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ヴィンテージスタインウェイ オーバーホール   2/20

今回は1893年のヴィンテージスタインウェイ。

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昨年からやっているピアノと1年しか違わないので、中身はほとんど一緒。
このピアノも百年の間にあり得ない修理が施され、ピアニスト泣かせの弾きにくいピアノに成り果てた楽器。
やむなくディーラーに相談したら、案の上「これはもう直りません、ピンも緩くなっていて直しても無駄」つまり買い換えろと。
そんな話を事前に聞いてたので、私も厄介なピアノかと思って見たら、15年前にニューヨークで買って持ち帰って来た楽器とのこと。
良く見ると響板は張り替えてある、と言うことは必ずピン板も交換してあるはずと確認したら、案の上ちゃんと新しいピン板だった。
つまり、どこかの営業マンか調律師が、直すことができない or 面倒臭いからという理由で、この貴重な楽器に死亡宣告した事になる。
そりゃ新品に交換してもらえば売る方は楽チンで儲かるだろうけど、聞けばこの楽器、この会社の創立した年と同じ年に製作された奇跡の楽器。
こういった思い入れのあるヴィンテージ・スタインウェイを今のキーボードのような新品ピアノと交換されてしまうのは文化遺産の喪失。しかもアートケースだし。
そんなわけで、早速我々の出番。今日から作業開始!


重なる重なる

今日の仕事は4ヶ所を綱渡り!
まず朝9時にNHKのスタジオにピアノを搬入して調律。
ここではある番組の劇伴の収録。

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そのあとくにたち芸術小劇場に走って、昨日の続きの調律。
昨日弦が切れたので、張り替えた弦の調律は必須。

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リハーサルを確認して、都立大学に走り、目黒パーシモンの小ホールに合唱のコンサート。
別便で今朝ピアノを搬入していたので、それの調律。

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本番始まる直前に横浜の長浜ホールに走って、もう30年続いてる友人の音楽教室の発表会に滑り込んで、そのまま打ち上げ。

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全ての会場に何とか顔だす事が出来て、本日はおしまい(笑)


代官山教会とくにたち芸術小劇場

今日の持ち込みは代官山教会にローズウッド。

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こロンドン在住の若手、新進気鋭のチェリストのコンサート。
ピアノを搬入して、調律。聴きたかったけど、今日は国立で次の仕事があるので、国立に移動。


くにたち芸術小劇場、初めて行きました。

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多目的の小ホールで椅子は可動式で一階にあるので録音にも使えそう。
ピアノは普通のスタインウェイだけど、調律してたらバーンと高音の弦が切れた。
これだからホールのピアノは嫌だね。
本番前に弦が切れるのは最悪。
コンサートホールって予算の関係で、調律はやってもオーバーホールはトラブルが出てからじゃないとやらない。
ホールの担当者の人が申し訳なさそうに、「請求して下さい…」って言うけど、「まぁ、そろそろオーバーホールの時期ですよ!」っとアドバイスして終わり。
本番は明日なので、また直前に張った弦の調律に来なきゃ。


都内でレコーディング          2/16

またまた劇伴のレコーディング。

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今日は都内のレコーディングスタジオ。
ピアニストで作曲家でここ数年メキメキと売り出し中のあの人(笑)の作品。
録音スタジオのピアノはどこも酷いけど、ここはまあまあだね。

神戸の仕事もそろそろ終わり           2/13

昨年末から通っていた1884年製ヴィンテージスタインウェイのオーバーホールも大作業が終わって、いよいよ仕上げの段階。

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見事に甦ってまた21世紀を生き抜いて行くでしょう。
巷のヴィンテージスタインウェイは、この時代のオリジナルを知らず、見た目が綺麗なだけでタッチも音色も全く違うスタインウェイになってしまった個体がほとんど。
これでは次世代の技術者達が頭を抱えるに違いない。
ともかく長年に渡って修理の度に変えられていたオリジナリティを元に戻す作業に専念。
ようやく「これがこのピアノの本来の音とタッチ」といえる状態に戻って来た。
神戸のMOSAICからポートアイランドでちょっと休憩。

