秩父レコーディング2日目 椅子の話  4/4

レコーディングでは欠かせないノイズの出ない理想の椅子はこのガス式タイプ。

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しかしあまり低くならないので、ピアニストの希望により、トムソン椅子も持ってきた。

初日はこれで録音したけど、今日はもっと低い椅子で弾きたいと言い出した。
ホール中探して、やっと見つけた楽屋の椅子は38センチ!

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鍵盤蓋を外して超低い椅子で弾くのはグールドの専売特許(笑)
もっともグールドは35センチ位の椅子で、ピアノのキャスターもインシュレータに乗せてピアノを上げていたので、相対的にはもっと低い位置で弾いてたから恐るべしだね。

調律師としては鍵盤蓋を外してのレコーディングはとてもやり易い。
コンサートと違ってレコーディングは長時間引き続ける上に、エアコンを入れたり切ったりで温度湿度の変化が激しく、調律はもとよりアクションの状態も変わってきてしまうので、プレイバックや休憩の時間にアクションを出したり入れたり忙しい。
よって鍵盤蓋がないと、調整が楽(笑)
特に今日の曲はピアニシモの連打が多いので、究極の調整でピアニストをサポートする。
ホールのピアノ調整は年に1回の保守点検のみ。夏場、冬場、雨、使用頻度等々で刻々と変わるアクションの状態に対応するには多少の余裕を与えないと、非常に危険な状態に陥る。
普段「まるでF1マシーンのように」と表現するのは、フルチューンのマシーンがワンレースしか持たないとか、サーキットを競い合うには最高のパフォーマンスを得られるが、歩くようなスピードでは逆にコントロールが難しいのと良く似ている。
究極の連打やピアニシシモが可能になる代わりにレガートに囁くように歌いたい曲には向かない。
もちろん、ホールのピアノではこんなことできないから、アーティストサービスで専用のピアノを持って行けた巨匠時代のスタインウェイ・コンサート部の話。
究極を攻めるから音楽が面白い。

さて、超絶技巧の曲からパヴァーヌにかわって、調整は少し元に戻し、今度は音色の粒揃えのほうが大事になる。
さぁ、2日目で収録予定曲は全て終了。
夜は焼き肉で前打ち上げ。
ピアニストが上手いと焼肉も旨い(笑)

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