今朝は8時半にピアノ搬入なので、那智勝浦から快晴の海岸線をデュトロとレンタカーで串本に向かいます。


南紀の美しい海岸線と比べると、デュトロの後ろ姿はかなり疲れてきたなぁ‥。(笑)

1999年に新車を導入して、北海道から沖縄まで全都道府県40万キロ以上走ってきたエアコン付きの逞しい3トン車!
左に鯛島を望むとやがて古座川。
この河口にあった造船所でビキニ環礁で被爆した第5福竜丸を作ったんだね。
文化会館に到着。
一昨日まで秩父でレコーディングに使っていたニューブルグを持ち込み。

よく働くピアノだ。
ピアノを調律してすぐにリハーサル開始。
スタッフはレンタカーで近辺のいつものお客さんの調律に向かうので運転手を。

明日からの岡山~徳島のチケットを買いに駅に行ったり、古座川名所の一枚岩でカフェで使う木製品を仕入れたり、レンタカーで走り回っているうちに山奥で迷子(笑)

しかし桜も山も海も春爛漫で気持ち良い!
東京では毎日コンサートが続いてスタッフ総出で調律やってるから、こっちも仕事とは言っても少々申し訳ない(笑)
全国旅に出ていろんな出会いがあり、いろんな食を楽しみ温泉、宿。環境にいつも変化があるって楽しい仕事だ。
今日で年度末も終わり、明日は新元号が発表される。昭和は遠くなりにけり。
仕事が終わり、いつもの「きよもんの湯」。

今夜は新宮まで走って「佐野食堂」で和食!

ここで焼さんま食べるのも定番。とは言ってもこれは北の方からきた冷凍。
この辺は脂が抜けたさんましか無いので丸干しかさんま寿司が定番。
明日はトラックは神戸へ、私は新幹線で岡山!
今回は慌ただしかったので、岡田さんの家には寄れず、つくし亭でラーメン食べる時間もなかったので残念。
まぁ来月もくる予定なので、その時は顔だしますー!
昨夜、秩父レコーディング終了後にみんなで集合写真を撮ってお別れ。

渋谷に帰って来たのが22時半。まぁ早く帰れたかな。
のんびりしたいところだけど今日の準備をやってみんな解散したのは深夜1時。
今朝は茨城くチームと上野の春音楽祭チーム、3トン車デュトロは和歌山へ出発。
私は上野チームで8時少し前に着いて待機していたら、なにかの行き違いで8時半搬入とのこと。
今日は分単位で計算してスケジュールを入れているので、これでは次が間に合わない!
指示だけして後はスタッフに任せて代官山へ!


教会ではもうコンサートの準備ができていて、調律と調整を終えた頃にスタッフ到着!
恵比寿駅まで送ってもらって山手線で品川、新幹線で新大阪乗換、南紀くろしおで紀伊勝浦到着が19時過ぎ。
先着していたスタッフと合流して久しぶりにイタリアンのお店トレンタに行きました。

知人のソムリエの弟さんの店。

南紀でこれ以上本格的なイタリアワインと料理を出す店は他にありません。
早朝は上野で仕事して晩御飯は本州最南端にいるなんて不思議。
それにしても先日亡くなったワインの店では草分けだったションズイの勝山さんも串本なので、和歌山は日本のワイン業界の有名人多いね!魚が旨いからかなぁ‥
美味しいワインと料理で今夜は那智勝浦!
昨夜はルートイン向かい側のイタリアンで打ち上げ。
寒くて温泉に歩くのが面倒になり、風呂は諦めてホテルに戻りました。
今日は最終日!

