今日から3日間、府中の森ウィーンホールで、ピアノソロのレコーデイングです。
このホールは渋谷から近いので宿泊は無し。
朝9時ピアノを搬入して調律は11時アップ。
毎年この時期、東京からみんなで徳島のピアノの先生の家に集まって、懇親会をやるのが恒例。
学校コンサートや発表会のゲストをやってるんだけど、毎年この雑魚寝が楽しい(笑)
今回は私は途中参加だけど、今年も楽しい懇親会でした!
今朝はホールまで送ってもらって調律。

残念ながら今夜の打ち上げには参加できず、夕方の飛行機で私だけ帰京。
朝、ピアニストより「気力でやります!」と連絡あり、やれやれ一安心。
名フィルのメンバーとのリハーサルから始めました。

包帯が痛々しいけど、半袖のブラウスに隠れて見えないから、お客さんは知りません。

満員のお客さんの中、無事終了!良かったね!
ピアノも無事搬出して、トラックは東京に戻ります。
私は新幹線で名古屋~新神戸、そのあとバスに乗り継いで徳島まで。

明日はアスティ徳島で仕事です。
名古屋の日進市にあるこのホールは、住宅街の中に忽然と現れる森の中、弁天池という名前の池の前にある、音楽好きなご夫婦がオーナーの素敵なサロンです。
2年ぶりにここの階段上げやりました。

ところがとんだアクシデント発生!
リハーサル前にピアニストが、オーナーの犬(黒いほうの大型犬)に左腕を噛まれて流血!

傷はかなり深くすぐに病院へ。
ピアノは無事二階に入ったけど、結局リハーサルは中止。

明日は遠い所からいらっしゃるお客さんも多いので、演奏が不可能なら私のレクチヤーになるかもしれないと覚悟してホテルに戻ったけど大丈夫かなぁ…
まぁ梅雨時だから仕方ないけど、今日も雨。
ホールの湿度はどんどん上がって午後になるとピアノの音はモコモコ、朝の状態とは、随分変わる。
直したくてもアーティストは休憩をほとんどとらないので、休まず録音は続く。
今日も楽屋で原稿書いたりしてたけど差し入れが沢山あるので目の毒。

中でも箱入りの、さくらんぼ!大人食い。
とうとう今日もピアノのチェックに入れないのだろうか?と思ってたら、そのうち大雨と雷鳴!
やむなく録音は中断!
その合間にピアノのチェックにステージに行ったけどすごい湿気!

幸いな事に調律はほとんど狂わないので、音はモコモコしてきたけど、このまま行くしかないね。
モニターはもちろん今日もホール内。

珍しいねぇ~、次回は調律の立ち会いも、譜めくりみたいに横にいるしかないね(笑)
押しに押したレコーデイングだったけど、何とか今日で録り終えたようです、お疲れ様!
嵐のような6/1 9の自主企画コンサートの余韻も覚めやらぬまま、翌日名古屋に出発。
帰ってきて今日からレコーデイング。
今回はピアノとヴァイオリン。

このホールは昨年も同じシリーでレコーデイングしました。
なかなか使い勝手が良いけど、何しろ近いので泊まりは無し。
つまり、楽しみのOff the recordは無し(笑)
このレコーデイングは元某大レコード会社の社長だったAさんがプロデューサー。
評論家のUのさんも含めて、最近では珍しい、年上先輩集団で、私なんか若い方(笑)
今回のレコーデイングで驚いたのは、なんと楽屋は単なる楽屋でモニターが客席!
静かで良いけど…ホール内の映像は見えても、音が一切聞こえないので調律に入るタイミングがわからない。
だからといってみんなと一緒にホールに入って聞いてても、残響の中では細かい音色や調律のばらつきは聞こえません。
あきらめて静かな楽屋で音友の連載原稿書き
。気がつけばもう24日で、明日が〆切!
急遽6/19の話題に切り替えて、3000文字を一気に書き上げた!やれば出来るじゃん(笑)
調律は休憩で戻ってくる合間に直しに入りましたが、ほとんど狂いなし!
それよりも雨模様になってきて徐々に上がってくる湿度が心配。
だんだんスプリングが弱くなってきて連打が効かなくなってくる。
しかしアーティストはなかなか戻って来ないから直せない。
とうとうほとんど直し無しで本日修了!
車を、かっとばせば40分ちょっとで渋谷に到着!やれやれ(笑)
毎年恒例、6/19ホロヴィッツピアノ《CD75》誕生日コンサート。
今年は渋谷大和田さくらホールで102歳を祝う事になりました。
しかもホロヴィッツ生誕111年、没25年の年ですから、1887年ローズウッド・スタインウェイも登場、1912年のCD75との共演を企画しました。
タカギクラヴィアだからできる世界初の試みです。
楽器の開発目的は、音色はもちろん音量の増大が必須条件でした。
プロの演奏家は、いくら高級ブランドの楽器でも鳴らない(音量の小さい)楽器は本番で使いません。
従ってピアノ開発の歴史も、音域の拡大が一段落すると音量の増大に重点を置くようになります。
中でもアメリカで創業されたスタインウェイ社は、ヨーロッパではあまり例がない3000人規模の大ホールで演奏する20世紀初頭のアメリカンスタイルにおいて無敵のピアノを開発しました。
もちろん、この《CD75》もその1台!
1887年製ロマン派時代の渋いローズウッドピアノを更にパワーアップして、巨大ホールの巨匠時代に適合する最強マシーンを完成させて、やっとピアノの進化は止まります。
この《CD75》が誕生する100年前は、ベートーヴェンが現役、ショパン、シューマン、リストが産まれた頃です。
世の中はまだフォルテピアノの時代。
この100年間でまるで別物のように目まぐるしい進化を遂げたピアノですが、この《CD75》以降の100年、つまり現代はむしろ後退してしまったと言えます。
それはクラシック音楽の衰退と無関係ではありません。
温故知新、クラシック音楽がもっとも輝いていた100年前のピアノは、こんなにエキサイティングな表現力とパワーを持っていたことを証明するコンサートが始まりました。

