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7月ももう終わり!                            7/31

今年前半は、雑誌の取材やレクチャー、「徹子の部屋」出演、6月19日ホロヴィツピアノ復活コンサートなどが目白押しの半年でした。
あっと言う間に折り返して今年も後半が始まりました。
ここのところメディアやネットで取り上げられる事が増えたので、大好評のうちに売り切れていた「スタインウェィ戦争」がまたアマゾン等で販売されはじめました!
在庫がまだ残っていたんですね!

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調律師という職業を選んだ以上、ピアノが一番輝いていた巨匠時代の象徴、カーネギーホールのステージで自分の調律したスタインウェイの音を聴いてみたい!という夢に向かって行ったら、予想通り、音楽ではなく「営業上困る」という理由のマネーメーカー達からの妨害が始まる。
それを、むしろ楽しみながら、降りかかる火の粉を払いながら夢を実現したドキュメンタリー。
簡単に実現するのなら夢じゃないからね!
後輩たちに送る言葉として書いた本ですけど、ビジネスマンの人達から圧倒的に支持されたのにはびっくり!
ビジネスの世界では良くある話だからね(笑)

技術に自信があれば、強いもの、大きいものに頼らなくても戦える。
その答がこの本の趣旨。
何か新しい事をやろうとすれば、利害関係者からは最初は無視、そして悪口。
脅威をもち始めると妨害が始まるのはビジネスや政治の世界では当たり前に起こる事だから、当然受けて立つぐらいの根性がなきゃ戦えません(笑)

大震災が起きて、原発の事故により初めて表面化した東電の呆れた体質。
昨年の計画停電は「電気を止められたらこんなに困るだろう!」って脅しだったことがミエミエだったのに、皆が我慢した日本国民。
独占はびこる競争のない業界には衰退しかない。
海外なら暴動になってもおかしくない政治と官僚、原発の癒着にも大人しくデモでアビールするしかないのは、国民総中流時代に溜め込んだ小金がまだあるから。
確実に「チーズはどこにいった」へ向かっている事に早く気がついて、まずは自分の業界の無駄から変えていかなきゃね。
この日記では政治、宗教の話はしないつもりだけど、なんだか今日は「天声人語」みたいになっちゃったなぁ(笑)
スタインウェイ戦争またまた売り出しおめでとう!の話だったのにね、(笑)




フォルテピアノとチェンバロ                       7/30

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一昨日、縁あって我社に到着したフォルテピアノ1825年ウィーン式。
Joh Kramer まさにショパン、シューマン15歳、ロマン派幕開け時代の楽器。
ここから1887年後期ロマン派時代のスタインウェィ・ローズウッドまでのピアノの進化は目覚ましい。

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フォルテピアノはコンサートホールではなく、サロンの時代の楽器なので、同時にやって来た16フィート全長2.8mのチェンバロと共に、古典からロマン派あたりの楽器です。
1887年のローズウッドスタインウェイは、ブラームスまだ50代だった後期ロマン派。
1912年のルイス君は、パデレフスキー、ラフマニノフやホフマンの巨匠時代からグレン・グールドまで。
そして最後の巨匠ホロヴィッツの愛器CD75と、現代の名器1990年の通称F1。
これでクラシックの鍵盤楽器の歴史がほとんど語れますね(笑)

こうして並べてみると、貴族のサロンで弾いていたチェンバロやフォルテピアノが、やがてコンサートホールで演奏されるようになって大音量で鳴るように改良されていった歴史が一目瞭然。
音の強弱がつかなかったチェンバロからフォルテピアノに進化したけれど、まだ弦の張力が弱い(低音弦はまだ真鍮の弦!)ので、全体的に音量が小さい。
それからわずか数十年後にはボディに金属のフレームが入って、大幅に張力を上げ、ピアノという楽器として完成されていったのが、19世紀中旬のわずか50年ぐらいの出来事だったことに改めて驚く。
20世紀に入った100年はむしろ後退期。
楽器から学ぶって説得力あるよね!