最近はクラシックのレコーディングも2日で録るのが多くなったので3日間は余裕だなぁ。
今日は2楽章と3楽章。

なにしろヘビーな曲なので、時間が経つのもあっという間。
秩父に来たら外せないマジョラムのカレーを麓まで降りて食べに行く時間が無くなったので、テイクアウトにしました。

マジョラムさ~ん、いつもお世話になってます!
そして録音は無事終了!
過酷な環境で、かなり高度な事をやってるんだけど慣れたチームなので、仕事はスムーズ。
これがプロフェッショナル。
19時頃にはすべて終了、片付けをしてピアノ2台をそれぞれトラックに積んで東京に戻ります。

デュトロに載せたピアノはこのまま明朝、和歌山に向けて出発します。
他にも明日は上野春音楽祭で科学博物館に朝8時搬入。
茨城県の守谷にも朝8時半に搬入。スタッフ総出で大忙し。
昨夜はみんなで駅前の夢庵で晩御飯。
その後、私は歩いて祭りの湯でのんびり。
今日も朝9時にホールに入って2台ピアノ調律。

順調に録音は進むけど花粉症は悪化!
書籍の原稿が終わったと思ったら、別の出版社より月刊誌への原稿依頼。
ちょうどパソコンを持ってきてたので、今日は立ち会いしながら原稿書き。
1000文字位なので数時間で終わって、楽屋でアクション修理の内職(笑)

昔、ここでレコーディングする時にはスタッフとこの部屋にセカンドアクションや部品を持ち込んで、まるでF1のピットみたいにスペアのアクションを調整してたのが懐かしい。
録音は今日がメインなので夜9時まで、なんとか最難関の4楽章を録り終えました。

なにしろ温湿度変化が激しいホールなので、モニターを聴きながら調律の直しのタイミングを計りながらのパソコン仕事やアクションの内職で忙しい1日でした。
夜はみんなでホテル前のイタリアン。
今夜は遅くなったので温泉は諦めました~。
久しぶりの秩父。
今日から3日間、贅沢に2台ピアノの録音。
秩父名物の大量花粉対策をしてきたけど、やはり凄いね。目が痒い!
一昨日選定してリハーサルをやったフルコン2台を、朝9時に2台のトラックで搬入。
ここミューズパーク音楽堂は関ヶ原の戦いの場のようなもの。
詳しくは「スタインウェイ戦争 」を参照!
27~8年前に秩父の山の上に出来た音楽堂はキャパ600席。
箱物を建てるとしばらくは補助が出るので当初こそコンサートを頻繁にやっていたけど、山の上で交通の便が悪く、徐々に客足が途絶えてきた。
当時の事業担当者にどうしたものかと相談されたので、貸し館率を上げる為と知名度を上げるためにレコーディングホールにしようと奮闘。
しかし実のところ問題山積のホールで、響きこそ良いけどホールのサイドに通路がなく壁一枚で外なので、山の激しい温度湿度変化の影響をモロに受ける。
ステージの床は薄くて太鼓のように鳴る。
この状態から、少しでも良い音をとるため、一生懸命アイデアを出して私に協力してくれたのが当時のコロムビアDENONのチームでした。
特にチーフエンジニアだった岡田則男氏とは「世界一のピアノの音を録ろう!」と様々な実験をこのホールでやりました。
太鼓のステージ床を避けてピアノを客席に下ろして録音していた我々の熱意が伝わり、ステージ前客席3列を取り外し式に改造してくれたり、ホールも我々も一生懸命でした。
やがて次々とレコード会社が来るようになって、一時期はクラシックの国内録音の半分はここでレコーディングしているんじゃないかと言われるほどになり、このホールを知り尽くした我々でさえレコーディングのスケジュールを押さえるのが困難になるほど有名になった秩父ミューズパーク音楽堂。
ちょうどその頃我々はピアノを自ら運ぶ運搬方法を確立したのでピアノと録音機材を積んで音の良いホールを求めて日本中出張録音に出かけて行きました。
また日本中に次々と音楽ホールが建設された時期でもあり、同じピアノ、同じ録音機材、同じチームで録音してもホールによって音色や響きが違うので録音する内容によってホールを選ぶ事も可能になりました。
やがて曲に合わせて持っていくピアノを選んで、あらかじめ調整をやってピアニストは本番で使うピアノでリハーサルも済ませられる現在の理想のスタイルを確立出来たのも、このミューズパークのお陰。
なので今回のレコーディングは久しぶりに里帰りしたみたいだ(笑)
ここから我々が去って10年位経つけれど、すっかりあの頃の面影は無くなって寂れてしまい残念。
今回も他のホールは3日間連続で空いてなかったので、ここでやることにしたけど、実はこのホールでは最も過酷な2台ピアノ。
1日のうちで温度湿度変化が激しいので、2台を長時間同期させるのは至難の技。
まぁ難しい事にチャレンジするって楽しいけどね(苦笑)
朝9時に搬入して調律開始。

