3人がかりで毎夜貫徹したヴィンテージスタインウェイの修復も今日の朝9時に引き渡し!

やれやれ皆さんご苦労様。
昨日は近所の万葉の湯で仮打ち上げ。

食べる事しか楽しみが無いので、今回は出張太り(笑)
無事引き渡しが終わり、ホテルもチェックアウトして、1人は車で東京へ。

我々は新幹線でトラックを留め置きしてもらっている福山へ向かいます。
今日はともかく体調を戻すためにひたすら起きてましょう。
毎日昼夜逆転の仕事続行中。


12時間逆なので、まるでニューヨークで仕事しているのと同じ。
朝9時までにピアノを何事もなかったかの如く元の形に戻して、養生も外して仕事を終える。
中身はないけど、とりあえず外観は元通り。
これでも前回は外したフレームまで元に納めてたから、それがないだけでも楽なほう。外に出て朝日が眩しい(笑)
これから食べるのは果たして朝ごはんか晩御飯かわからなくなるけど、朝はどこもお店が開いてない~。
仕方なくホテルの不味いバイキング食べて、寝るか。
さて、スケジュールをやりくりして、今日から名古屋~南知多~神戸~福山~長崎まで10日間のスケジュールを組んで出発。
西日本大雪の情報なので、デュトロのタイヤも新品のスタッドレスに交換、フルコンを積んで準備万端!


名古屋までは私が1人で運転。
今夜は笠寺のワシントンプラザに泊まります。
ここは大きいトラックが泊められて、スーパー銭湯付き!
今日の持ち込みはオペラシティ リサイタルホール。

プログラムはオール・ベートーヴェン。
ここのところめっきり成長した長富 彩ちゃんのリサイタル。

タカギクラヴィアが主催なので、責任重大だけど満席で良かった。
それにしても彼女の成長は著しい。
私は同世代の女性ピアニストではトップクラスの実力と常日頃言ってるので、今日の一段と成長したステージは嬉しい。
30歳になったばかりだけど、人生後半が良くなっていくほうが楽しいし、それには今が大事です。
3年に渡って書き続けた連載「調律師から見たピアノと音楽」もいよいよ最終章。
連載はエッセイと違って、1つの話題に絞って書き続けるので、長くて2年位のものだけど、いつのまにか3年。
まだまだ話は尽きないけど、次が40回になるので、切りの良いところで完結させました。
この連載は私が1989年~1995年頃までに経験した、ニューヨークのスタインウェイ本社での出来事から始まったのですが、今から思えば王道のクラシックが終焉を迎えようとした時代だった気がします。
その頃の日本はバブルに浮かれ、クラシック音楽は貴族の芸術、教養の無い奴等にはわかるまいとばかりに、学歴やコンクール歴で煙を巻く典型的な権威主義が蔓延していました。
しかし、それは本物を見分ける能力の無い人達の証でしかありません。
事実私がニューヨークで見たものは、古典派~ロマン派と引き継いできた正しいクラシック音楽の歴史。
それと比較すると、日本のクラシックは急にお金持ちになった成金田舎者の知ったかぶりともいえるものでした。
その辺に初めてメスを入れたのが、洋泉社から出版した「スタインウェイ戦争」です。
まぁ、日本の調律師達はメーカーの社員か嘱託なので、利害が絡んで怖くて何も言えず、クラシック業界がこの先どうなろうと、それよりは我が身の保身が大事。
コンサートホールは独占されているので、会費をはらって技術研修ばかりやっても発揮する場所もありません。
まずは競争の原理が働くように既得権益社と戦わないと道は開きません。
羊が百匹集まってメェ~メェ~言うよりライオン一頭吠えるほうがよっぽど効果があります。
しかし、笛吹けど踊らずだった調律師達。
諦めて、次の世代の調律師達に送ったメッセージがこの連載のテーマでした。
連載に使う写真を探して引っ張りだしてみたら、懐かしいお宝が数々出てきました。
20年以上前の話なので、写真はほとんどピアノしか撮ってない!
この頃は携帯も無いし、カメラは現像しないと撮れてるかどうかわからないし、1枚100円位したから、おいそれとは撮れなかった。
しかし、出始めのヴィデオカメラは時折回してたので、それを写メしてみました。

この写真も若いね!
フランツ・モアがホロヴィッツピアノの整音をしているところを記録中です。
気がつけばこの時のフランツ・モアと同じ歳になってしまいました。
いろいろあったなぁ…(笑)
今回はソロのCD75だけでなく、オケ中にホールのハンブルグとホンキートンクに調律したアップライトとチェレスタが3台並んでいて、合計で鍵盤楽器が4台!さすがバーンスタイン(笑)

フルオーケストラにCD75はダントツのパワーで対抗する。バーンスタインにはぴったり。

今日もリハーサルなので、途中でちょっと抜け出して免許の書き換え!

