あっという間に明日から3月!
今月はスタッフ達が年度末過酷スケジュールの為、アシスタント無しでコンサートやレコーディングをこなさなければならないので、あっという間に終わってしまいました。
出張が少なかったので救われました。
連載の原稿やFBを書いてると、日記がすっかり遅れてしまうので、あっちこっちから「日記更新して下さい!」と言われてます(笑)
そろそろ新年度に向かって頭も切り替わって来たのでエンジンかかって来ましたよぉ!
今日は久しぶりにCD199の調整。


1925年製のこの楽器はCD75や368の弟分、巨匠時代を生き抜いてきた楽器ってあっちこっちが改良されていて試行錯誤の後が現実に見られるから興味深いね。
定期的に開催している松濤美術館のコンサート。
今日のアーティストは、昨日朝日カルチャーで一緒に仕事した長富彩のコンサート。
渋谷区民、渋谷区在勤限定にも関わらず、結構沢山のお客様が来てくれました。

今日は、ヴィンテージスタインウェイのM型を持ってきました。
小型なのに、すごく良く鳴るピアノで、彩ちゃんも伸び伸び。
ピアノが違うとこうも違うかという見本みたいなコンサート。みんなびっくり(笑)
この美術館には搬入用のエレベーターがなくて、人用の小さいエレベーターしかないので、ピアノはM型が限界。
しかも、鍵盤を下に逆立ちして搬入しなくてはならない。
以前、フォルテピアノを入れた時はサブちゃんに手伝ってもらいました。
今回は、昔作った「イナバウワー」という機械の登場!
しかし久しぶりに使ったので、すっかり手順を忘れてた(笑)
スタッフと四人がかりでやっとの思いで搬入。
搬出もみんなでワイワイ大騒ぎ。
まあ無事終わったけど、次回の為に新型逆立て機を作ろうと決意!
とりあえず四人がかりを二人で搬入できるようにしたい。
ゆくゆくは電動でピアノを逆立にして、一人で搬入できるようにしよう。
頭の中には既に設計図完成!
今日の私の担当は渋谷のさくらホール。

今年の6/19、ホロヴィッツDayはこのさくらホールなので、響きのチェックも兼ねて楽しみなコンサートだ。
このホールは慣れてるけど、改めて細かいことをチェックしてみた。
前3列がオーケストラピットの可動式の為、椅子が揺れる(笑)
これはちょっとなぁ…誰かが横を通るとぐらぐら。え!地震?と思うほど揺れる。
まあこれ以外はなかなか良くできたホール。
我社から5分!忘れ物しても取りに帰れる。渋谷区民だし(笑)
今日は合唱のコンサート。これが終わったら、夜は新宿の朝日カルチャーで講演会。

朝からさくらホールや代官山教会の仕事をこなして、夜7時からは新宿の住友三角ビルに移動。
新宿の朝日カルチャーに講演で呼ばれるのも3回目。
今日は前回好評だったので長富彩ちゃんとレクチャー。

今回は彩ちゃんに喋らせようと計画したので、彩ちゃんが私に質問する形式にしました。
彩ちゃんは最近FM横浜で番組を持ったので、前回より喋りがうまくなったね(笑)
しかし質疑応答になったらやはり、質問の全てがSさんの疑惑事件(笑)
鎮魂のソナタ廃盤になってしまったからなぁ…
一生懸命作った力作だったのにねぇ。持ってる皆さん貴重なCDになったねぇ。
今年は講演会が沢山あるので、またこの話題で持ちきりだろうね。
どんどん質問ください(笑)
今日の持ち込みは、社内で「ニューブルグ」と呼んでいる、ニューヨークで手に入れたハンブルグスタインウェイのD型。

「我が社のコンサート部の楽器達は、通常3年で全弦の交換をやるので、まず本番で弦が切れる事はありません」と常日頃言ってるのだけど、その前代未聞の弦切れが起きました!
ちょうど1部終了最後の曲、リゴレット・パラフレーズの終わり頃、袖にいた私の耳に、微かに「コン」と言う異音が…。
袖に戻ってきたピアニストが「すみませ~ん、切っちゃいましたぁ」
ありゃりゃ、すみませんはこっちのセリフ。
休憩時間にさっさと張り替えて、後半に突入。
弦は1本切れ始めると続いて切れる恐れがあるので、頭の中は今夜帰ったら早速始める全弦交換の準備。
会社で記録を調べてもらったら、前回の全弦交換からまだ2年半しか経ってない。
これはこの弦のロットが不良かもしれないので、別の時期に輸入した弦を張る事にしよう。
いろいろ考えているうちに無事本番終了。
今まで5000ステージ以上コンサートやレコーディングをやってきたけど、記憶にある限り本番で切れた事は数回しかない。
それも全てjazz。クラシックのコンサートでは初めて。
気を抜いちゃいけないね~。