あらかじめピアノ配置やマイク位置は決めてあったので初日も早めに録音開始。
今回の2台ピアノ用に新しく考えたマイクセッティング!
ピアノ配置は普段と変わると弾きにくいので、コンサート配置で、大屋根は2台とも外してマイクはこの位置。
これはなかなか上手くいった!

今回は大曲だけどアーティストの技術レベルが高いので本日分は19時に終了してルートインへ!
楽しみにしていた西武秩父駅前の「祭りの湯」へ!
もう8年も続いているFM横浜「ピアノワイナリー」の収録。
毎週土曜日、18時45分~19時00分の放送です。
中井/武田さん達が、明日から2台ピアノのレコーディングで使用するピアノ選定に来たので、ゲスト出演してもらいました。
番組は毎月2回、松濤サロンでまとめて収録します。
土曜日の夕方、湾岸エリアでのリスナーは数十万人らしく、時々「聞いてます!」って言われるので、嬉しいですね。
今日は4月6日と13日放送分を収録。

普段はあまり顔写真は公開しないけど、他に写真がないので画質を落として落としてとりあえず集合写真。
さてピアノ選定は、タカギクラヴィアのコンサート&アーティストサーヴィスの精鋭ハンブルグD型3台!

この中から2台を選ぶんだけど迷いに迷って二転三転。
どれもコンサートコンディションなので無理もないね~。
最終的に選んだ2台からまたまた夜にはメールで変更。
録音ディレクターも参加して、リハーサルがてら2台のピアノの配置や録音進行スケジュール等も打ち合わせ済み。
レコーディングで使用する2台を、プログラムや楽器の相性で、どのピアノにするかを悩むのも贅沢な悩みと言ってました。(笑)
ホールの慣れないピアノと格闘して、なんとか慣れた頃にはレコーディングが終わってしまった~というのは良くあること。
ピアニストが好むピアノは千差万別。
スタインウェイのコンサートグランドピアノは20台、その他ベヒシュタインEXやベーゼンドルファーも揃っているので、タカギクラヴィアはとことんご要望にお応えします。
ただし限られた人達にだけね!(笑)
神奈川アートホールのレコーディングも今日が最終日。

私は東京駅9時40分頃の北陸新幹線かがやきに乗って金沢に向かいます。


交代したスタッフからピアノは安定していてレコーディングも順調とメールが入ります。
昼前に金沢に到着。

いつもの海鮮丼を食べてタクシーで13時にはスタジオに到着。
明日の本番用の調律を済ませてタクシーで金沢駅に戻ります。
土曜日の金沢は観光客で、めちゃ混み!
富山は寂れてるけど金沢のバブルは凄いね!
常連の駅ナカにある金沢日本酒立ち飲み店も満席!