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さいたま芸術劇場本番             2/11

リハーサルから3日間このホールにお泊まりしていたローズウッド君の本番。

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今回のような難しい曲はまぁ眠くなるか、我慢して聞いてるうちに終わってしまうのが常だけど、全く退屈せずにどんどん曲の魅力に引き込まれていくのだから、世界レヴェルの演奏家達は面白い。

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まぁそんな余裕のある人達だから、今のピアノでは飽き足りず、ローズウッドを選んで音楽的にもっと高度な表現を求めたのだと用意に理解できる。
世界レヴェルのクラシックは奥が深い。


さいたま芸術劇場

11日の本番のために、今日からローズウッドは彩の国さいたま芸術劇場にお泊まりです。
御歳130歳を迎えたローズウッド爺さんなのに、今年は外泊が多い(笑)

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今回はミヨー、ハチャトゥリアン、ストラヴィンスキーら20世紀初頭の作曲家によるピアノトリオの作品なので、クラリネットのピッチが低く、当初「438で」と依頼されましたが、なんとか440で大丈夫そうだとなりました。
元々ローズウッドは440だから、低めはお手のもの。

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さぁリハーサルが始まると、アーティスト達がホールの新しいスタインウェイも引っ張り出して、比較してみようと言い出した。
まぁ面白い試みでしたが、ホールの人達もワザワザそれに付き合わされて…ご苦労様でした(笑)
さて、本番が楽しみ!



ヴィンテージスタインウェイ オーバーホール2日目  2/7

昨日各部の測定を終え、脱弦をして、アグラフの交換。張弦の準備。

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アクションを持ち帰り、今日からは1893年製B型のオーバーホール。
このピアノもある業者から「これはもう古いからダメですよー。調律のピンもユルユルでちゃんと止まらなくなってるから、直りません、買い換えてください」と言われたとのこと。
最近あっちこっちで聞く「もうピンもユルユルだから買い換えたほうが良いですよ」と言うセリフ。
これが調律師の言葉だから驚く。
販売店の社員や嘱託って、面倒くさい修理やるなら買い換えさせたほうが自分も楽だし、店にもいい顔できるからね。
こんな調律師は他の調律師の悪口言うからすぐわかる。

今回のピアノ、そんな経緯があるとは露知らずに見に行ったら、なんと15年位前にニューヨークから運んで来た1893年製のヴィンテージで、ちゃんと響板も交換されているのを確認!
ならば必ずピン板もセットで交換されているはずだから、ピンもユルユルで…なんて話はピアノを見もしないで言ったとすぐわかる。または、見てもわからなかったと言うほうが正解かな。
新しいスタインウェイとはまるで違うから自信がなかったんでしょう。
昨今のスタインウェイなら、部品を交換して、普通に調整すればおしまい。
たいして頭を使わなくてもできるけど、ヴィンテージのほとんどはオリジナルから何度も修理を重ねられて、元の基準から大きくずれてる事のほうが多い。
したがって、ヴィンテージスタインウェイのモデルチェンジの流れを知らないと、まず無理。
「ドツボに嵌まってさぁー大変」となる。
運良く「ドジョウが出て来てこんにちは!」になれば良いけど、ほとんどは「坊っちゃん一緒に悩みましょ!」で、弾きにくい弾きにくいと諦めてるスタインウェイがほとんど。

今回は既にベリーワークは終わってるので、わが社のロースウッド君並みにはよみがえるはず。楽しい仕事だね~。
しかもこの1893年はオーナー会社の創業年だと言うではないですか!それならもう直すしかない。
そんなわけで毎日通ってます。
会社なので、17時に終了で神戸の仕事よりは楽だしね。

