北海道から帰って来たばかりなのに、今日は朝6時半出発で金沢へ。
7月にヴィンテージ・スタインウェイB型を納めた金沢のホールに、油圧式台車と超精密デジタル表示強力除湿器を納品です。
先日もらい事故で廃車になった代車の軽ワンボックスに積んで日帰り!
なにしろ台車も除湿器もタカギクラヴィア特製なので受注生産。
油圧式台車はピアノに合わせて製作、コンパクトで簡単にピアノを運べるので大人気!
バカでかい類似品が出てるけど、実はタカギクラヴィアが本家、実用新案取得済です。

この台車を使うとクルクル手で回す例の台車はバカバカしくて使えません(笑)
昨年から発売している超精密強力除湿器もタカギクラヴィア特製!
これは数日前に青森のOさん宅にも納品しましたが、この季節の必需品です!

湿度がデジタルで0.1%単位で表示されるので、いい加減なアナログの湿度計とはもうおさらば!
除湿器のオン/オフも1%単位で設定できるので心強い。
元々はCD75やローズウッドなどヴィンテージスタインウェイの格納庫用に製作したので、わが社でも大活躍しています。
油圧式台車ももう20年以上、6000回を越えるステージでスタインウェイを運ぶのに使っている我がコンサート部の台車を商品化したものなので現場のアイデアが満載!
しかし受注生産なので、今回も納期が遅れてしまって「これじゃ除湿器が夏に間に合わない!」ってわけで、急きょ日帰り納品!
朝6時半に渋谷を出発して14時頃到着、ピアノに装着して帰京。
夜の10時過ぎには渋谷に戻ったけど、今度は北陸新幹線のグランクラスで行きたいなぁ…。
しかしこの金沢のH邸のコンサートホール、うらやましいなぁ…。
松濤サロンがこれくらいあったらなぁ…。
知床の方は、トラックに不安を抱えながらもとりあえず苫小牧まで走ってフェリーには乗れたので、これで大洗まではなんとか帰ってこられる。良かった。
私は昨日飛行機で先に東京に戻り、CD75の調整を済ませて、今日は松濤サロンで反田君のファンクラブイベント。
この1年で随分有名になって、今日のイベントは4回公演!
写真タイムには群がるファンクラブの人達でごった返した(笑)

来年にかけてサントリーホールでのソロコンサートやコンチェルトも何本か決まったので順調な滑り出し、良かったね~。
北海道からのトラックは無事、茨城の大洗港に着いて都内に戻り、大分に向かっているトラック2号はそろそろ神戸港からフェリーに乗る頃だ。
なんだかスケジュールぐちゃぐちゃだね(笑)
昨日は飲み過ぎ!
今日が本番だけど、スタッフに任せて私は東京に飛行機で戻ります。
ホテルからログハウスに向かう途中で気がついた海岸線。
昨夜は真っ暗だったからどこを走ってるのかわからなかったけど、ここはオホーツク!

来ました北の大地。

途中で面白いポスター発見!
中森あきないにピンクデリー!のりピーは本物。

笑うのが田村まさか(笑)

似てる!皆たくましく生きてるねぇ~!みたかったなぁ~(笑)
さてログハウスで調律やって、スタッフに女満別空港まで送ってもらって東京へ!

なんと1時間半位で着くんだね。
あの陸路1400キロの旅はなんだったんだろう。
今ごろ知床では本番中、私は会社に戻って別の仕事。
苫小牧に朝6時到着!

その後は陸路をひた走り知床へ。

途中に松山千春記念館発見!

この辺の出身なんだね。
これから行く知床の大空町は松山千春の歌からとったらしいから、この辺のヒーローなんだね。
この街でとりあえずジンギスカン!

車は相変わらすガラガラ派手な音を出すけど、だましだまし走ってなんとか15時には現場のログハウスに到着!
現地集合で地元の運送屋さんにピアノの搬入は委託。

このログハウスにぴったりだね!

このピアノ?なんと100年前のベーゼンドルファー(笑)
8月末にもなると北海道知床は寒い‼
今回はピアニストの依頼で、大阪からベーゼンを引き取ってきて渋谷でオーバーホール後、知床の企業の別荘ログハウスに搬入してお披露目コンサート。
今後定期的にコンサートをやるための実験もかねてらしい。
久しぶりにムービングピアノも持ってきて、外で演奏会。

しかしあまりに寒くて、室内に移動(笑)
この別荘には24時間かけ長しの天然炭酸温泉がある!

