私は新幹線で昨日から岡崎に来ており、今朝東京を出発したトラックと名古屋で合流して、京都に到着。
今日は上賀茂神社でコンサート。

世界遺産、重要文化財、築400年の建物なので、 ピアノを運搬車ごと入れると床が持たないんじゃないないかと心配だったけど、びくともしない。
昨年ピアノを入れた世界遺産、白川郷の合掌造り民家も築400年。
そりゃびっくりするほどの分厚い床と大木のような柱で作られてるから400年持つんだね(笑)
どちらも大広間で、人間が10人集まれば、軽く600キロ位になるんだから、500キロのピアノ位へっちゃらでした。
何年か前、東京のビルに小型のピアノを入れたら床が抜けた事があった。
最近の建物は400年どころか30年くらいでこのありさまだ(笑)
重要文化財は頑丈だという事はわかったけど、なにしろ傷や汚れを付けたら大変なので、搬入は慎重。
今日は特に、苦虫を噛み潰したような顔をしたおじさんが搬入をずっと見張っているので、いつになく養生をしっかりやった。
床に敷くベニヤ板の下にも更にビニールシートを敷き詰め、先程のおじさんが腕組みをして、怖い顔して見張ってる中、慎重に搬入終了。
汗だくで調律やってたら、顔見知りの宮司さんがやって来て
「あ!ご紹介します、こちらはうちの出入りの電気やさんの○○さんです、」
さっきのおじさん急に愛想を崩して
「今日の照明をやらさしてもらいますぅ~」
だって。俺たちはガクッ。
てっきり文化財保護委員のおじさんかと思ってた(笑)
いっぺんに力が抜けて、調律再開!していると、今度は襖の裏で「よお~っポン!」
なんと鼓の稽古が始まった。
調律が聞こえない…。
とうとう調律を中断して鼓の稽古が終わるまで待つことにして、タッチの調整。
あろうことに、調律の音が止んだら、鼓を持ったおじさんが、襖の影から出てきて、今度はピアノの横で「よお~っポンポン!」
こりゃ駄目だ、さすが京都、上賀茂神社。何が起こるか予測が出来ない(笑)

鼓の稽古が一段落して調律再開したら、今度は「調律はあと何分で終わりますかぁ?」
え~っ!まだ夕方15時半、本番までには時間があるのに、と思ってたらスタッフがプログラムを見てビックリ!
なんと19時本番開始ではなく、19時本番終わり!なんたる連絡ミス!
あわてて調律を終えて、リハーサルを先に初めてもらう事にした。
すると、先程の鼓のおじさんが出てきて「いよ~っポンポン」
どうやら鼓の、偉~い先生らしい。
プログラムにはピアノと鼓のコラボレーションも入ってる!これで合点がいった。
単に鼓の稽古をしてるおじさんではなく、先生は早く調律が終わらないかと待ってたんだね。
みんなの勘違いで一堂大笑い。
さて本番も無事終わり、明日は福山へ。
昨日に引き続き、管楽器と録音です。
首都高のC2ができてから、このホールも渋谷から30分ちょっとで来れるようになって便利になりました。
ピアノには少し響き過ぎるのと、客席後方の天井辺りに音がワヤワヤ廻るので、決してスカ~ンと音が飛んでいくホールトーンではないけど、便利なので良くレコーディングに使われています。

さて今回は管楽器とピアノという難しい録音をやっています。
何が難しいかと言うと、管楽器の音圧。
15年位前にニューヨークでトロンボーンとピアノの録音をやりました。
ピアノはTakagiKlavier U.S.Aのピアノを持ち込んだので慣れた楽器。
よい感じでマイクセッティングも終わり、ピアノソロならこれでバッチリ。
さてトロンボーン登場。
あれれ?さっきまでよい感じで鳴ってたピアノが突然チェンバロのようにチャラチャラになってしまった…。
これは管楽器の強力な音圧でピアノの低音域が吸われてしまうマスキング現象。
このときはユーフォニュームも加わり、ピアノは更にペラペラな音に…。
頭を抱えたものだけど、それ以来、何度か頼まれる管楽器との録音にはいつもマスキング現象を覚悟していろんな工夫を試みます。
管楽器もフルートまでなら大丈夫だけど、サックスやトロンボーン、ユーフォニューム等にはピアノは勝てません(笑)
オーケストラで、管楽器は一番後ろに座るのもわかるよね。
昨日は、エンジニアも調律師も前回同じ録音をこのホールでやった記録を参考に楽器やマイクの位置を決めたので、まぁなんとかなったけど、今日はユーフォニュームが1人増えてダブルユーフォニューム!
く~音圧があ…(笑)

