜び(笑)

プログラムはブラームスのピアノ三重奏とショパンの幻想ポロネーズ、シューマンのアダージョとアレグロ、ブラームスのハンガリー舞曲第5番。
マチネなので夕方終了後、搬出。
このホールのオーナーが、本番をずっと聞いていて「わざわざ東京からピアノを持って来る意味がわかりました、全く違う音でびっくりしました!」と喜んでくれました。
「このピアノおいくらなんですか?」
「売りものではありません」(笑)


今日はスタッフが居ないので、私1人で搬出。ピアノプラン大活躍だ。
名古屋を18時に出発し、1人旅で渋谷に23時半到着。
相模湖レコーディングを抜け出して名古屋に来ました。
先日名古屋のIさんから、「名フィルのメンバーと、山のホールというサロンでピアノ・トリオをやるのでピアノを持って来て欲しいんだけど、階段2階上げで入るかしら…」って写メールがきた。
画像を見る限り、階段も急で狭そうだ。
こりゃModel-Mしか無理かなぁ…
でも後半はピアノソロだし、ホールにはピカピカのベーゼンドルファー200が入っている。
それでもニューヨーク・スタインウェイが弾きたいって話だから、何とかしてあげたい…。
それで先日、古座川の帰りに下見に寄ったら、何とかB型が入りそう。
最近階段上げやってないし、難しい現場ほどやってみたくなるチャレンジャー精神がムラムラ(笑)
こんな時こそ、秘蔵のマシーン、階段上げ専用機ピアノプランの実力を試してみたい!
ってなわけで今回のチャレンジ。


午後3時に現場に到着。
B型を積んだピアノプランは、急斜面の階段をグイグイ上がって、あっという間に2階に到着!
やっぱり機械だね(笑)
(このホールのベーゼンドルファーは、もちろんクレーンで吊り上げて入れたらしいけど)

「山のホール」は、目の前が池と森で別荘みたいだ。
さて早速リハーサル開始。
本番は明日だから、今日は名古屋名物を食べて名古屋泊。
相模湖レコーディングチームは、ホールでジャケット写真撮影中らしい。
昨夜はみんなで、ホテル近くの和食店に行って晩御飯。
ソプラノのOさん、ピアノのズィーバス先生、エンジニアの巨匠、岡田則男、みんな上機嫌(笑)
私は飲みすぎで朝5時に目覚め、朝風呂。朝食を食べてホールに9時入り。
ピアノは安定していて、ほとんどいじらず、音色調整を念入りにやった。
このホールは秩父ミューズパークと違って温度湿度が安定しているので、やりやすい。
今朝は10時半から録り始める。2人とも調子が良いみたいで、夜7時までに20曲近くを録音。
なにしろコテコテのドイツリートの録音だから、ドイツ語のチェックは重要。
音楽的表現に迷ったら、携帯でドイツに電話して、ドイツの大御所先生にプレイバックの音を携帯で聞かせて指示を仰いだり、入念にチェック。
ソプラノのOさん、20年位前に東京で始めてのリサイタルの時、NYスタインウェイを持ち込んで歌ったのがこの曲だったらしい。
私は全然覚えてないけどね(笑)

さて2日目が終了して、レコーディングは明日、明後日はお休みだ。
ホールは連続して借りているので練習はできるけど、歌の人は小休止。
ピアノも機材も置いたまま一旦スタッフは帰って、10日にまた録音再開。
残念ながら名古屋の仕事が重なっているので、私は今日まで、あとはスタッフに任せます。
ズィーバス先生はピアノにキスするやら、私にハグハグするやら、うるさい(笑)
まぁ喜んでくれるのは嬉しいね。ではまた、Auf Wiedersehen!

午後からかなりの雨が降って寒くなった中央道をひたすら走り、C2に入って富ヶ谷インターをでたら、あっという間に松濤。
便利になったね!
今日から10日まで、ドイツリートのレコーディングに入ります。
ソプラノのOさん4枚目のCDで、前回までは秩父で録音してたけど、最近は相模湖に変えました。
床がしっかりしているし広いし、温度変化が少ないし、近いし安いし、スタッフの感じも良い。
響きが多いので、歌や弦楽器には最適。
ピアノソロには少し響き過ぎるけど、前回ここで録音した「Dear America,Ⅱ」は特選版になったから、好みの問題だね。
今回もピアニストはシュテファン・ズィーバス先生。
4月1日、ドイツからこの録音の為にだけ飛んできた。
ズィーバス先生とも長いお付き合いになってきたので、親しみを込めて「ズィーさん」と呼んでいる(笑)
御歳71歳になられて、本当に「爺さん」になってきたけど、なかなかどうして元気いっぱいだ。
今朝はズィーバス先生仕様のピアノを積んで7時半に渋谷を出発!
できたばかりの首都高速C2富ヶ谷インターは、松濤の裏なので超便利!40分で到着してしまった(笑)
調律が終わった頃、お二人も登場。
これから3日間長丁場よろしくね!

