
なんと綺麗な朝焼け。
スタッフを連れて、二泊三日で串本に行って来ました。

恒例の和歌山県、古座川のお客さん達の定期調律ですが、私は温泉ホテルに籠って原稿の追い込み。
こうでもしないと、東京に居ては、ひっきりなしに訪ねて来るお客さんのお相手で、頭が作家モードになりません(笑)
今回のホテル籠りでほとんど書きあがりました。なかなか面白いテーマですぞ(笑)
スタッフは朝から夜まで調律に回っています。
今回の移動の足は、先日無料で頂いたローバー。
わが社の社用車では久しぶりの4ドアセダン。なかなか快適。
今日のコンサートは渋谷のさくらホールで、竹下景子さんの朗読と筧さんのピアノ。
とはいっても、いつものごえんなコンサートではありません。

星野さんの絵手紙にピアノソロ。
さくらホールは近いので会社を行ったり来たり。
今年はさくらホール多いなあ。
7月にも竹村浄子さんのCD発売コンサートがありますね。


昨日は二台ピアノだったけど、今日は連弾なのでピアノを一台にして、マイクセッティングを変えて録音開始。
今回持って来た二台は偶然にも、旧コロムビア赤坂スタジオの1スタ、2スタにあった楽器。
何年振りかで、一緒にレコーディングとなりました。
もちろん、我が社に来てから完全にオーバーホールしたので、全盛期の状態に戻っていますよ。
今日も息の合った二人の演奏を耳にしながら原稿書き。
それにしてもピアノが1台だけだと調律も楽(笑)
予定通り20時には終了して、ピアノを二台とも撤収して帰りました。

今日から二日間、山梨の花かげホールで二台ピアノの録音です。
このホール、以前は牧丘文化ホールという名前だったけど、町村合併で花かげホールと名前が変わったらしい。
ここでも随分たくさんのレコーディングをやりました。
慣れたホールなのでセッティングが楽。
ピアニストもお馴染みの武田/中井御夫妻。

二台ピアノは音数も多く、今回はテンポの早い曲が多いので、2日間で録音できるかと心配してたけど、ラ・ヴァルスも半日で録れました!
息もピッタリで、まぁ良くさらってました。
二台ピアノはやっぱり毎日一緒に居る二人じゃないと、練習時間が限られるから難しいね。
その辺は流石のお二人でした(笑)
このホールの欠点は近くにビジネスホテルがないこと。
収録が終ってルートイン山梨まで走ると、近くに空いているお店は皆無。
みんな寂しくコンビニで晩御飯(笑)
弦楽カルテットによるビートルズシリーズも今日が最終日。
懐かしい曲を三日間堪能しました!
立合をしながら原稿書きも進み、校了まであと一息!

コロムビアのいつものクラシックチームとのレコーディングなので、スタジオ録音といってもアコースティックの楽器なので音には凝ってます。
アレンジもクラシック系の作曲家K君なので、ビートルズの曲がいつの間にかシューベルトの「鱒」風になっていたり、結構面白い。
しかし今回録音している曲、全部歌詞まで覚えてるって事が歳だね(笑)
夕方から急遽、神保町の共立講堂に行ってきました。
まだ日本にクラシック専用音楽ホールがなかったころ、名だたる海外の巨匠が弾いたスタインウェイも、今やかわいそうな状態。
担当者が変わってしまって名器の存在も忘れ去られたんだね。

今日から三日間、スタジオでコロムビアのレコーディングです、
1966カルテットのメンバーと、ビートルズのカバーを録音します。
高嶋音楽事務所の高嶋さんとは久しぶりの仕事。
ビートルズと言えば高嶋さんですからね。
御歳80歳とは、見えない元気ぶりだけど、なぜか今回はお腹の具合が悪いとかで、お昼を届けただけですぐにお帰りになりました。
高嶋さんとはかれこれ20年来のお付き合い(笑)
ホテルで朝食を食べて8時に会場入り。
今年もピアニストはY川さん。
昨年に続きムニエ女史のレコーディングで使ったニューヨークスタインウェイを指定。
なにしろ絨毯敷きの会議場なので、反響ほとんど無し(笑)
普通は直接音しか聞こえないからクラシックは弾きにくいけど、NYスタインウェイのF1は良く鳴るので、後ろの席までピアニシモも十分聞こえる。


本番が終わって展示パネルを見てみたが、ナノテクノロジーは難しいなあ。
世界中の頭脳が集まって最先端の会議をやってるので面白い。
大学スタッフの人は逆にクラシックのピアノに興味津々なので異文化交流。
このイベントが好きなのは、どの分野でも最高のレベルを求めている人達とは根本的な考えというか価値観が同じだということ。
面白いし勉強になるね。
今年もつくばの国際会議場でバイオマテリアル世界会議が行われ、オープニングコンサートの為にピアノを搬入しました。
本番は明日だけど、朝からスケジュールが一杯なので前日入れです。
午後1時搬入なので11時30分に渋谷を出たら、とんでもない大渋滞!
結局2時半到着。搬入後調律。夕方簡単なリハーサル。