まあ、慣れたチームなのでお互いの役割分担が出来ているので仕事はスムーズだったのは信頼関係のお陰。
それよりも曲がとってもヴィルトーゾ満載なので、ピアニストがともかく大変(笑)
皆が休憩の時もお昼の時も片時もピアノから離れず1人練習。
途中で調律の直しに入る雰囲気もないほどの集中!
しかもほとんどプレイバックを聞きに戻って来ないので、とうとうこの二日間、ほとんど調律直しなしで終了。
めったに無いことだけど、こんなときはアーティストやディレクターを尊重して、決して録音を止めて流れを乱すような事はしません。
集中して録音をやっているのに、調律の乱れが気になって録音を止めてもらい、調律を直して録音を再開しても、音楽の流れが変わってしまって結局そのテイクは使えないのは良くあること。
調律の見本のCDを作ってるのではないので、我々は常に裏方。
日々努力をして何があっても調律が音楽を妨げるほど狂わない調律の練習に励むべし、だね。
いやぁ何年やっても難しい…から面白いね!
そんなわけで撤収時間ギリギリになんとか録音終了、お疲れ様!
毎日レコーディングでスケジュールが一杯だけど、新規の録音は、もうほとんどをスタッフに任せているので、メールで報告を聞くだけ。
昨日もレコーディングが2つ重なっていたが、私は今週末から約半月に及ぶ過酷なツアーの準備。

今日は2ヶ月前にも来た、新宿の明治安田生命ホール。
朝9時入り11時アップで、ホールのピアノを調律。
Vn二村さん、pf浦壁さん、評論家の真嶋さんで19世紀のヴィルトーゾを語るという講座付きコンサート。

勝手知ったる人達ばかり、こうやって集まるとは業界狭いね(笑)
リハーサルだけ聴いて、私は次の現場、与野の埼玉芸劇へ電車で移動。
ここには今朝9時にわが社のスタッフがピアノを搬入していて、今日から日本アコースティックレコードとのレコーディング。
私が到着した時には、既に音決めも終わり1曲目を録り始めていた。
ここでスタッフと交代。さぁレコーディングだ。
本来なら、今日は和歌山に向かって走ってる日なんだけど、先週突然この仕事が入ったので和歌山のスケジュールを延期してもらいました。
ピアノも昨日みなとみらいで使った楽器を持ち込めばこなせる事になったので、今日はなぜか杉並公会堂にいます(笑)

しかしこのホール、客席もロビーもなんでこんなにエアコンがんがん効かせるんだろね?寒い!

今日はマチネだから夕方には終了。
突然変わったスケジュールの為、夜は有楽町で打ち合わせを兼ねて飲み会(笑)
砂浜の波打ち際にピアノを置いて、プロモーションビデオ撮りの依頼がありました。
しかも夕暮れから月明かりまでを刻々と撮影。
波の音、風の音と共に音も録るって話だから、まともに弾けるピアノでないといけません。
海岸線にピアノを置く撮影は、以前、あるクラシックのCDのジャケットでも撮影したけど、その時はCGと間違えられた(笑)
こんな過酷な撮影はほとんどアイデア段階で没になるけど、キャタピラー式運搬車を有するわが社には不可能はない。
砂浜、田んぼ、崖っぷちOK!
唯一条件として雨がパラッと来たら、中止!
そんなわけで天気の関係で塩釜で3日間スケジュールを押さえられた。
しかし台風一過で雲1つない天気になり、こりゃ絶好の撮影日和。
夕方3時にトラックからピアノを積んだ運搬車を下ろして崖を下り、トップギアで水を得た魚のように、キャタピラーは砂浜を走る!
まるで砂漠を快走するロンメル将軍の戦車(笑)