前半は江口玲のソロでワーグナーの楽劇「神々の黄昏」から。
その最初の1音から、観客は今日は普通のコンサートではない事を知ったのです。そもそもワーグナーはピアノ曲をほとんど書いていませんし、この曲をピアノで弾くことなど意味を持たないと考えている人が多いでしょう。
それはコンサートホールにある現代のピアノの音が前提となっているのだと思います。
今夜のコンサートはその先入観を根本的に覆しました。
ホール一杯に広がる倍音豊かな乾いた歯切れの良い音は七色に変化し、圧倒的なパワーと芯のあるppppは現在のピアノではあり得ないダイナミックレンジの広さで、目の前にワーグナー楽劇の情景を立体的に描き出してくれたのです。
ほとんどの観客は「ピアノからこんなに色んな音が出るとは!」と驚き、感動する。
それは「ワルキューレ」で最高潮に達し、どよめきと割れんばかりの拍手の中で、前半最後の曲「トリスタンとイゾルデ」に続きます。
実は、トリスタンとイゾルデの「愛の死」は、ホロヴイッツのアルバム「ラストレコーデイング」の最後の曲なのです。
このアルバムをレコーデイング中に、ホロヴィッツは体調が悪くなり4日後に自宅で亡くなりました。
膨大な数の録音を残した20世紀最後の巨匠が残した最後のアルバム最後の曲で、今日のリサイタル前半が終わりました。
私はブラボーと拍手の嵐を背に受けながら袖に戻って来た江口玲を迎えて、この熱狂のコンサートこそ最近のクラシック音楽界が忘れてしまった姿だと思いました。
リスト以降、クラシック音楽のスポンサーとなった聴衆を喜ばせるには、超絶技巧と大音量、エンターテイメント性が必要不可欠です。
なおかつ深い芸術性。
これをうまく使い分けてきたのが巨匠たちなのです。
それは実力があるからできること。
私は今現在、それができるピアニストは、世界中で江口玲以外見たことがありません。
もちろん彼は今日もその大役を果たしてくれました。

そして後半はいよいよ1887年製ローズウッドスタインウェイの登場。
とうとう《CD75》と同じステージに立つ時が来ました。
1stに《CD75》、2ndにローズウッドでの2台ピアノ。
今夜は1stに反田恭平を迎えて江口玲とラフマニノ、ラヴェルを競演。
弱冠19歳で比類なき才能の持ち主である反田恭平は、間違いなく今後、クラシックピアニストとして世界に羽ばたいて行くと私は確信します。
圧巻のラ・ヴァルスの後、反田恭平はアンコール曲モシュコフスキー15の練習曲で観客の心をつかみ、シューマンの「献呈」で客席を唸らせる心憎い演出をやってのけ、彼の実力が並のレベルではないことを覗かせました。
そして圧巻だったのはアンコールの最後をラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏」と「トロイメライ」で締めた江口玲でした。
ボリューム満点の贅沢なフルコースの最後に極上のデザートを頂いたような気分にさせ、今夜のコンサートを見事に起承転結で締めくくってくれました。
ここが世界のコンサートステージを知る江口玲ならでは。
終演後のステージ前には、入れ替わり立ち替わり携帯で写真を撮る大勢の観客が引きも切らず、今夜のコンサートの余韻を持ち帰ろうとしている姿が印象的でした。

今夜は完全主催コンサートなので、ある面白い試みもやって見ました。
それは「カフェ タカギクラヴィア」も出張店オープン!