フォルテピアノの修復が終わったら、 それぞれの時代の楽器で聴くシリーズを松涛サロンでやる企画を考え中! 乞う御期待!
一番楽しみにしてるのは私です(笑)

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なんだか楽器博物館みたいになってきたなぁ…でもうちは博物館ではありません。
わが社は楽器は鳴らしてなんぼ!
ピアニストの皆さんにどんどん弾いてもらいますよ!





調布たづくりホール                             7/29

今日の担当のコンサートは調布のたづくりホールです。
珍しく合唱のコンサートに持ち込みです。
長い付き合いのピアニストKさんの依頼です。

たづくりホールは、搬入用のエレベーターですんなり舞台袖入口までは行けるのに、最後のドアの取っ手が邪魔でピアノを1m近く持ち上げて取っ手の上を通過させなきゃならない曰く付きのホールだったのです。
ところが今回は親切な舞台スタッフさんが取っ手を外してくれました!
取っ手も(とっても)助かりました!(しつこい?)

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今回はタンゴの曲もあるので、アコーディオンのSさんも加わりました。
Sさんは、ピアニストのS和音さんのお父さん。
最近打ち上げで良く一緒に呑みます(笑)
17時に無事、コール多摩の皆さんの45周年コンサート修了しました。



NYよりチェリー到着!                          7/26

毎年この季節になると社員一同心待ちにしている巨大チェリーが、今年もクール便でNYより届きましたよ!
大量に送って頂くので、みんなで分けても1人前がこの量。

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「よし!カフェで今日のメニューに載せよう!」って言ったら

「え~!みんな楽しみにしてたのにぃ!!」と真顔で怒られて即却下。(笑)

ほんとに皆楽しみにしてたんですね。
NYのピアニスト「足長おじさん」ありがとおー!


いろいろ人と会っています                        7/24

一昨日、和歌山から強行スケジュールで帰って来ました。
スタッフ達は、膨大な数のピアノオーバーホールがこの先始まるので、臨戦態勢です(笑)

今週は東京にいるので、毎日いろんな打ち合わせやお客さんと会っています。
こんな時、昨年できたカフェが大活躍(笑)
お客さんの中でも、最近特に増えたのは調律師協会の若者達。
彼らも現状を何とかしなければならないという危機感をようやく感じ初めているので、少しずつこの業界も変わり始めたね、やっとだよ。
このまま何もしないで、5年10年後に自分や業界がどうなっているのかを考えて、だから今やらなきゃならない事を見つけて欲しいと思います。

「チーズはどこに行った」と言う読み物がありました。
今の事しか考えられないのは動物です。
人間だけが未来に向かって今何をすべきかと人生設計を考えられるのですから、後輩たちよ頑張れ!
おじさんも、もうちょっと頑張る(笑)

松本俊明 サロンコンサート                       7/21

梅雨明けしてから長雨が続くのは毎度の事。
今日も鬱陶しい小雨が降ったり止んだり。

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そんな中、今月2回目の松本さんのサロンコンサート。
前回に引き続き1日2回公演ですが、全4回満員御礼、相変わらずの人気ですね。
Misiaの曲やパク・ヨンハさんの曲で号泣嗚咽コンサート(笑)
歌があるでもない、ピアノだけで、これだけ人は感動して泣けるのかって、改めて音楽の持っている力を感じるね。
後半の始まる前に調律チェックを終えて、15時30分にスタッフの運転するパジエロで和歌山に出発。
明日は本州最南端の町、串本で仕事。
夜11時に和歌山到着。


浜離宮朝日ホール                            7/19

あの6月19日からちょうど1か月、いまだにあのコンサートの話題で持ちきりです。
日本のクラシックピアノコンサート史上で画期的な唯一無二であった事は間違いないし、私も含めてあの現場に居られた事は幸せな事でしたね。
とかくクラシックのコンサートって批判ばかりして脚の引っ張りあいの中で、残るものは残り、消え行くものは消えて行く微妙な業界である事は否めないけど、実は聴きもしないで批判する人が多いのも事実。
まぁ同じ曲を皆が弾くからしょうがないんだけどね。
他のジャンルの音楽は普通オリジナル曲だから、結構みんな仲良いし、認めあってるよね(笑)
クラシックは自分達で首を閉めたようなところがあるんだけど、そんな了見の小さい連中の事はほっといて、皆に好かれようなんて思わない私の企画(笑)
「あの83年のNHKホールで、このピアノの音を聴いたんです!」というお客様が何人も来てくれてましたね!
6/19ホロヴィツピアノ復活コンサートを大成功のうちに終えた事は幸せ。E玲、CD75に感謝です。