リハーサルを聴く間もなく、11時半に私は抜け出して、和光のサン・アゼリアホールにかっ飛ばす。
実は13時~15時で大ホールの調律。今日はここで、長富彩のリサイタルがある。
レコーディングを抜け出して来たのでリハーサルすら聴けないけど、顔ぐらいは見て戻りたい。
調律をバッチリやって携帯に激励メールを出したら、彩ちゃんがステージまで走ってきた(笑)
今年度は、いよいよ彩ちゃんのメジャーデビューだ。頑張って!

挨拶もそこそこ。でも元気な顔を見れて安心して、関越道~圏央道~中央道を、秘密のスピードですっ飛ばし、約40分後には相模湖の楽屋に、こっそり戻ってた(笑)
昔あるオーケストラのメンバーが、ポルシェを買う理由に「あのな~、ポルシェ買ったら仕事2つ掛け持ちできるん
だぞ~」って奥さんを丸め込んでいた理由が良くわかる(笑)
さてさて、実は私が抜け出している間をごまかしていたスタッフから、逐一報告が入っていた。
●スタッフ⇒「ソプラノのOさんが『ピアノの音がいつもより、柔らかいような気がする…』と言っています。どうしましょう。」
●私⇒「それで良い」
しばらくすると
●スタッフ⇒「エンジニアの岡田さんも、社長を探してます」
●私⇒無視
やがて痺れをきらしたのか
●スタッフ⇒「歌のO-さんが、『私の声とピアノの音と合わないような気がする…』と言ってます。」と電話が入った。
●私⇒「高木がこれで良いと言ってたと言っておくように」と言って電話を切った。
何て高飛車でひどい話だ!と思ったかな(笑)
私が戻ってきたら、淡々とレコーディングは進んでた。
ズィーバス先生は私の顔みるなり、握手握手。

「ピアノとっても弾きやすい!今までで最高かも知れない、ありがとう、ありがとう!」
ほらね(笑)
先生の好みは百も承知。
周りの雑音に惑わされてピアノの調整を変えたら、今頃大変な事になってたに違いない。
こういう事は、自分の考えをはっきり持っている外人アーティストの方が仕事がしやすい。
日本人アーティストは、周りの雑音に自分も惑わされる人が多いような気がする。
しかも今回の録音曲は、ピアニシモで和音を弾く箇所がやたら出てくる。
レコーディングでは一日中弾き続けるので、ピアノはだんだん鳴るようになってくるし、歌は疲れてくるので、だんだん声量は落ちて来る。
レコーディング初日のピアノのセッティングはこんな感じになっていれば間違いないのだ。
その後も録音は順調に進んで、ズィーバス先生御機嫌のうちに本日終了!

昨日朝5時出発で、和歌山に向かいました。
今回はご存知、古座川町の岡田さんの仕事。
本番は4月10日なのだが、私が「相模湖でのレコーディングと名古屋の室内楽コンサートが重なっているので、10日は無理」と言ったら、前もって調律だけに来て欲しいとのことで、一週間早いけけれど今日調律をします。
従って、本番は調律なし(笑)
6日からのレコーディングの打ち合わせも兼ねて、スタッフと2人パジェロに乗り、休日1000円高速で来ました。
私の好きな南紀州は春真っ盛り。
海あり、山あり、川ありで、綺麗な空気と水。
昨夜は朝に上がったばかりのカツオを丸ごと一本頂いたので、早速刺身に下ろしてもらい、スタッフと2人で約3キロのカツオをペロッと食べてしまいました(笑)
四月に突入しました。
相変わらず毎日都内のレコーディングスタジオ通いです(笑)
この間はエブリリトルシング、昨日はEXILE、今日はアランというグループでした。
たまにはクラシック以外の仕事も楽しいです。

渋谷のシアターコクーンではミュージカルが始まり、わが社のサロンでも連日コンサートがあるので、スタッフ達は年度末一般部門の調律から帰ってきては、またそれぞれの現場に出かけます。
私はスタジオのあと工場に行って、不評だったゴブちゃんのバッテリーを小型化作業に入りました。
やり直し作業って気がゆるむので、うっかりディスクグラインダーで指を怪我。
工場作業は生傷が絶えません(笑)