レコーディング・スタジオのピアノ保守点検   4/2

やっと日記が追い付いてきた(笑)
毎月原稿の締め切りがある仕事をやっていると日記を書くのが遅くなり、ずいぶんたまってしまったけど、連載が1つ終わって時間の余裕ができたので、レコーディング中にまとめてアップ。
スマホだとあまり過去の日記は表示されないけど、書いてありますよ~!

さて、今日は都内のレコーディング・スタジオのピアノ保守点検。
ベースの音域がどうも音の止まりがよろしくないと、前から思っていたので、今回はそこを重点的にチェック。
56万台の新しいハンブルグなんだけど、調べて見ると、恐れていたダンパーブロックのスティック!
しかも無視できないぐらいガチガチ。
このスタインウェイは昔のニューヨークのようにフレンジが膠で張り付いているタイプ。
これはダンパーの平行上下を得られやすい代わりに、スティックしたら最悪。
1個ずつ接着されたフレンジを剥がさないとセンターピンの交換ができないという気の遠くなるような作業が続く。
その後このメンテナンス性の悪さに垂直ネジ止めに変更したはずなのに、いつの間にかまた膠止めに設計が戻された。
設計開発のビル・ガーリックとも昔よくこの話をしていて、その時はちょうどネジ止めに変わった時期だったので、よかったねぇと言ってたのに、なぜ最近また戻したんだろ。
よっぽど乾燥してる国に住んでる奴の意見だな。

スタインウェイは何故世界を制したか。
音やタッチという楽器そのものの性能もさることながら、エラールやベヒシュタインに比べて圧倒的に整備性の良い設計だったからに他ならない。
ステージの上でトラブルが起きてもほとんどの作業が休憩時間のうちに終わってしまう。
なのにこのダンバーフレンジの先祖帰りはなんなんだ?

そんなことをぶつぶつ言いながら、やむなくスタッフと覚悟を決めて、アッセンブリーで外すことにした。
ダンパーを全部抜いて、ソステヌートロッドを外して、やっと顔を出すダンパーブロックアッセンブリー。
応援のスタッフを入れて3人がかりで、センターピン交換。
その間に私は会社に一旦戻り、明日からのピアノ選びをピアニストと共にやって、またスタジオに戻って、修理の続き。
ようやく21時に終了。
また元通り組みつけて調整をして弾いてみたら、音は止まるし、鍵盤は軽くなるしで、やっとここ数年の懸案が解決!

お値段?ほとんど無料。
わが社の保守管理しているレコーディング・スタジオなので、楽器のトラブルは結局普段の調律時に自らの首を締めることになるからね。
なんて人が良いんでしょ(笑)


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