1886年(リストの亡くなった年)創業の老舗ワイナリーや、パデレフスキーがかつてオーナーだった、パデレフスキーヴィンヤードのワイン等を御披露目!
私はかねてより、各所コンサートホール・ホワイエの不味いワインにはがっかりしてたので、今夜は実験!
ソムリエ協会の会員の皆様も大勢いらしてたので、恥ずかしくないワインをご用意しました。
クラシックとワインは昔から切っても切れない関係。
開演前や休憩時には、大勢のお客様で大にぎわい!
最高の音楽と素晴らしいワインで、今夜のお客様は100年前のカーネギーホールへタイムスリップした特別な夜だったのです。
長かった録音も無事今日が最終日。


梅雨時なのに、偶然雨も降らずに3日間来たけど、今日は一転大雨と雷に見舞われました!
ホール内に響く雨の音、それに雷で録音は中断。
それでもほとんど録音は終わってたので大丈夫!
このホールは大雪の真冬がレコーデイングに向いてるってこの事だったんだね(笑)
確かに雪景色は静かだし、雨も降らないからね(笑)
さぁピアノと機材を搬出して大雨の小出郷を後にしました。
23時頃に渋谷に戻り明日のミーティング!
いよいよ明日は6/19。
タカギクラヴィアの主催イベントですからねぇ。
今回のレコーデイングは比較的長い日程なので、楽屋でモニターしながら、ゆっくり音友の原稿書いてます。
不思議とテレビがついてると原稿は書けないけど、クラシックは鳴ってても大丈夫。
今日も順調にレコーデイングは終わり、夜は居酒屋で日本酒利き酒セット!
今回の宿、普通のビジネスホテルだと思ってたら、朝食にびっくり!
バイキングではなく、「和定食をご用意してあります」と運ばれて来たのは南魚沼産コシヒカリ食べ放題の立派な和定食!

さすがに南魚沼市ですねぇ~。
せっかく炭水化物を抜いてるのに、今回のレコーデイングでは中止。
ご飯頂きまーす!(笑)
さぁ録音開始です。

毎回こだわるF君の要望はなかなか本質をついて面白いです。
今日から18日まで、コロムビアのピアノソロ・レコーデイング。
ここ新潟の小出郷文化ホールは今年、大雪の2月に来ましたが、今回は梅雨の真っ最中。
今日はピアノを搬入して調律、音決めまでやります。

なぜか今年は小出郷ブーム(笑)
ピアニストのF君ともこれで3枚目の録音。楽しみです!
今回の宿は新幹線の駅前のビジネスホテル。
自分では絶対に行けない六本木の和食やさん。
昼一組、夜二組限定と聞いてびっくり!
まずはワインを注文しようと、銘柄を聞いたら
「すみません、日本酒は30種類あるですけど、ワインは一種類だけなんですよぉ~」
とのお返事。
もちろんグラスワインなんか無くてボトル売り。
がっかりしつつも「ちなみになんてワインですか?」と聞いたら出てきたのがリンド!!

カリフォルニアのナパバレーの超高級ワイン。しかもほとんど手に入らない。
びっくりして、これがあるならもう料理は大安心!てなわけで、このワインを呑みながら、出てくる肴が全て絶品!



あるんだね、こういう店(笑)
いやぁ美味しかった!
クラリネット奏者、稲本耕一さんの音楽葬が、いずみホールで行われました。
稲本ファミリーの公演で10年以上お世話になり、たくさんの思い出があります。
今回は、一番最初に響が使用した、ニューヨークスタインウェイF1を持ってきました。



稲本ファミリーの父、耕一さんが亡くなって4ヶ月。
それは最後のレコーデイングをしようと、我々が大阪に向かう前日の事でした。
その日は稲本兄弟が松濤サロンで映画音楽のレコーデイングの真っ最中。
訃報を聞いて、とりあえず渡くんは出番が終わってすぐに大阪に戻り、響は全ての録音が終わった翌朝、実家に戻りました。
私もそうだったけど、この仕事をしていると親の死に目に会えないって本当ですね。
お父さんは録音の前日、病院から一時退院して、録音会場でもある自宅に戻る途中で容態が急変して、そのままご自宅で亡くなられたそうです。
最後までクラリネットを離さず、演奏家として生きた耕一さん。
昨年の12月の大阪リーガロイヤル「聖夜の晩餐」でお仕事したのが最期でしたね。
ご冥福をお祈りします。
京都の近鉄ホテルは駅ナカだから便利!
京都駅から直通で那智勝浦行きの電車に乗って移動!