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さぁ今日は、場所も同じこの浜離宮で、Mりな/E玲のランチタイムコンサート。
ピアノはF1と呼ばれているニューヨークスタインウェイ。
Mりなちゃんはこの浜離宮は二回目の出演。
プログラムは、プロコフィエフのソナタ第2番、ブラームスのソナタ第2番、クライスラーのデンポディメヌエット・美しきロスマリン、ロンドンデリーの歌、前奏曲とアレグロ。
相変わらずの素足で本番(笑)
すっかり貫禄も出てきて、満員のお客様からブラボーの嵐。

音楽は、読んで時の如し、音を楽しむもの。
研究発表のような音楽は先祖帰りしてサロンでやろう。それはそれで別物。


FM横浜収録                              7/16

久しぶりにコンサートがない1日なので、朝はゆっくりでした。
こんな日は趣味の車でもいじろうかと思い、自宅ガレージからホンダS800を引っ張り出して、カフェ前の駐車場でのワンショット!

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今は知る人も少ないだろうけど、日本の車が初めて世界の水準を抜いた名車。
右はI本響から奪い取ったミニクーパー(笑)

このホンダS800は、15年位前にパリのエッフェル塔の近くの中古車屋さんの地下ガレージで発見しました!
「1968年にパリに連れて来られて30年、もう日本に連れて帰って!」と目が言ってたね(笑)
というわけで、末尾に78と言うベルサイユ地方のナンバーを付けたまま日本に空輸した帰国子女(笑)
老後の楽しみにと思っていたけど、考えてみたら、そろそろ老後(笑)
せいぜい車いじりでもはじめないとあと何年体が持つかね(笑)

しかし今日の猛暑にめげて、車いじりは中断し、熱中症対策で生ビール!
夕方からFM横浜の収録をカフェで始める頃には、真っ赤な顔(笑)





猛暑でも休みもなく(笑)                        7/15

毎日忙しく走り回っています。
先月の歴史的浜離宮コンサートから、もうじき1ヶ月経とうとしていますが、いまだに大きな反響を呼んでいますね!
今日は「音楽の友」8月号が一足早く送られてきました。
6月19日のコンサートの特集とコンサートレビューが大きく取り上げられてました。

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今回のコンサートは特別な企画なので、評論はどうでも良かったけど、レビューも大絶賛!まあ嬉しいけどね(笑)

本文のほうもなかなか良い記事だったけど「フランツ・モアの愛弟子、高木 裕」になってたのにはびっくり(苦笑)
著書「スタインウェィ戦争」にも書きましたが、私は調律師として十分なキャリアを積んでから彼に会いに行ったので、いわゆる師弟関係ではなく20年来の友人なんです。(笑)
昔、杵渕直知さんが同じようにニューヨークに行ったように、ある程度技術的裏付けをもってないと、ニューヨーク・スタインウェィの巨匠時代の技術は見ても理解できません。
著書にも書きましたが、ニューヨークでは堂々と対等の態度で挑まないと、相手にされない世界である事は事前に学習していたので、ペコペコして技術を教えて下さい、弟子にしてくださいなんて言ってたら、無駄な年月を費やしていたでしょうね。
決めたら、腹をくくって相手に挑むのが私のポリシーですから(笑)
おかげで、スタインウェィの本当の凄さを知り学ぶ事ができたので、彼らへの尊敬と感謝の気持ちは生涯忘れません。
巨匠達がそうだったように、私はクラシックが弾きにくい新品のピアノを好まないので、目先の私利私欲の商売人たちにとっては目の上のたんこぶでしょうが(笑) もうクラシック音楽が大きなビジネスになる時代は終わりました。
我々には先人が残した偉大な芸術という財産を次の世代に繋いで行く責務があると思いますから、みんなで協力していきましょう!
無理だろうなぁ…(笑)






市川市行徳l&l                                7/14

今日は、行徳文化ホールでT山君のソロリサイタル。
私は初対面だと思ってたのですが、松涛サロンにもいらした事があって、持ち込みコンサートもやったことがありました。
私が担当していなかったみたいです。