結局人数が多いので、ここには泊まれず、網走の東横インへ。
打ち上げは北海道づくし!

明日は本番です。
今回は北海道知床に行って、帰りに青森に寄り、東京に戻ってきたらピアノを入れ換えて、そのまま大分という苛酷なスケジュールの予定でしたが、大洗~苫小牧行きのフェリーが炎上して使えなくなったので、やむなく陸路を、長い間修理に出していた新アーバントランスボータ1.5トン車で行くことにしました!
ところが宇都宮を過ぎた辺りでエンジンから異音!
直したばかりのボルトが見事に折れて飛んでる!

さらに20キロ程で残りの1本も飛んだ。
あとは溶接した箇所でのみで耐えているので、どこでエンジンが停まるかもわからないけど、仕方ない行くしかない!
そして陸路青森へ!
青森では年明けに納入したヴィンテージスタインウェイB型の調律。

綺麗な木目のB型は今年の猛暑の夏を乗りきり、笑ってしまうくらい狂ってたけど、これはなじんできた証拠!
調律を二回やってピッチを上げて、各部調製を施したら、抜群に落ち着きを取り戻しました。
良い感じでなじんでいます。楽器を育てていくのは楽しい。
量産されたピアノを買ってきてただ弾いてるだけじゃ、なんだか暖かみを感じない。
まるで我が子のように成長して行くヴィンテージスタインウェイと一緒に暮らせるって幸せな事ですねぇ。
置場所が一階で道路沿いなので、気になっていた除湿器をわが社の特製ピアノ用精密自動除湿器に交換していただきました、

湿度が50.2%と10分の1単位で表示できます。
みるみる湿度が上下する様子が手に取るようにわかる優れもの!これで湿度管理は大丈夫!
オーナーのOさんとお別れして、すぐ近くのフェリー乗り場へ到着。

夜10時に出港して朝には苫小牧。
車はだましだまし走ってともかく北海道に上陸できる!
先週の某作曲家さんの収録に引き続き、今日はフルコン3台の出演。
CD75と他2台。
まぁCD75は他のピアニストは弾けないので、別のピアニスト用にもう1台。
更にピッチ441のピアノも持ってきて欲しいとなって、早朝から六本木のテレビ朝日にフルコン3台をピストン輸送!
それぞれのピアノが到着するまでの間に順番に調律。
収録の合間にはピアノを入れ換えたり元に戻したり、大忙し。

テレビの収録はタイムスケジュールがタイトなのでモタモタしていられません。
収録の合間にスタジオにスタッフを残して、私は渋谷のサロンへ。
今日から始まった『松濤サロンオーブン10周年記念コンサートシリーズ』の1回目は、なんとピアノではなくギターの村治奏一さん。

急いで戻ってきたけど、考えてみたら今日は調律なし(笑) なんとも楽ですね。
朝から3台も調律してきたので、できればやりたくない(笑)
挨拶だけしてまたテレビ朝日に戻る。
無事収録が終わって、今度は撤収!
都内のスタジオは忙しく、次のセッ建て込み予定が入ってるから、さっさと片付けないといけません。
またまた渋谷までピストン輸送。
3ヶ月に1度、友人の病院で健診を受けているので、早朝に渋谷を出て高速で上尾に向かいました。
C2から池袋線で高島平を抜けてスイスイ走ってたら突然大渋滞!
いつもの美女木の外環合流渋滞かと思いきや、全く動かない。
ようやく少し動き出しては止まり、また動いては止まりを繰り返しながら進んで行くと、現場が見えて来た!原因は事故。
辛うじて一車線はなんとか通れるようになったらしく、私も事故車を避けて合流。
軽のワンボックス車が無惨にでんぐり返し。