昼過ぎに到着して、昨日渋谷を出発したトラックと合流。
元コロムビアの名エンジニアの岡田さんの家の調律。
ここのヴィンテージのスタインウェイBは、2011年9月の大水害で完全水没したスタインウェイBの代替楽器として送ったもの。
3/11の大津波で霞んでしまったけど、2011年秋の南紀大水害もかなりの被害だった。
いまだに行方不明の人もいるらしいからねぇ。
この交換したBはヴィンテージだけど、響板も駒、もちろん弦やアクションも新品交換したので、三年経ってやっと落ち着いてきた。
今回は京都→大阪の仕事の合間、うまい具合に中日があったので途中で寄れました。
昨日から来ている先発隊はこの辺の調律を回っています。
調律が終わったスタッフ達と、岡田さんの奥さんの経営する古座川のお店で恒例の晩御飯!
古座川から那智勝浦への帰り道、この辺がどれくらい自然が豊かかというと、ちょっと写真が暗くてボケてるけど、車道の回りは鹿だらけ!

目の前を横切る横切る(笑)
いいとこだね~今夜は私も那智勝浦の温泉ホテル泊まり。
私は始発の新幹線で、とりあえず京都に向かいます。

午前中に、ちょっと頼まれ仕事をこなして、午後は京都にあるバロックザールというなかなか素敵なコンサートホールに、ピアノ搬入の下見。
150人位の、天井の高いよく響く高級なホールでびっくり。
キャパを150人に押さえたのが素晴らしい!

私のテーマ、「クラシックはサロンコンサートに戻り、本当に上手いアーティストの演奏を目の前で聴く」という贅沢なスタイルにぴったりのホールがありました!
これが渋谷にあったらなぁ…(笑)
コンサートの予定は外人アーティストで、東京からピアノを持ち込むんだから、このキャパだとほとんど赤字になってしまうだろうからねぇ。
搬入も大変だけど、何とか協力してあげたいね!


こんな私設ホールを建てるなんて、やっぱり京都は粋だね~。
うらまやしぃ(笑)
今夜は京都に泊まりだ!
昨日に引き続き、フコクの被災地訪問コンサート。
確か昨年も来たなぁ…と思ってピアノを下ろしてたら、生徒達がパンの販売をやってました。
そういえば昨年もこの美味しいパンを買った事を思い出した!
それで今年も大量買い。
黒山の人だかりができるほど大盛況のなか、私もトルコ人の軍楽隊で出演(笑)
いやはや楽しいコンサートでした!
終演後の握手会の後、アーティストのみんなと記念撮影。
もちろん私の写真は外してありますよ(笑)

さぁ、私のライフワークの1つ、フコク生命チャリティーコンサート!
今回は今日明日と2日とも被災地施設訪問。
両校とも何度か呼んで頂いているので、先生も生徒達も楽しみにしてくれています。
今日のろう学校の体育館は補強工事をして、前回よりも開口部が狭くなっているとの事なので、フルコンはやめてB型にしました。
溝を乗り越えての搬入ですから大変ですけど、先生方のご協力で何とか入りました!

今回のアーティストはピアノの竹村さんとソプラノの森さん、テノールの北村さんのトリオ。
リハーサルが終わって、久しぶりに学校給食を頂きました、めったにできない経験!

量が少ないからダイエットになるね~。
本番は今年も大勢集まってくれて大喜び!

学校なので昼間に演奏会をやって、あとはホテルに帰るだけなので、なんと明るいうちに飲み会!(笑)
さぁ明日もスタインウェイ運んで子供達に聴かせるぞ!
今年も半分過ぎましたね~。
6月と言えば6/19の江口玲ピアノコンサート。
今年は渋谷の大和田さくらホールに舞台を移します。
CD75の102歳の誕生日&ホロヴイッツ生誕111年&没25年ですから、CD75に加えていよいよ御大1887年生まれのローズウッド・スタインウェイ伯爵も登場!
江口君のソロが第1部、第2部では、2台ピアノでラフマニノフやラヴェルをやります。
740席もう残り少なくて、端っこの席は若干残ってる見たいですが、必ず売り切れるので、お早めに!
お馴染み江口玲と、共演者に天才的な才能を秘めた若武者、反田恭平。
ホロヴイッツの恋した2台のピアノで繰り広げられる2人のバトルが楽しみですねぇ~!
今日は、打ち合わせも兼ねて、某評論家先生と上野不忍の英太郎寿司。美味なり!