今日はホールのピアノをつかうので、普通の真新しいスタインウェィです(笑)
調律始めようとチェックしたら、何とピッチが異常に高い!
444Hz位に上がっている状態を一気に442Hzに下げるのは至難の技。
これだからホールのピアノは使いたくないんだよな(笑)

リハーサルでご紹介されたTさんは、好青年!皆に好かれるだろうね。
情熱的な演奏でびっくりしてたら、やっばり及川浩治さんと同じ事務所だった。マネージャーのOさんは、及川さんの仕事の途中、新幹線の駅の書店で、私の著書「調律師至高の音」を偶然買って、及川浩治、五嶋みどりさんの事が出ていてびっくりしたらしい(笑)
迫力満点の「展覧会の絵」のリハーサルを聞いて、本番前に調律をチェック。
今日は立ち会いがないので渋谷に帰りましたが、3連休のまっただ中で大渋滞!





船橋きららホール                            7/13

今日のお出かけはローズウッドスタインウェイを持って、舩橋駅前のきららホール。
E玲さん、長年住み慣れた実家がある舩橋から引っ越したばかりなのに、今日は舩橋でコンサート(笑)
この1ヶ月、立て続けのコンサートに、芸大の授業に、引っ越し!良く体が持つね?
最近流石に心配してます。

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今日は盛りだくさんの曲にトーク付き。
チケットは既に完売。
ピアノの周囲を囲むように客席を並べるので、ピアノの屋根はあらかじめ外して来ました。
搬入はホールのスタッフ皆さん総出でお出迎え。搬入システムのごぶちゃんの写真を撮ったり、興味津々。
ピアノ業界に革命を起こしたマシーンだからね(笑)

調律を済ませ、立ち会いはスタッフに任せて私は電車で渋谷に戻り、関西からのお客さんと来年のコンサート企画を打ち合わせ。
夜は先日のスルガ銀行のレクチャーに来てくれたお客さんが、カフェにいらしたので、会食!



相模湖レコーディング最終日                      7/12

S太郎シューマン謝肉祭録音も最終日。
やっぱり3日あると余裕だね。

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相模湖交流センターも、以前はまとめて空きがあってレコーディングには最適だったけど、ちょっと宣伝し過ぎたか業界で徐々に有名になってしまって、最近はなかなか予約が取れなくなってしまった。(笑)
バブルで雨後の筍のように建てた地方のコンサートホールは、今、閑古鳥が鳴いて、維持管理に困った地方自治体が指定管理者制度というシステムを考えて、ホールの運営管理を民間に丸投げし始めました。
良し悪しはともかく、ホールは貸し館率が命。
使われなければただの無駄なお金の出て行く箱。
ちょっとした工夫とホールスタッフさん達の協力で、レコーディングに使用すれば連続で借りるので、貸し館率も一気にアップ!
音の良いホールという噂が立って利用者も増えて一石二鳥。
これによって活気が出てきたホールも数々あるので我々も嬉しいけど、予約が取れなくなって自分の首を閉める羽目になるから痛し痒し(笑)
また次のホール探さなきゃ~






相模湖レコーディング2日目                       7/11

このホールも最近は人気で、なかなか取れなくなってきました。宣伝しなきゃ良かったなあ(笑)

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今日は朝10時30分スタートで、昨日のカーニバルの残り3曲と、交響的練習曲の主題と5つの変奏曲を録ります。
2日目に入るとピアノも安定してくるので私は楽になります。
ディレクターの坂元ちゃんも、彼がヴィクター時代からのお付きあいなので、かれこれ15年以上。
お互いにレコーディング現場の仕事が長いのでスムーズに仕事が進みます。
今日は早めに終わって、仮打ち上げ!
この山奥の上野原で、唯一魚の旨い居酒屋にて乾杯!