ゴールドなのですぐに終わるはずなんだけど、二種免許なので、深視力検査が面倒。
いつもこれで引っかかる~。
今回も再検査でかろうじて合格。「目疲れてますか?」と言うので「今日は明け番なんですよー」でごまかす。
21歳の時にやってたタクシーのバイトの時にとった免許だから。
まぁいつか失業したら、またタクシードライバーができる!(笑)
今日から4日間、CD75はすみだリフォーニーに貸し出しです。
朝、昨日から始まったレコーディングの調律をやってからトリフォーニーにピアノを搬入。
ここはサントリーホールのようにセリでステージ中央に上げるので、新人スタッフも驚いていました。
まぁピアノと一緒にセリでステージ上がる経験はなかなかできないからね(笑)

今日、明日はリハーサルなので、調律をやってリハーサルを見たら帰社。
修理前半戦は今日まで。
サウンドボードの修復が終わり、フレーム装着。

この5日間で8回ほど脱着を繰り返し、やっと今日はボルトを規定トルクで締めて、ピンを立てて終了。
私は始発の新幹線でお先に東京に戻ります。

サロンでは今日から3日間、毎年恒例のピティナのレコーディングです。
夜8時からはFM横浜のピアノワイナリーの収録。
今夜のゲストは春畑セロリさんと、ピアニスト作曲家の内藤晃君!
眠たいね~
昼夜逆転状態で仕事をするので、普通の晩御飯が朝御飯、夜中の1時頃に食べるのが昼御飯、朝食べるのが晩御飯。
時々、今は何ご飯を食べているのかわからなくなるので、ともかく良いものを食べないと体力が持たない。


今日は仕事前にメリケンパークのモザイクで神戸牛を食べて21時から仕事開始。

フレームを上げたり下ろしたりを1日2回やるので神経を使います。
新神戸6時9分発の始発に乗ると東京駅に9時頃に着くし、終点までだからぐっすり二時間半寝られる。

スタッフがローズウッドを搬入終わった頃、タクシーでJTホールに到着!


調律をしてリハーサルを聴いて本番が始まったのを見届けたら私はスタッフと交代。
また新幹線に飛び乗って、二時間半寝て新神戸に7時半頃到着。

これで夜9時からの仕事に間に合った!
新幹線をホテル代わりに使うと1日に2つの仕事がこなせることを再確認!(笑)
さぁ朝までまた仕事!
フレームを下ろしたヴィンテージ・スタインウェイのサウンドボード補修開始。

バス駒がフレームに接触していたので、駒を研磨。

朝にはフレームを元に戻して、何事もなかったかのように後片付け。
徹夜で仕事して、明日の朝は私だけ始発で東京に戻ります。
年末から始まった仕事がいよいよ佳境に。
かなり複雑な修理なので、スタッフを集めやすいこの時期にやることにしました。
来月に入ると、年度末の仕事が集中してくるので、スタッフ全員泊まり込みで作業は難しいですからねぇ。
年末に測定と、解体を終えて修理プログラムを作成し、今日からフレーム脱着、響板補修開始。

夜9時から朝8時までの昼夜逆転なので、まるでニューヨークに行って仕事してるみたい(笑)
穏やかな陽気で年が明けました。
カウントダウンが終わって、スタッフ達は三々五々帰って行きました。
私は昨日飲んだくれて寝てしまって、まぁ結果的に休みを取りました~。
しかし今日からは工場へ。
一人で久しぶりに工場に籠ると、何年も放置したやりかけの工作がたまっているので、仕事の合間に工作!
今年の正月の天気の良さと暖かさは珍しいので、外作業日和です。
今日は軽トラにパワーゲートを改造して取り付けました。
何年か前にヤフオクで落札した車椅子用のパワーゲートを溶接せずに軽トラに取り付けるアイディアですが、これで重いピアノ運搬用の油圧台車(100キロ)を一人で乗せられるようになる!

溶接してしまえば簡単だけど、車検証の重量と変わって変更届けを出さなきゃならないのは面倒臭いので、ボルトオン!
これが厄介。
でも夕方には取り付け完了!

300キロまで上がるパワーゲートは快適!
またわが社の機動力増えました!