あきらめて16時50分発かがやきの中で、カップ日本酒で我慢。
ちょうど神奈川アートホールのレコーディングも終了したとのメールが入り一安心。
20時半頃には東京駅に着いて渋谷に戻ってきたらまだ21時台。
便利だけど、青森も金沢も日帰りだからなぁ‥温泉でも入ってのんびりしたい!
アートホールレコーディングの2日目、スタッフとホールへ向かいます。


今回のレコーディングは3日間ですが、みんなのスケジュールやホールの空き状況等から私は初日と2日目の昼までで交代して、渋谷に戻ります。
ピアノは安定しているので、調律を済ませて、あとはスタッフに引き継ぎをすれば大丈夫。
今日はプレイエルによるショパンシリーズの3回目、伊賀/山口御夫妻の回。
ショパンがたった1曲だけ書いた連弾の曲も楽しみ!
わが社のプレイエルはオリジナルにこだわり、チューニングピンもスクエアの細いピンなので、適合するチューニングハンマーがありません。
スタインウェイ製スクエアピアノ用の少し太めのT字ハンマーを使っているのですが、ぐらぐらしてやりにくい。
シングルアクションで鍵盤深さ8ミリ、おまけに弦はあっちこっち引っ掛かりまくりなので、モダンピアノでのテストブローなど小手先のテクニックで弦の張力を安定させる事ができないから調律を安定させるのは難しい。
ピンが細いのでピン板の保持力も弱い。
構造上、調律はチェンバロのように弦をはじいて調律を繰り返していたと想像できる。


今日も満員のお客さんで溢れかえる松濤サロン。
小坂先生の解説はいつもなるほど!トリビアの種が一杯。
ピアニストも調律師も歴史を学ばず薄っぺらい知識でショパンやクラシック音楽を語ってはいけないと思う。
プレイエルでリアルショパンを聴くとショパンコンクールにピリオド楽器部門を作った趣旨がとてもよく分かる。
甘くまろやかな音しか出ない現代のピアノしか受け入れられない人の耳は、何でも甘ければ美味しいと言う子供の味覚と同じ。
酸っぱさや苦さの味覚から旨味や辛味といった味のハーモニーがわかるには、それだけの年輪が必要だ。
私も糖質制限を医者から言われる歳になったしね。
今夜の話題は「ショパンの手の模型」のいい加減さ。
ショパン博物館や土産物店で販売されているショパンの手の模型には大中小三種類ある!

私が持っていたのは左側で、かなり太めでした!
右側のは小さくて女性の手みたいだけど、プレイエルの鍵盤においてみるとぴったり!これだな。
さて、終演後はいつもの懇親会。

今回はモンドールやパエリア、ボルシチと大垣シェフの腕も上がったね~とみんな大喜びの夜でした。

カフェのGIスタインウェイの前で小坂先生を囲んで記念撮影。お疲れさま!
今日から3日間、ここでピアノソロの録音。
今回は1912年製のルイス君を持ち込み。
ピアニストのYさんと「展覧会の絵」やショパン、リストの名曲を録ります。
ピアノ選びの際、いろんなキャラクターのハンブルグが何台もあるのに、彼が選んだのはCD368のルイス君。
この溢れんばかりの倍音でどんな景色を描いてくれるのか楽しみ。
特に展覧会の絵にはぴったりの楽器。
ノイズや1本唸りが多いので調律も難しいし、CD75と同じ次高音に非等長発音弦システムを採用しているので、タッチの強弱でユニズンにずれが生じ、1本唸りと相まって複雑な音色が出せるけど非常に難しい楽器でもあります。
さてピアノを搬入してサウンドチェック。
いつもはもっと壁のほうに近づけるけど、今回は屋根も外さないのでホールの真ん中に置きます。

これが1番素直な響き。
しかしサウンドチェックの姿は何だか黙祷してるみたい。

時折手を叩いて響きをチェックする姿も「今日も録音がうまくいきますように」と、パンパン柏手を打ってるみたいだし、知らない人から見たら神道の儀式だね(笑)
今日はショパンのバラードから録音開始。
ここは天井も高くて体育館みたいに容積が広いからスケールの大きい音が録れます。
タカギクラヴィアの横浜工場の近くなので、当然通いで宿泊無し。
初日は19時頃には終了して順調!帰ります!
毎年恒例の年度末、官庁学校関係調律依頼も今がピーク。
スタッフも嘱託諸君もフル活動!なので、普段はスタッフが担当している現場に私も駆り出されています。
昨日は都内のレコーディングスタジオ。

