今日のレコーディングは珍しく録り直し。
昨年の録音で、楽譜の読み取りミスがあって1音だけ弾き間違い。
とは言っても和音の中の1音なので、まぁほとんど気がつかないんだけど、アーティストのこだわり。
こんな時にレコーディングと同じピアノを用意できるのが我々の強み。

最近のデジタル技術は編集の時にその利点を発揮する。
1音だけを差し替えるなんて、アナログ時代ではあり得ないけど、デジタル編集は凄いね~。
以前スタジオ録音で、アンサンブル録音の時に、中国人の二胡の奏者の音程が酷くて、何度も録り直したけど直らず。
こりゃダメだとあきらめて、「大丈夫ですよーありがとうございました~」とお帰り頂き、エンジニアが1音ずつデジタルで音程を上げたり下げたりして仕上げてた…。何でもできる(笑)
最近の若いアイドルで音痴がいなくなったのも、この技術。
中にはゆっくり弾いて録音して、速度を上げて録音して欲しいとワガママを言う外人アーティストもいた(笑)
音程や音色は何とか なる。
今日は1音だけと言っても音楽の流れがあるので前後30秒位を何度か録音して終了。
レコーディング時と同じピアノ、録音システムがあるって便利!
1843年生まれのプレイエル。

激務の合間に少しずつ進めていた修復も、フランスから弦が届いたので一気に進みそう。
ここのところ仕事はスタッフに任せ、メンテナンスルームに籠っていよいよ大詰め。
フレームを解体しようと思ったらネジが膠着して外れず。
ドリルで貫通させて外して新しいボルトで組付ければ簡単だけど、それではオリジナルを大きく損なってしまう。
考えた挙げ句、ネジの頭にマイナスのドライバーを溶接すれば熱でネジも緩むだろうとチャレンジ。
なんなく外れて、溶接箇所をヤスリで削り落とせば元通りネジも再使用できた。




175年ぶりに外されたフレームは、もちろん組立式で感慨深い。
汚なかった内部も、磨きをかけて、ショパン33歳当時の輝きを取り戻した。
現代のピアノの部品はほとんど使えないので、こうやって、ほとんどの部品は修復して再利用。
先が見えて来て一安心だねぇ。
今日のミッションは、全弦交換が終わった秩父ミューズパークのスタインウェイD型を午前中に納品。
朝7時に楽器をデュトロにに積み込んで、ついでに私のジャガーを秩父倉庫に留め置きするためにデュトロと一緒に秩父へ。
富ヶ谷から首都高速C2に入り、私はジャガーでデュトロの真後ろを走行。
C2に入ってすぐ、前を走るデュトロのマフラーから白煙!やがてスピードダウン。
これはエンジントラブルと直感したけどC2の狭いトンネルの中では止まれない!
デュトロはハザードを、つけながらどんどんスピードダウン!
ヤバイ~追突されるー。
中野長者橋を過ぎたあたりで耐えきれず「一旦停まります」と電話があり、偶然多少広くなった路肩に停車と共にエンジン停止!

危ないのでデュトロの前に回って私も停車。
非常電話で道路公団に事情説明と共に、保険会社に電話してレッカー移動を依頼。
やがて道路公団が来て車線規制をしたので、大渋滞始まる!ごめんなさ~い!
まぁ、これで追突からも免れるので助かったけど、狭い首都高のトンネルの中で停車は初めてだなぁ…。
その後、道路公団のトラックに牽引されて北池袋の出口から出してもらい、会社から到着したアーバンにピアノを積み替えた頃、頼んであったレッカー車到着。

デュトロはこのまま横浜の整備工場までレッカー移動。
実はこの整備工場でエンジン修理して、やっと1週間前に戻ってきたばかり。
前は時速80以上出すと突然エンジンに力がなくなる故障だったけど、今度は完全にエンジンが停止してしまうので、修理前より症状が酷くなった!大クレーム!
ピアノは無事に秩父に到着して、ミューズパークに搬入。

見違えるようになったけれど、今回の修繕依頼は全弦交換だけでアクションはやってないので、音色やタッチは「???」状態のまま。
現在保守管理やっている調律師のセンスなんだろうけど…
このピアノの事は「スタインウェイ戦争」にも詳しく書いたし、業界では有名なピアノだったのに、今やニューヨークだかハンブルグだかわからない中途半端なピアノになってしまったね。
せっかくのニューヨークスタインウェイを、どうしてハンブルグのように調整してしまうんだろうね。
知ったかぶりの調律師がいじくり回すとこうなるという良い見本。
とは言っても、私は「ホールの業者独占は許さない!と」声を上げて来たので、ホールのピアノは自由に調律師を入れて運営するべきだと思うけど、こういう現状見ると、なんだかねぇ~。
まぁいろいろあった今日1日でした(笑)
今日のピアノソロ録音はコロムビアチーム。
まだ開館して1年しか経ってない浦安の新しいホール。