波打ち際でピアノを下ろして調律。
波がうるさくて音が聞こえない…。
昨日のみなとみらいホールは天国だった(笑)
ほぼ満月に近い月が上がる方向にピアノを向けて屋根を取り、泳いでいたサーファーの人にお願いして退いてもらう(笑)

夕暮れ時、ちょうど良い位の明るさになって撮影開始。
しかし東北はもう秋。夜になると深々と冷えてくる。
暗くてほとんど鍵盤が見えなくなってきたけど、絵の関係で照明は当てられない。
しかし超絶技巧のこの曲をほとんど外さないで弾く驚きのテクニック!
CGでは表せない幻想的な映像が撮れた!

心配なのはピアノだが、気温がどんどん下がってくるし、ピアニストの体力を考えると時間の勝負。
調律など直していられない。
夜8時過ぎに全ての撮影を終了して、ピアニストチームにはお帰り願い、我々は真っ暗な中、後片付け。
今夜は石巻のホテルに一泊して明日帰ります。
途中、すっかり空き地になったような所も、よく見ると家の土台だけが延々と続いている。
かつてはここにも町並みがあったのかと思うと復興もまだまだ。
翌日、塩釜市内で偶然通りがかった有名なサルコヤ楽器店、ここまで津波が襲って来たんですねぇ…。

さて今回の使用ピアノは、わが社の屋外用貸し出しピアノです。
あらゆる過酷な環境を想定して、貸し出し後オーバーホールを施して、その影響をデータに残し、日本全国に運ぶスタインウェイの環境変化へのノウハウに役立てています。
さあこの幻想的なPV、情報解禁になったら楽しみですね。
三連休の最終日に台風直撃の中、みなとみらいへ向かいました。
ピアノを積んだトラックは風にあおられ首都高はヤバい。
しかし休日のせいか道はガラガラ。予定より一時間近く早く到着。
今日は逗子でも別のコンサートが同じ時間に重なっているので、スタッフが逗子に向かっています。
しかもそのあと河口湖にも調律行くらしいが、台風は大丈夫かなぁ…。

みなとみらいホールでは、佐村河内守の新曲「ピアノソナタ」の世界初演。
テレビ収録もあるので、早めに調律を終えて、リハーサル。
富山でこの曲のレコーディングに使ったF1を、今日は更にスーパーブリリアントにチューニングアップした。
前半はピアノソナタ第1番、後半は第2番。
リハーサル後に調律の直しはやらない主義なので、この激しいピアノソナタ2曲、リハーサルを含めて4曲分を調律直しなしで持たせる挑戦。
レコーディングと同じピアノでコンサートが聴けるのも贅沢な理想。
この曲は、粒だちがはっきりして、ダイナミックレンジが広いこのピアノで聴くと圧巻です。
ホールの共同ピアノでは、和音が団子になってしまって印象がかなり違うはず。
それにしてもソン・ヨルム恐るべし!
この難曲を本番でも完璧に弾いて、このソナタは彼女にしか弾けないであろうことを、目の前ではっきり証明して見せた。
録音に使用するピアノにF1を選んだ時から自信に溢れていたので、ちょっと他のピアニストと違うな…と思っていたけど、なるほど、ピアニストの選択には間違いなかったね。