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相模湖レコーディング初日                       7/10

昨日は桑田さんの葬儀に行ってきました。
あまりにも突然だったので、はっきり言って親の死よりショックでしたね。
世の中の戦争や、核兵器の開発を3年位全面的に中止してその全予算で癌の治療薬開発に没頭するとかできないのかね。
戦争で戦って得られるものより、病気と闘って得る勝利こそ人類共通の利益だと思うな。


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さて、今日から3日間、相模湖でピアノソロのレコーディングです。
シューマンの「謝肉祭」を録音します。
ピアノは今年100歳を迎えたルイス君を持ってきました。
そう言えば6月19日と21日のコンサートには、ルイス君ご本人もニューヨークから来てくれました。
渋谷で3年振りにルイス君同士が対面して、その成熟ぶりにびっくりしてました(笑)
そりゃスタインウェイを、楽器として仕上げるのが僕の仕事ですから(笑)


初日はいつものようにマイクセッティングから。
低音域から高音域までのバランスや、ニュアンスがはっきり聴こえるようにマイクの距離や高さを決めて、残響用のマイクのミックス量等を決めて録音開始です。

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ピアニストのS太郎さん、カーニバルを前口上からサクサク録り始めて、なんとあと3曲を残すのみとなったところで初日終わりました。
19時というまだ明るいうちに終わるなんて久し振り。
晩御飯を皆でゆっくり食べられました。
あと2日もあるんだよ(笑)



石巻から盛岡へ                              7/8

恒例のフコク生命チャリティーコンサート、今回は盛岡で二台ピアノです。
途中石巻で、 復興支援「ピアノを被災地に贈ろう」シリーズのピアノを下ろしました。

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わが社のスタッフ達が一生懸命オーバーホールしたヤマハのアップライトです。
昨年からもう4台目になります。
復興支援でピアノを贈る話は増えてきましたが、なかにはピアノ買い取りセーターからも買い取りを拒否されたと思われる粗大ごみのようなピアノもみかけます。
少なくとも弦の交換やアクションの修理調整はすませて、今後10年以上は使えるようにしないとかえって失礼です。
わが社では「メロディーの翼」からの依頼で寄贈されたピアノを、オーバーホールして保障もつけて現地まで運んでいます。
今回は石巻市かもめ学園、子供達の喜ぶ姿が目に浮かびます。
しかし校庭に停まっていた車が、「オギャー基金」ってのが良いね!

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さぁ石巻を後にして、盛岡に向かう予定でしたが、昨日私の30年来の友人で、長年日本フィルハーモニーで活躍していたコントラバス奏者の桑田文三さんが急逝されたと連絡が入り、明日の葬儀に出席する為に急遽私だけ盛岡から新幹線で東京に戻ることにしました。
桑田さんは私と同じ歳。
半年前はあんなに元気だったのに…。
人生ってなんなんだろうね…。


長富彩ソロコンサート                         7/6

先月の神奈川県民ホールに続いて、長富彩のソロコンサート。今日はランチタイム。
そんなわけで、調律は朝8時30分入り10時アップ。
古いビルの4階らしくピアノの持ち込みはできません。
古いヤマハがあるらしいという情報しかなく、ピアニストはなるべく練習をしたいだろうからと早めにホール入りしたら、そこはお役所

「8時30分ぴったりじゃないと開きませんので、前の公園でお待ち下さい。」

との事。
やむ無くホームレスの方たちのお隣で時間を潰す。


やっと時間になってホールに入って調律開始。

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200席位のこじんまりしたなかなか貴重なホール。
これからコンサートを定期的に企画していきたいらしいけど、ほとんど講演会や落語などにしか使ってないから、残念ながらピアノはコンサートコンディションとは言い難く、時間もないし頭を抱えた。
調律はかなり綺麗にやってあったので、調律師の問題ではなく、予算の問題であろう。
真綿で叩いているようなモコモコの音、ハンマーのスティックで、鍵盤は重く連打は効かず、とても1時間位で調整は無理。
ピアニストはどんな状態のピアノであっても我慢して弾かなければならない宿命ではあるけど、特に東京でのコンサートでは評論家や、耳の肥えたリスナーによって不当な烙印を押されてしまうことがある。
何とかしてあげたいけど、時間も予算もない。
調律師の皆が同じ経験をしているはず。
これが、私がホールにピアノを持って行くようになった理由の1つだ。