スタッフは全員帰らせて、今夜はお隣のホテルオークラに1人でゆっくり泊まれるので、追い込みの原稿書きに専念。
前のモールで遅い夕食を食べてのんびり。これが楽しい。
昨夜は富津の老舗旅館に泊まりました。
久しぶりの和室、なにしろ明治だか江戸時代にできた旅館らしく、全てがもの珍しい。
夜中に大浴場に行ったら、暗闇に大量のシャレコウベ!
良くみたら巨大な高足蟹の甲羅の山(笑)
宿の、おばちゃん達はみんな親切。
朝ごはんをみんなで食べて出発!

今日の訪問コンサートは、高齢者施設なので、年齢層が高い。最高齢が92歳くらい!
アーティストは昨日自宅に帰ったので男ばかりの寂しい打ち上げだったけど、今日は華やか。
ピアノの竹村浄子さんとソプラノの森美佳さん。
年齢層が高いので(アーティストじゃなくて聴衆がね(笑))、知ってる曲が多いのか、みなさん本当に楽しんでくれました。
帰りは海ホタルを渡ると1時間ちょっとで渋谷に戻れるから、南房総も近いね!

1月から月一回やってきた銀座おとな塾も、いよいよ今日は最終回!
まとめの回なのでタカギクラヴィアのコンサート&アーティスト部の話と、もちろんホロヴィッツピアノCD75の話。
CDを聴き比べたりの盛りだくさん。
ちょうど渡辺謙さんの舞台「ホロヴィッツとの会話」が渋谷PARCO劇場で今日まで公演されており、お陰様で最近ホロヴィッツが話題になるから嬉しいね(笑)
フランツ・モアは、私が93年に月刊ショパン誌に4ページの特集記事を書いて話題になったけど、それまで日本の調律師は、営業マンにおだてられて利用されるだけで表に出させて貰えなかった。
フランツ・モアを日本に紹介し、スタインウェイ社ではもっと調律師の名誉を大切にするんだぞ!という内容記事だったのだが、予想通りこれが「スタインウェイ戦争」の真珠湾攻撃になったわけだ。
日本の調律師のために書いた記事なのに、やはりほとんどの調律師たちは、業界全体の事より自分の事だけ(笑)
それ以来、優秀な若い世代の人達に、やり方によっては最高に魅力的な仕事になる調律師の世界にどんどん入ってきて欲しいと考えるようになった。
フランツ・モアがこうやって日本の表舞台に出るまで、あの雑誌から20年かかったけど嬉しいね!
若者たちよ、後に続け!だね。
レクチャーの最後は、ホロヴィッツのコンソレーション第3番にのせて、今後の我々の夢を語って無事終了。
三回とも聞きにきて下さった皆さんありがとう!
13時頃終わって渋谷に戻ったら、黄砂で空がまっ黄色!
中国の攻撃か?と思ったらメイドインジャパンの黄砂らしい(笑)
その真っ只中、海ホタルを渡って、千葉県の富津へ夕方到着。
実は昨日、ここ富津の金谷美術館にピアノを搬入し、スタッフを残して、昨夜渋谷に戻ってました。
今日と明日はフコク生命チャリティーコンサート イン 富津です。
私は銀座おとな塾があったので、富津はスタッフに任せて東京に戻っていました。
今夜は打ち上げだけ参加(笑)
富津の老舗旅館に泊まります。

昨日までのDENONレコーディングはスタッフに任せて、今日は神奈川県民ホールで長富彩のリサイタルです。
ピアノはサブちゃんが運びます。
このホールは、搬入口からエレベーターに乗せてステージ裏までは楽勝で運べるのに、反響板の回りに物が多くてピアノは起こさないと通れません。設計上は通れるのだから片付けてくれれば良いのに、これだけのために運送屋さんを依頼しなければならない無駄をわかって欲しいなぁ…。
彩ちゃんのCD、ホロヴィッツトリビュートアルバムの発売記念リサイタルなんだけど、このCDも特選盤になったらしいね。
見た目とは裏腹にテクニック抜群で、最近俄然注目を浴びてきて良かった。
もうかわいい綺麗な女の子の名曲集は飽き飽きだから、この子だけは本格的なクラシックピアニストに育って欲しいね!