何度も起きるスタンディングオベーションの中、クラシックの世界でこうやって新しい曲が出てくる事がいかに業界を活性化させるかと実感した。
クラシックの世界は、新曲がどんどん発表され、特にロマン派以降はピアノ曲がたくさん作られ、それはアメリカの巨匠時代まで続いて、音楽家や業界が一番潤った時代だった。
しかし戦後の日本のクラシックブームは、批判する事によってわざわざ敷居を高くして、新曲を認めようともせず、スポンサーである聴衆をクラシック音楽から離れさせたという現実をそろそろ認めるべきだろう。
今日は新しい時代が始まったという感じかな(笑)
台風もどっかに行ってしまったしね。
昨日はFM横浜の収録があり、今日から始まるクラシックまにあ「今ショパを徹底検証」シリーズのリハーサルをやっていた丹野さんに急遽出演をお願いして、トークとフォルテピアノの演奏をやってもらいました。
もちろん今日の分は放送には間に合わないので、2回目の11月10日の告知でした。
さていよいよ、19世紀初頭のドイツ~ウィーンのサロン文化から始まるこのシリーズ。
今夜は1835年のフォルテピアノ「グラーフ」のレプリカ登場です。
こういった企画では楽器がオリジナルか否かは、何を基準にするかによって大きく変わります。
200年も前の楽器が、全てオリジナルの状態で弾ける事はあり得ません。
何度も修復を繰り返しているうちに、オリジナルの音やタッチから大きく逸脱している楽器がほとんどなので、博物館に飾り物の楽器ならともかく、運搬して演奏会で使用するには強度的にも不安が残る。
背中の曲がった老人に、矯正ギブスはめて整形だらけの顔では果たして当時のオリジナルの音と言えるのかどうか…。
それならレプリカのほうが当時の新しかった楽器の音を忠実に再現できる。
なぜなら当時は骨董品ではなく新品だったんだからね。
ストラディバリウスやグァルネリのような弦楽器も勘違いしてもらっちゃ困るのは、200年も300年も前に作られた頃は新品だから、熟成された今の音とは違った若い音だったはずなんです。
なので、「今ショパ」の表紙を飾ったヨハン・クレーマーという1825年の程度の良いほぼオリジナルのフォルテピアノがあるにも関わらず、この新品同様のフォルテピアノを初回に持ってきたわけは、全6回シリーズを聴き終わると、なるほどとわかるはずです(笑)

さて今夜はベートーヴェンとシューベルト。
フォルテピアノ奏者の丹野さんとバスの三浦さんによるウィーンの夜会。
シューベルトのセレナーデはフォルテピアノで聴くと圧巻!
ホロヴィッツのCD「at Home」に収録されていますが、あのホロヴィッツの弾きかたを今一度聴いてみて頂きたい。
これはまさにフォルテピアノのように弾いてるのです。
その真相は今夜のお客さんには話したから、ここでは内緒(笑)
さあ次回はシューマンとクララ。
タカギクラヴィアが企画したシリーズだからただのサロンコンサートじゃないよ(笑)
乞う御期待!
久しぶりの秋川キララ。
昔はレコーディンクといえば、甲府の白根桃源か秋川キララに来ましたね。
その後、秩父ミューズパークや牧丘町文化ホール、笠懸野文化ホールができて、秋川には来なくなったので懐かしい。

今日はコロムビアDENONのレコーディンク。
ピアノソロで楽器はF1。
明日から三連休なので渋滞を覚悟して来たけど、中央道スイスイで渋谷から50分で到着。
会社の仕事が忙しくスタッフの手が足りないので、1人で出発。
フルコンを1人でホールに運べるシステムの本領発揮!
知ってるホールなら搬入経路もわかるから、1人で十分、もちろん搬出も1人。
今日はメインの施設訪問コンサートです。
朝6時半にホテルのロビー集合のはずが、誰もいない!
心配になってスタッフの携帯に電話したら、寝ぼけた声で「え!寝てました!!」
危ない危ない。お陰で10分遅刻!