会社に戻り早速脱弦!
2日で張り替えないと次の本番が待ってる!
先週に続いて今週末も大雪。

水戸の奏楽堂に行くスタッフに「先週の二の舞になるから、今日は電車で行くように」と勧めたのに、なんと「線路が水没し、電車が途中駅で止まってしまいました。どうしましょう!」と連絡が入りました。
急いでタクシー乗り場まで走れ!と指令を出して、その後無事に奏楽堂に着いたと連絡あり。
コンサートの仕事には這ってでも行かないと、責任があるからね。
交通費は調律代金を越えたけど、そんなことより無事にスタッフが仕事を終えて、コンサートが開けた事が嬉しい。
毎年恒例の年度末殺人スケジュールが始まって、スタッフ達は学校、官庁の調律に飛び回っています。
なにしろ一気に数百台の調律がこの時期に集中するのだから、スケジュール管理が大変。
その間にコンサートやレコーディングが入って来るので、この時期はスタジオのレコーディングも私の担当。
そんな中で時間を見つけていそいそ執筆活動も進んでます。
今年から始まった音友の連載も、もう3月号が出ました!

ローズウッドのスタインウェイがカーネギーホールのステージに戻って来るまでのストーリーも、前半のクライマックスに近づいて来ました(笑)

今から思えば、誰も経験のないことをやるって夢があるけど、その分もちろん壁も多い。
それをひとつずつ乗り越えて、その先にようやく新しい景色が見えてくる。
夢を叶えるって簡単じゃないけど、難しいから面白いし感動も大きい。
調律師という裏方だからできる事が、実はこんなに沢山あるってことを後輩諸君は気が付いて欲しいね!
まさかの天気予報大当たりで東京にも27センチの積雪。

こんな日に代官山教会のオープニングコンサート。
ローズウッドスタインウェイを、この大雪の中、新築の教会に階段上げ!
せっかく来て頂いたお客さんも帰れるのかなあ…と心配。
夜もどんどん雪が積もって「こりゃ搬出は無理」ってわけで、教会の牧師さんが心配して、夜中も暖房を入れてくれる事になったので、搬出は明日の昼過ぎにしました。
やれやれ、大変だったけど、ごぶちゃんはキャタピラーだから、雪の中でもスイスイ。
これ以上の過酷な条件はあまり無いので、まあどんな天候でもこの教会にピアノは搬入出きることが証明されたわけですね(笑)
スタッフ達が徳島や京都のホールのピアノの保守点検に行ってる間に、私は都内でぬくぬくとスタジオの録音に行ったり、まだまだ新年会に出席(笑)
しかしこの福井料理の店には驚いた!
福井出身のピアニストのご招待で南青山の福井料理のお店に。
コースをご馳走してくれるってことで、6000円の福井名品コースを注文!
しかし蟹は出てこない。
んで、蟹を追加注文する?って言われたから、食べる食べる、「メニュー下さい~」ってお願いしたら来たペラペラの紙に書いてある数字を見て凍った(笑)

蟹の一番大きいのは(主)と言うらしく、一匹64000円!
ピアニストの顔もこわばった!
いくらなんでも私は「一番小さいので良いよ…」って、それでも14000円。
申し訳なかったけど、ご馳走様(笑)!
月刊ショパン2月号に続いて、音楽の友2月号にも松濤サロンの紹介記事が載りました。

これは「コンサート・スペースに行こう」のコーナーで、昨年12月6日のサロンコンサートを取材に来て頂いた時の記事です。
月刊ショパンも今回の音友もサロンの特集を組むぐらい、最近クラシック音楽会の主流はサロンに戻りつつあると痛切に思いますね。
まさにクラシックは原点に帰れ…ですね。
私の連載「調律師から見たピアノと音楽」も2回目、もうホロヴィッツのピアノの秘密に入りました。

毎号読み切りにするのですが、実は繋がった話なので、途中から読むより、定期購読しましょう(笑)
これから前半のクライマックスに向けて盛り上がっていきますよ!