今日も花粉真っ只中でのレコーディング。
楽屋のいつもの席を占領して、パソコンを繋ぎ原稿を書きながら、耳はモニターから聞こえて来るピアノの音に。学生時代、勉強する時にはラジオやテレビをつけながらの「ながら族」だったけど、本の原稿を書くときにテレビやラジオがついてると書けない。
しかし、ピアノを聞きながらならサクサク原稿が書ける。面白いものだ。
聞こえて来る音が言葉だとついつい聞いてしまうからなのか?
でも勉強ならできるのになぁ…と思いつつ、考えてみたらやっぱり、そんな勉強方法だったから調律師にしかなれなかったのか?
でも受験しなかったから、どこの大学も落ちてないぞ!(笑)
なにはともあれ、良い音楽にどっぷり漬かって仕事ができるのは幸せだ。
F君がショパンの録音中、譜面台に分厚い本を乗せている。
楽譜にしては変だな?と思ったらフランスで手に入れたらしいショパンの本。
その曲の事が載っているページを開けて、写真を見ながら弾いてるわけだ。
さっきホールの壁に何か貼ってると思ったらショパンの絵だ。

ちょうどピアノを弾きながら正面に見える位置。
ショパンに囲まれて弾いてるんだね。
誰もいないホールで調律してるとちょっと怖い(笑)
今回は珍しく調律のアシスタントがいるので仕事は楽。
と言うのも、明日は神奈川県民でコンサートがあるので、私は今夜、東京に戻らなくちゃならない。
明日の録音最終日はアシスタントと交代なので、仕事内容をバッチリ見て教えておかなきゃならないからね!
さあ無事今日も終わり、皆に別れを告げ東京に戻ります!
今日から3日間、DENONとレコーディング。
F君のピアノソロでオールショパンのアルバムを作ります。
彼とは昨年、デビューアルバムのドビュッシーを作りましたが、このアルバムも特選盤になったらしい。
ここ何年か作ったCDのほとんどが特選盤に選ばれていて、それだけ注目を浴びているのは、ピアノを担当している私にとっても嬉しい。

先月F君が選んだピアノを朝9時に搬入、調律を済ませて音決め。
レコーディングの初日はピアノの調整でほとんど潰れてしまうけど、持ち込みだとすぐに音決めに入れるので画期的に楽。
F君は音の粒揃えを最も気にするので、ほとんどが音色を揃える調整。
初日の今日は比較的早めにサクサクと終わったので、お馴染みのカンデオホテルにチェックインしても、まだまだ近所のレストランがやってる時間。
順調ですよ!
花粉症でかきむしって晴れ上がった目が痛々しい(笑)
連日夜遅くまで、原稿書きを続けているので寝不足。

スタッフ達は、年度末恒例、官庁学校関係の調律依頼が数百台まとめて入ってるので、連日猫の手を借りたいくらいの忙しさで、嘱託の調律スタッフもフル活動しています。
今日は池尻のスタジオの調律が入って来たので、仕方なく私が行ってきました。
なにやら440ヘルツに下げる調律との事。
アメリカ製の楽器「ローズ」などと合わせたりする際に時々あるのですが、あまりやりたくない仕事です。
一度安定したピッチを一気に上げたり下げたりすると不安定になるし、弦やアグラフやカポダストが痛むからね。ところがこんな時に限って441になってるはずが、442+になってるんだから困ったもんだ。
ピッチを一度大幅に下げて、調律が終わった頃に440に上がって来るようにするんだけど、スタジオってエアコンが入ると次高音のピッチが大幅に上がってくる事が多い。
なんとか二時間で440まで下げたけど、来週はまた442に上げるらしい。
交代のスタッフがきたので私は会社に戻って追い込みの作家活動再開。
交代した立ち会いスタッフによると、アーティストが来ていきなりチューニングメーターでピアノのピッチを測って440Hz+1セントだったらしい。
セーフだね、でもこういう人居るんだよね(笑)
かわいそうにスタッフはその後レコーディングは夜中12時までかかったらしい。
おつかれ!こっちは目標の8万文字突破!
昨日の愛知県立芸術劇場コンサートホールは1800席、今日の紀尾井ホールは700席。
ピアノは同じ調整だと鳴りすぎてしまうから、内声の部分を受け持つ中音域を少しメロウに調整するだけでコントロールがグッと楽になる。

全域に渡って発音のバランスと音量のパワーがあるピアノだからできるんだよ!
これでギルシャハムの世界一のppppを迎え撃つCD75のpppp。
結果は超満員のお客様が体験(笑)