しかし搬入経路が尋常でないホールは、せめてピアノの状態を普通にしておいて欲しい。
音が悪くてもピアノは弾けるけど、物理的に壊れているような状態だとピアニストが、指を痛める事すらある。
別に高級なピアノでなくても良いから、保守管理にもう少し予算をかけて欲しいと痛切に思ったので、担当の人にハッキリ言いました。
また嫌われたかな(笑)


世界遺産巡り その2                           7/5

京都から白川郷は北陸道経由かと思ったら、名古屋に向かい一宮ジャンクションで東海北陸自動車道経由のほうが1時間も早いとの事なので、あまり効率の良いツアーではなかったね(笑)

それでも豪雨の中、臨機応変に飛ばして3時間30分程で白川郷に着きました。

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役場の担当のIさんに、豪雨の中、車で合掌造りの世界遺産を案内して頂きました。

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さてこの築200年以上の民家にどうやってピアノを搬入しようか…。
床の強度も不安だけど、何とかしよう。

現場を見ればピアノの大きさや搬入機材を決定できるので、下見に来て良かったです。
お世話になった役場のlさんにお礼を言って、雨の上がった東海北陸自動車道経由で名古屋に出て東名~新東名で渋谷に戻って来ました。

街中では大きすぎて邪魔だけど、長距離高速走行は楽な車(笑)

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世界遺産巡り                               7/4

京都の醍醐寺と白川郷合掌造りの民家へピアノ持ち込みコンサートの依頼がきました。
コンサートホールならいざ知らず、どちらも世界遺産。つまり古い(笑)
下見にいかなきゃ現場で頭を抱える羽目になりかねないので、愛車をガレージから引っ張りだしてきて急遽、京都~白川郷強硬下見ツアーに行って来ました。

渋谷を昼11時30分に出発。
東名~新東名~新名神~をひた走り、京都醍醐寺に15時30分に到着。
まずまずの走行タイム(笑)。

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醍醐寺は初めて行きましたが、スケールの大きさにびっくり。
200万坪!の広大な敷地に点在する国宝や重要文化財の建物。
宝物殿には「なんでも鑑定団」によく出品されて、ことごとく偽物と判断される狩野派の絵の屏風(もちろん本物!)などがずらり。
目の保養ができました(笑)

コンサート会場は、15年位前に出来た新しい美術館だったので、搬入は楽勝。
一安心で、今夜は京都泊。
明日は白川郷へ。


7月になりました                              7/1

相変わらずの梅雨空ですが、一昨日突然

「明後日の朝空いてますかぁ!」とピアニストから電話がかかってきて、
「主催者が調律依頼を忘れてたみたいなんです、ひぇ~」

こっちが「ひぇ~」なんだけど(笑)

奇跡的に早朝はスケジュール空いてたので、横浜の緑公会堂に来ました。

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久しぶりにヤマハのCFの調律。
ステージに上がって思いだしたけど、過去に数回来た事があります。
今日はマチネなので時間がない。
1時間で知らないピアノの調律を仕上げるのは過酷だけど、時間のない時は早めにステージを空けて、アーティストのリハーサルの時間を削らない事が最優先です。

コンサートホールには、調律記録簿なるノートが常備されています。
調律が終わったら、これに氏名、所属先、連絡先、作業内容を書き込みます。
この記録簿はピアノの保守管理上、とても有効ではありますが、えてして調律師にとっては、自分の首を締める結果になる事があります。
自分の氏名を書くので、次の調律師に「酷い仕事だなぁ…」と思われたくない自己保身の一心で、必死で調律に時間をかけて、アーティストのリハーサルの時間まで無視して余計な作業に時間をかけてまう人がいます。
この記録簿は主にピアノにダメージを与えるような特殊な作業を監視して、責任の所在を明らかにする為に使用するもので、調律の時間が満足に貰えない事など、日常茶飯事のこの業界なのに、調律師同志、足の引っ張り合いになっている場合があるんだね。

私は、時間がない時は、プログラムを見て、出てこない最高音域の調律をやらなかったり
(アンコールで想定外の曲弾いたりって事あるけど、(笑))
ピアニストが気にならない部分はやらないなどして、与えられた時間は重要な部分に全力投球する事に徹しています。
まあそれ以上のクオリティーを求める場合はピアノ持ち込みますからね(笑)