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ローズウッドでコンサート                        11/2

最近出番の多いローズウッド爺さん。今日もご指名です。

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この仕事を長くやっていると、ピアニストがどのピアノを好むかで、そのピアニストが音楽に何を求めているかが良く分かります。
このロマン派真っ只中の時代に作られたローズウッドは、フォルテピアノと近代ピアノの中間の音色。
現代のピアノとは全く違います。
1887年製のローズウッドからわずか10年後に設計された《CD75》のような3世代目スタインウェイは、明らかにカーネギーホール(1891年オープン)を意識して限界までパワーアップされました。
対して、細かい音楽的表現力はむしろこのローズウッドのほうが複雑です。
《CD75》を大観衆の前でパフォーマンスするリストに例えるならば、ローズウッドはサロンや小ホールで囁くように歌うショパンの如し。

ニューヨークスタインウェイと言ってもローズウッドはヨーロッパスタイルに近い。
それもそのはず、この頃のスタインウェイはエラールを目標に、追い付け追い越せを目指していたからです。
片やエラールは、19世紀中頃までは画期的な性能を持つ最新型ピアノだったから、技術者達はこれが完成したビアノだと思い込み、新興国アメリカのピアノなど相手にもしませんでした。
ヨーロッパの伝統に胡坐をかいて、スタインウェイの猛追に気づかず、既に古い技術になっていた平行弦システムのエラールを20世紀に入っても作り続けていましたが、気が付いた時には「時すでに遅し」で、あっという間にスタインウェイに駆逐されてしまったのだ。
いやはや手前味噌だけど分かりやすくて面白いなぁ…(笑)