10年位前、サントリーホールで初めてギルと仕事した時に腰を抜かしたあのppppは、客席の最後部に座っても目の前に聴こえてくる。
やっとあのストラディバリウスに対抗できる武器CD75を手に入れた。
世界一のヴァイオリニスト、ギルシャハム/世界一のバイプレイヤー江口玲/世界一のピアノCD75。
「最高のトリオ」という誉め言葉は嬉しいね、
それにしても同じ曲なのにアーティストによって微妙に演奏を変える江口玲の余裕は凄い。
ギル・シャハムやアン・アキコ・マイヤースが世界中のリサイタルにいつも彼を連れて行くのがわかるよね。
他にそんな日本人ピアニストいないよなあ…。
昨日切れた弦も全く狂わなかったので、休憩時の調律もやらなくてすんでよかった。
大盛況のうちに今日のコンサートも終了。
それにしても、名古屋も東京もギルが主役だからピアノの告知はしてなかったのに、終演後はステージ前にピアノの写真をとりにくる人、ピアノを下から覗きこむ人、いつもの光景。

今日もサイン会は長~~い列。
ギルと江口君と私が2006年にマンハッタンで収録したフォーレのCDが、行方不明になってしまったので、ロビーで購入。
うちのスタッフがサイン会に並んでる光景が笑える(笑)
今日からもう3月ですね。
朝7時30分に楽器を積み込んで渋谷を出発、名古屋に13時到着予定です。
今日と明日はギルシャハム/江口玲のリサイタル、実はピアノはCD75を持ってきました。
プログラムにも事前にも公表してなかったので、面白い事になりそうです。
予定通り13時にホール到着。
楽器を下ろすと、みんな不思議な顔をする。
「随分古くさいピアノを持って来たな…」と思ってるんだろなぁ(笑)
このホールは何度か来た事がある。
キャパは1800人、名古屋といえばしらかわホールだったけど、最近はこっちのほうが多い。
2月18日の岡山市民会館は、ステージの幅が広くて音が横に散ってしまいドライな感じだったけど、ホロヴィッツ初来日のNHKホールの音を思い出して懐かしい感じだった。
それに比べてこのコンサートホールはクラシック専用なので、響きが多くて音は痩せないからヴァイオリンは助かる。

さて調律も終盤になったところで、下から2オクターブ目のEの音がバーンという轟音と共に切れた。
19番は、普段めったに切れない太さの弦だけど、メイプスの弦は時々切れる事がある。
以前フルコンの納入調律でもっと太い21番が切れた事がある。もちろん新品の弦だ。
演奏中に切れる事はなく、調律の時だからまぁ救われるけど、今日は焦った(笑)
新品の弦はトラックに一式積んであるので、それを張れば簡単だ。
しかし、次高音から最高音までの1オクターブ位なら、新品の弦を張ってもうまく馴染ませればリサイタルが終わるまでほとんど狂わずに保ってくれるけど、低音部の太い弦は必ず下がってくるから休憩時に再調律をやらなきゃならない。
私は休憩時間は余韻を楽しんでいるお客様に、無粋な調律の音など聞かせたくないので、調律の直しにはほとんど出ていかない主義だけど、今日はしょうがないかな…。
幸いチューニングピンの根元で切れたので、伸ばせば何とか再利用できる。やるだけやってみよう!
切れた弦を外して伸ばして再度張る作業の方を選んだ。
リハーサル開始まであと30分。
残り低音部の調律時間を逆算するとあと10分を切る。
迷ってられない、早速弦を外して伸ばす。
この部分は低音弦と大きく交差しているので狭い隙間を縫うようにして張弦作業をやらなきゃならないし、大事なピアノだ、傷をつけてはいけないので神経を使う。
弦は一本をUターンして隣のピンに巻いてあるので一本切れたら二本とも外れるので厄介だ。
残りの時間を考え冷や汗をかきながらなんとか終了。
ピッチを上げてみる。
ここでまた切れたらもう新品に張り替えるしかない。
緊張の瞬間!何とかピッチがあがった!間に合った(笑)

リハーサル開始。
しかしギルのppppはやはり凄いね。会場のどんな後ろにいても目の前に聴こえてくる。
音程の正確さも世界一!
10年位前にサントリーホールでこのppppを聴いてビックリしてピアノの調整をやり直したことを思い出す。
全くあの芯のあるppppはピアノの限界を越えていた。
今回迎え撃つのはCD75!最大の武器(笑)
リハーサルを聴いてこりゃ凄いコンサートだ!と確信。
本番前にピアノをチェックしたが、張り直した弦は全く狂ってない。古い弦を張った事が大成功!
そして本番。
ピアノの事はなにも公表してなかったのに、休憩時間、徐々にステージ近くにピアノの写真を撮りにくる人多数。
やっぱりわかる人にはわかるんだね!
さぁ明日は東京だ!
ピアノを搬出して東名に乗ったのが21時30分。
御殿場まではスイスイだったが、大井松田で多重事故で渋滞していた車の列にトラックが追突。
挟まれている運転手の救出現場横をノロノロ通って、やっと渋滞を抜けられた。
渋谷に帰ってきたら朝4時!
仮眠をしたらすぐ紀尾井ホールだ。