まだ事故が発生したばかりの現場で、警察も救急も来ていない。
『あ~ぁ、かわいそうに…。』とすり抜けようとして、その事故車を見て愕然!
ドアにピアノのロゴとTAKAGIKLAVIERの文字!
こりゃ悪夢だ。
早朝出発の眠気はぶっ飛び、まず脳裏をかすめたのは
『誰が運転していたのか』 『怪我はないのか?』 『こっちが加害者ではないのか?』
路側帯のない二車線なので、停まろうにも停まれない。
後ろからはビービークラクション。
するとわが社のスタッフN君が外で立って誰かと話してる。どうやら無事そうだ。
私は仕方なく車を進めながらあっちこっちに電話。
ようやく乗っていたのはスタッフN君一人と判明、怪我も無さそうだ。
あとは事後処理。続々と状況の連絡が入ってくる。
当方の車は前方の渋滞を発見してハザードを出して停車。
しばらくして居眠り運転の乗用車がほとんどノーブレーキで突っ込んで来て横転したとの事。
過失割合は当然こちらが0%、相手が100%。
ほとんど新車のワンボックスが廃車になったけど、そんな事より相手も含めて皆怪我もなくて良かった~。
わが社の事故現場に偶然通りかかるなんて、奇跡のような確率!
どうせ当たるなら車じゃなくて宝くじに当たりたいよー。
8月はオーバーホールが重なってスタッフは手が空かないので、今日の『徹子の部屋』の収録は私が担当。
最近はほとんどスタッフに任せっきりなので、私が行くのは久しぶり。
今月から研究生として入った新人O君を連れてピアノはB型。
今日のゲストは、今や有名人となったあの人。
この番組の収録待ち時間にはいつも行く寿司屋でランチ。
新人君はテレビの収録現場は初めてだったので、スタジオ内を慌ただしく動き回る大勢のスタッフさん達に驚いてだけど、そんな中でピアノを搬入してさっさと調律を済ませ、リハーサル、そして本番収録までトラブルがないように仕事をこなして当たり前、という世界を学んで欲しい。
調律学校を出たばかりの若者や一般家庭の調律しかしてない調律師は、とかく理論ばかりに走り、自己満足に陥る人を多く見てきました。
一般家庭の仕事では、理論優先で優越感に浸っていようが構わないけど、コンサートやレコーディングの現場は調律なんて良くて当たり前。
なるべく早く確実に仕事をこなすのがプロ。
時間がかかって『丁寧にやっていただきました』なんて言われるのはプロフェッショナルの現場ではあり得ない。
時間がかかる、それはすなわち腕が悪い、要領が悪いってこと。
いくつもの修羅場をこなすと調律師の仕事は「決して他に迷惑をかけないで、目立たずがベスト」だとわかってくるんです。
究極の裏方ですから。
カフェはお盆休みを設定できるけど、コンサート業界にお盆休みはないので、スタッフ達は今年も平常勤務。
私はスケジュールの合間をみながら、猛暑の中、工場で溶接作業。
プラズマカッターが古くなってきたため、プラズマが鉄板を貫通せず炎が逆噴射してあっという間に右指2本火傷!
見事に巨大な水膨れができた。
どんどん膨らんでくるので、仕方なく病院に行って水を抜いてもらった。

やれやれ右手が不自由だと調律もやりにくいし、箸も持てない。
工場作業に怪我はつきものだけど、それを恐がってたら先に進めないから、新しいプラズマカッターを購入。
これで効率が良くなるだろうから、また製作活動に意欲を燃やす。
ところで先日、ごぶちゃん(運搬車)にトラブルが発生しました。キャタピラに亀裂が!

先日ピアノを運んでいるときに、ラッシングベルトが外れてキャタピラに巻き込まれ、ピアノの屋根が欠ける事故が起きましたが、その際、ラッシングベルトのフックがキャタピラに刺さった傷がどんどん進み、ついに残り半分、完全に切断するのも時間の問題となっていました。
ゴムのキャタピラ(クローラ)には、内部に鉄のワイヤーが入っているので、そう簡単には切れないんだけど、やはりその時の傷口は内部のワイヤーまでダメージを与えてたみたい。
仕方なく新品のキャタピラを注文して交換。

新しい靴を与えられたゴブちゃんは快適に走り回っています!
やれやれこれが地方のツアーの途中でなくて良かった!
今日のサロンはプーレさん77歳の喜寿を祝う誕生会。
当初はカフェでやるつもりだったけど、参加人数が60人近くになってしまったので、急遽サロンでやることになりました。