既に施設にはフコク生命の役員の皆様やTVクルーがスタンバイ。
絵的には「無理な搬入経路で汗だくになってやっと搬入!」ってのが良かったけど、今回に限って楽勝(笑)
まあよかったね。

前半は昨晩のプログラムを弾いて、後半は訪問コンサートならではの、聴覚障害の子供たちにはピアノの下に潜って触れて振動を感じてね!のコーナー。
入りきれないくらいの生徒達がピアノの下に潜り込む。

そしてインタヴュー。
「コンサートホールに来れない障害のある子供たちの為の訪問コンサートの企画はよくあるけれど、いつもピアノが酷い状態で諦めて演奏会をやってた。
これじゃいかん、この子達にもピアニストの諦めじゃないほんとの実力の演奏を聴いてもらうには本公演で使ったら同じスタインウェイのフルコンを持って行かなくては!って事からはじめたんですよ」
っていつもの話を力説(笑)
しかしそんな事より、今回はフコク生命の役員の皆様まで東京から来て参加していて、終演後、感動で涙ぐんでる姿をみて、私も感動。
本当に形だけの社会貢献が多い中、このフコク生命のスタッフの皆さんは素晴らしい。
だから10年も続いてるんだね!
さぁ今日は私のライフワークの1つ、フコク生命チャリティーコンサートの本公演です。
まだ昨夜の芸子さんの余韻覚めやらぬ中、早朝に京都から新幹線に乗って岡山経由で米子。3時間以上かかるんだね!
ホールに到着したらわが社のトラックが既にスタンバイ。
今回はテレビのクルーが密着取材しているので、何か恥ずかしい(笑)
ピアノ搬入シーンや調律シーンを撮影。

今日と明日は、中井/武田ご夫妻の2台ピアノ+山本薫さんのVn。
例によって山本さんはミュンヘンから駆けつけてくれました。
いつもながら、この組み合わせはレベルが高い!
2台ピアノなので2ndにはホールのスタインウェイをお借りしました。
既に屋根を外してくれて準備万端で用意して待っていて下さいました、米子のホールスタッフさんありがとう!
ホールのピアノはわが社では「きよし」と呼んでるD型とシリアルナンバーはほとんど一緒で性格もそっくり。
保守点検以外はほとんど地元の楽器店が管理しているみたいだけど、綺麗な調律をしてくれてたので、そのまま使えて楽をさせて頂きました(笑)
これなら保守点検を何で東京から呼ぶ必要があるのかな?
技術的云々ではなく、縄張りなんだよね。
いつまでこんな馬鹿げた事に税金を無駄遣いしてるのか…また腹たってきた(笑)

ハイレベルな2台ピアノのコンサートは盛り上がって終了!
今夜はワシントンホテル泊で、いつもの会食!
秋にいくつか京都でコンサートがあるので、ピアノ搬入経路の下見に来ました。
上賀茂神社ほか、2ヶ所の下見を終えて、夜はお客さんがお茶屋さんに招待してくれました。

私は「お茶屋ってなに?喫茶店?」と勘違いするくらいの素人です(笑)
舞子さんと芸子さんの違いについて質問攻めにして、まるで取材。勉強になりました。

憧れて15歳からこの世界に入って、お母さんと呼ぶ女将の元で共同生活。
先輩はお姉さん。
そして6年間ほとんど無給無休で奉公して、自前さんとして自立して、いわば嘱託になるか、辞めて足を洗うかを選択し、残った人だけが、一生この業界で働けるって凄いプロフェッショナルな世界だね…。
躾の厳しさ、しきたり、先輩後輩の上下関係。
相撲や職人の世界と似てるなぁ…。
でも最近の調律師は少しは見習ったほうが良いね(笑)
いやぁ~良い経験しました。
今夜は京都に泊まり、明日早朝、米子に向かいます。
ピアノのトラックは直接米子に向かってます。
懐かしの茅ヶ崎市民文化会館大ホール。
もう30年近く前に、私が初めてCD録音を経験したホールです。
あのときはテイチクで日本歌曲でした。
あれから何百枚の録音を経験しましたが、その間に録音機材は日進月歩。
演奏家とピアノと調律師だけは変わりません、これはアナログだからね(笑)

今日は長富綾ピアノ、三浦一馬バンドネオン+N響の室内楽。
9時にピアノを搬入していたら、ステマネが飛んできて
「御無沙汰してます!」
あれ?なんと日フィルのステマネ。
今日はいろんな組み合わせ(笑)