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夜はFM横浜の収録をサロンでやりましたー。



ヴィンテージスタインウェイ           2/6

タカギクラヴィアにおけるヴィンテージ・スタインウェイのオーバーホール、その経験値と専門知識、技術力はアンパラレル。
絶対的な自信があります。

今日から始まったのは1893年製ニューヨークスタインウェイB型。

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昨年末からとりかかっているアートケースのC型と1年しか違わないので、ほぼ中身は同じ。
例によってニューヨークスタインウェイの長年の設計変更部分を、知識の乏しい技術者がいじくり回してオリジナル状態から遠くかけ離れた音とタッチ。
ここに来るピアニスト達があまりの弾きにくさに音をあげるほど、本当に弾きにくい(笑)
さぁ、今日からはタカギクラヴィアの腕の見せ所。

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1ヶ月後には見違えるように命を吹き込まれて19世紀ロマン派の音とタッチを取り戻してくれるに違いない。


コピスみよし                2/5

レコーディングではいつもお世話になっているこのホール。

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今日はホール主催で長富彩ちゃんの公開レッスン付きソロコンサート。
なので、ホールのピアノ調律だけに来ました。

先日の長崎公演で彩ちゃんに教えてもらった顔交換アプリ「SNOW」にはまって、客席でリハーサルを聞きながら1人で夢中になって顔交換して笑って…気がついたらステージマネージャーが何だこの人?って顔してこっちを見てた(恥)

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そそくさと楽屋に戻り、私は次の現場のつくばに逃げるように向かったのでした(笑)


サントリーホール 2/4

今日はサントリーホールで《CD75》の出番。

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山本祐ノ介さん指揮、ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラと、江口君によるガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」。
アンコールでは《CD75》初オケ中ピアノもやるので、調律は雛壇で開始。
隣でハープの女の子も調律始めたので、「困ったもんだ…」と思いつつ、おじさんは我慢して調律を続けてたら、いきなりバーンという音とともに、ハープの太いガット弦が切れた!

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「かわいそうに~」って見に行ったら、1本8千円なりの弦らしい。可哀想にねぇ。ハープの弦が切れるの始めて見ました。
明日は我が身だからね!幸いこちらはピアノの弦も切れず、無事に終了。


フコク生命チャリティーコンサート in 長崎        2/3

昨日の本公演で使用したピアノを今日は長崎県立長崎特別支援学校に搬入。

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3tトラックにフルコン2台は入らないので、もう1台はM型。
しかしこのニューヨークスタインウェイのヴィンテージMは侮れない。
とても良く鳴るので、フルコンにひけを取らないのです。
昨日、東京から飛行機で駆けつけてくれたスタッフGさん。若いけど搬入搬出ベテランのスタッフです。
私はお先に飛行機で帰り、もう一人のスタッフは搬出してからアーティスト達と同じ飛行機で帰り、Gさんは一人でトラックを運転して長崎から東京に戻ります。

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私は羽田から渋谷に戻り、夜8時から代官山で明日のコンサートの調律!

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10日ぶりに戻って来た、東京!



福山から長崎へ                2/2

昨日は福山で仕事をして、長崎に移動。途中の宮島で休憩。

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しかし福山から長崎って東京~大阪位あるんだねぇ~遠いねぇ。

今日と明日は私のライフワーク、フコク生命チャリティーコンサート。
今回は、長崎!
あまり平野のない長崎はともかく運転が難しい。
路面電車は来るし、道はまっすぐじゃないし、慣れないと危険!

今日のホールは以前来たことあるらしいけど、私は初めて。

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今回は竹村&長富の2台ピアノなので、1台はホールのスタインウェイを借りたら、なんと製造番号がほぼ同じ!

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まぁほとんど同時期に工場に並んでたはずだから、ピアノ同士がハンブルグ以来の再会!
こんなこともあるんだねぇ…。
仲良しDuoは元気いっぱいでした!

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