駅前のビルの7階なので、フルコンの搬入やトラックの留め置き大丈夫かなぁ?と思ってたけど、なかなか素晴らしい造りのホール!
搬入口に併設されているコインパーキングは1日1200円。これは便利!
キャパシティ300人の使い勝手の良いホールで、反響は少ないけど嫌な反射音もなくて素直な音。

新しいホールなので空調の音も聞こえず、切るのを忘れてしまうほど。
おまけに安いし、また選択肢増えたね。
なにしろ高速で空いてりゃ渋谷から30分なのが良いね!
9時に搬入して調律、やがてピアニストT君が現れて録音開始。
彼とは何かと縁があるけど、レコーディングは初めて。
ウィーンに住んでいるので今回は仕事で短期帰国して、またウィーンに戻るらしい。
頑張ってこれからのクラシックピアノ界を引っ張って欲しいね。
なかなかの好青年でした。
今日のティアラこうとうは、いくつもの団体が合同する大きい合唱祭、なおかつ最後には2台ピアノを使用するとのこと。
大勢の出演者が続々とリハーサルで朝からびっしりスケジュールが埋まっているため、ピアノを2台調律する時間もなく、調律を済ませたピアノを2台持っていく変わった仕事(笑)
しかしこんなこともできるという良い見本だね(笑)

それでも30分くらい調律の時間があったので、さっさと済ませて、私は次の現場、大泉学園のゆめりあホール。
調律は昨日やってリハーサル、今日は本番前の直し。

久しぶりにホールのヤマハを調律した(笑)
レコーディング最終日もスムーズに進んでみんなご機嫌。

このホールは録音しやすいので407スタジオの酒井さんお気に入り。
今日も予定通り16時には終わって搬出。
スタッフが誰も来れないので私一人で搬出!
本当は今日はこれからみなとみらいのタイ料理で打ち上げだったんだけど、ピアノが冷えきるので私は残念ながら渋谷に戻ります。
渋谷に戻って来たらサロンでは某国営放送が某ピアニストと番組収録中で、ピアノを下ろせず待機。

頃合いを見てメンテナンスルームにピアノを戻して本日終了!
今日と明日はローズウッドで録音。
ピアニストはロンドンから来日のKさん。


ローズウッドがお気に入りで、前回はシューベルト、そして今回はモーツァルト。
本当にぴったりの音色で落ち着く。
Kさんはダラダラ録音するタイプではないので、時間は正確。
夕方にはぴったり終わって、明るいうちに帰れるって素晴らしいねぇ…。
今日まで3日間、千葉の勝浦で2台ピアノでのコンサートでした。

私は残念ながらインフルエンザB型で外にも出られず苦しんでましたが、最終日にピアノの搬出も兼ねてやっと来れました。
今回は2台ピアノバージョンで第九を歌う企画。

ピアニストのKさんは毎年山梨のぶどうの丘でコンサートをやっていたので、ピアノを搬入した後は、ぶどうの丘のホテルに泊まってワイン飲んで、温泉入ってのんびりが恒例でした。
今回は海辺のホールなので、調律の前に海鮮丼!

途中で国際武道大学なるものを発見。

やっぱり「ぶどう」に縁があるんだね(笑)
今日から3日間千葉の勝浦では2台ピアノのコンサート。

私はサロンでレコーディングがあるので籠っています。

某企画のレコーディングなので、機材もマイクも豊富!配線も複雑。

B型インフルエンザにかかったのでマスクをして時々顔出す程度にしておきました~。
年が明けてからバタバタしている間にもう2月!
溜まった仕事を順次こなしているうちになんともう2月!
更新されないブログにはバナー広告が立ち上がり悲惨な状態(笑) ごめんなさい。
忙しい上に体調崩してさんざんな1ヶ月でした。
今日から遡って1月分のブログを埋めなきゃ!
ところがこの数ヶ月、告知できない仕事が大量に重なってるので、告知できるものだけ飛び飛びで埋めて行きます。
そんなわけで今日もサロンでコロムビアとピアノソロのマル秘録音。


この複雑な配線が普通の録音とはちょっと違う(笑)

さぁこれから1月の日記を遡って埋めるよー。