調律してたらステージの上にはバンドネオン用にマイクがセットされている。
みんな思い込みで「バンドネオンは小さいから音量も小さい」と思ったのでしょう。
私は何度も経験してるので、バンドネオンの驚くような大音量にPAは不要なのになぁ…と思っていたら、リハーサルが始まってやっぱり皆びっくり!
バンドネオンが鳴り出すと、他の楽器は聴こえない(笑)
やむなくバンドネオンのPAを外して、他の楽器にマイクを立てる羽目に(笑)
でも今日のPAさんなかなかの腕前、自然な音で良かった。
満員のお客さんも満足してくれたでしょう。
さて今日は、メインの訪問コンサートです。
昨日のAOIのままのユニットで静岡聴覚特別支援学校にやって来ました。
体育館に昨日のスタインウェイのフルコンを設置。
これで本公演に来れない障害のある子供たちにも昨日と同じ演奏を聴いてもらえます。

ろう学校の生徒だから聴こえないのでは?と思ったら大間違いで、今は人口内耳があるので、かなり聞こえるようになったそうです。
それでも聞こえない人は楽器の振動を肌で感じ取れるらしいので、生徒達は楽器の下に潜って体験してもらいました。
スタインウェイもさわり放題(笑)

今回からはフコク生命がヴァイオリンも3本用意して生徒達に体験演奏してもらいましたが、みんな初めてなのに音が出せたのでびっくり!
思い込みでなにも体験させないのは勝手な判断。
きっとスタインウェイのフルコンを触ったのは産まれて初めてだったろうからね、この子達の喜ぶ姿を見て心暖まる訪問コンサートでした。
コンサートは昼で終わり、ピアノを積み込んでスタッフは横浜の工場へ、私は一足早く新幹線で東京へ戻ります。
お疲れ様!
今日はお馴染みのフコク生命チャリティーコンサートの本公演です。
朝9時半に渋谷でピアノを積み込み、雨の中、静岡に向かいます。
途中御殿場で事故渋滞8キロに遭遇するも、予定通り13時には静岡のAOIに到着。
このホールは今まで何度も来たことがあるので、どこで昼ご飯を食べるとかも決まっています(笑)

今回のアーティストは竹村浄子(P)/大森潤子(Vn)。
ピアノはもちろん、今年の春、岡崎で竹村さんのレコーディングで使った楽器を持って来ました。
竹村さんはレコーディングの後、渋谷さくらホールでのCD発売記念コンサートでもこの楽器を使っているので、安心して弾いています。
今夜はAOIも満席御礼!
ピアノもヴァイオリンも楽器に不満がないと安心して音楽を聴いていられます。
本来はこうでなくちゃね(笑)
終演後は静岡の寿司屋。ちょっと日本酒呑みすぎた(笑)

今日の調律アップは12時。
この時間だと首都高が渋滞するので、早めに出発。
このコンクールの審査員は日本のトップアーティストが顔揃えているので、選ばれる人は幸せですよ。
ちょうど仕事でヨーロッパに滞在中の友人が「ベルリンフィルを聴いたけど、名前の冠を差し引けば最近の日本のオケも遜色ないですね」と言っていたのですが、私も同感。
ピアニストも最近の日本のレベルは高い。
日本人の欧米人コンプレックスが足を引っ張っているけど、その欧米のクラシックマーケットが狭くなってるから、こうやって出てきた日本の若者の活躍できる場所がどんどん減ってきた事のほうが問題。
「今ショパ」のテーマだね(笑)
もう9月なんですね。でも暑いねー。
今年も始まりました!今日から5日まで市川市文化会館で行われるコンクール。
初日は管楽器。参加者が多いので調律は朝8時30入り10時半アップ。

車で渋谷を7時半に出発するとなんと40分位で到着します、と言っても7時50分に出発すると9時を過ぎてしまうんですね…。
さぁ、今年はどんな新人が発掘されるかな?