お弟子さんたちの演奏とプーレのソロで締めくくって盛大に喜寿のお祝いとなりました。
プーレさんとは8年位前にフランス三大ソナタやチャイコフスキー等のCDを作りました。
もう喜寿になったけどますます元気!
今夜はこの誕生会の前に私の担当している番組FM横浜の『ピアノワイナリー』にもゲスト出演してもらいました。
放送日は8月22日で、なんとドビュッシーの誕生日と同じ!
なにかと縁がありますねぇ。
猛暑だけどスタジオの仕事は楽チン。

今日、スタッフ達は朝5時集合でフジテレビにB型搬入。
朝の情報番組の生放送です。
本番は10時頃だけど、番組開始前に技術打ち合わせやカメリハがあり、さらにその前に調律もしなくてはならないので、6時に搬入。午前中、銀座のスタジオでレコーディング中にメールがどんどん入って来るので、何かと思いきや『テレビ見ました!』のメール。
あっちも無事に終わったみたい。
私はこのスタジオの後にサロンに戻って今夜のコンサートの為にCD75を調律します。
怒濤の1週間が過ぎて、気がつけば8月もすでに8日。
冷夏の予報は見事に外れ、観測史上初の記録的猛暑。
こんなに180度予報が外れるんだから火山や地震も予測は無理だね。
今日は毎年恒例の市川市芳澤ガーデンギャラリー サマージャズコンサート。
今年は国府弘子さんにお願いしました。
この市川でも人気者の国府さんは今回で3回目の出演。
ピアノはニューブルグを持ってきました。

満員御礼の中、ニューアルバム『ピアノ一丁』の曲を中心にトークを交えて、さすがベテランのステージでお客さん大満足の二時間でしたね。
ピアノを搬出して帰りの首都高錦糸町付近で夕陽とスカイツリーを写メ。

こらこら、運転しながら写真撮るのはいけませんねぇ(笑)

朝日カルチャーの講座は、何度か西新宿の住友ビル内のセンターでやりました。
ただ、教室にある小さいピアノではなかなかピアノのことを語りきれず、ビデオや写真を使って説明をしていたのですが、今回は松濤サロンで実物のヴィンテージスタインウエイを前にしてやってみました。
百聞は一聴(?)にしかず、ですからね。
しかも1912年のCD75と1887年のローズウツド、その奥には1984年のハンブルグと、スタインウェイが3台!
タカギクラヴィアでなければできない企画ということで、大勢のお客さまにいらして頂きました。

私の話だけではなんなので、ピアニストの竹村浄子さんにゲスト出演お願いしました。
奥に置いてあった1984年のスタインウェイは、浄子さんのCD「ウィーンの夜会」を録音した楽器でもあります。
実はヴィンテージを弾くのは初めてなので、かなり身構えてたらしいけど、びっくりするほど弾きやすくて驚いたとのこと。
特にローズウツドの響きには、いたく感動していました。
ショパン、シューマンが長生きしてたら77歳の頃の楽器だから、ばっちりロマン派の時代のピアノだからねぇ。
講座は淡々と進み、ピアノを比較する演奏で聴衆の皆さんもびっくり。
昨今のピアノが失った物を教えてくれる貴重な体験をしていただいたのでした。
ロマン派の時代とは音楽の形体もスポンサーも全て変わってしまったので、現代のキーボード化してしまったピアノを完全否定するわけではないけど、クラシック音楽を語るのであれば、ピアニストも調律師もメーカーも、この時代のピアノを知るべきだと思う。
そうすればフォルテピアノから突然現代のピアノになった訳ではないことがよくわかるだろう。
改良に改良を重ねてきたピアノだが、このローズウッドスタインウェイとCD75で頂点を極め完成形となり、そのあと100年は全く変わってない。
つまり音楽家がピアノに対して不満があったからこそ改良を続け、遂にピアノに不満を漏らす音楽家が居なくなったからこの形がスタンダードになったということ。
その後のピアノメーカーはマイナーチェンジを繰り返しても、この時代のピアノがあまりにも完成されていたために、いじくればいじくるほど、徐々に真逆な方向に向かってしまったように私は思う。
それが正しいかどうかはこのピアノたちを聴けばすぐにわかります、といった話で本日の講座は終わり。
お疲れ様。