ピアニストはテレビに良く出ている某著名アーティスト。
普段はヤマハを弾いてるのに、このスタジオはスタインウェイしかないけどヤマハさん怒らない?(笑)
今日は久しぶりの神楽坂グリー。


ここのヴィンテージスタインウェイB型は最高!
これに文句つけるピアニストはちょっと問題だぞ。
初対面の調律師に「私はピアノにうるさいのよ!」ってフェイントかける人って結構います。
だいたいこの手のピアニストほどピアノのことを良くわかってないし、あまりお上手ではない。
なので余計に吠えてみせる幼稚なタイプ。
ここのスタインウェイに文句あるなら、ほかではもっと酷いピアノだらけなので、きっと自分のピアノ持ち込みしてるはず。(笑)
それに今から弾くピアノが他所と比べて良いか悪いかの判断ができないと自ら認めてるって事になる。
これは好き嫌い以前の問題。
私はそんなピアニストにはもう長いことお目にかからないけど、若い頃には良くあったし良く喧嘩した(笑)
だって矛盾してるからね。
公共のピアノを借りて調律も主催者に払わせ、文句を言うなんてとんでもない。
そんなに完璧を求めるなら自分の好みのピアノを持ってくれば誰も文句言わない。
それにしてもグリーのB型は最高!
昨日は南知多の温泉食堂旅館マルハに泊まって久しぶりに温泉でのんびり。

海猫見ながら名物の朝ごはん。旨し!。

夕方には渋谷に戻りサロンの調律をやって、ドイツ在住のSさんのコンサート。
今日は朝早くからスタッフと青森に向かいました。

八戸のお客さんのスタインウェイがダンパー止音不良とのことなので、急遽青森日帰り!


本日お休みのスタッフを呼び出して青森まで同行(苦笑)、お陰で日帰りできます!
ピアノを仕上げて新幹線で渋谷に戻ったのは23時前。
便利な世の中だね。
楽しかったレコーディングも今日で終わり。
やっぱり3日間あると余裕だね。

「調律師はアーティストと一緒に昼飯なんか食ってたらいかんぞ!」って後輩たちには教えます。
それはアーティストやエンジニアたちの昼飯タイムが唯一、1時間程ゆっくりピアノを調整できる時間だからなのです。
皆が昼飯を食べに出ている間がチャンス。
昨日はお持ち帰り弁当のチャーハンを買ってきてくれたけど、量多いよ!(笑)
今回は初日に楽器を仕上げたら、ホールの温度湿度が安定しているのでピアノも安定。
今日は一緒にお昼を食べに行く余裕がありました。
ホール隣の上階にあるスカイレストランで岐阜市内を眺めながらビュッフェ。

戻ってきて私はまたまた締め切りに追われてる書籍の原稿の校正。
今回の目玉はCD75とハンブルグDの音響視覚化グラフの説明書き。

グラフにするとCD75と普通のハンブルグの音色の違いが一目瞭然になります!
原稿もなんとかでき上がって来たね~。
夕方に東京からスタッフが新幹線でやってきて、搬出!
今夜は南知多まで走って、電源を借りてピアノ車室のエアコンに繋いで温泉旅館マルハ泊。
スタッフの親戚の旅館なので何かとわがままをきいてもらっています!
順調にレコーディングは進んでいます。


ホールの皆さんもとても協力的で、ありがたいです。
今日は10時半に調律アップで録音スタートです。
温度湿度も安定しているので、私は暇(笑)

ステージ袖の壁に沢山書いてあるサインを見ていると、あの人もこの人も知っている人ばかり。業界狭いね~。
今日も順調に終わり、晩御飯は皆で歩いて海鮮のお店へ。
出張録音はホテルの朝ごはんから始まってお昼も夜も皆で食べるので肥る!
まぁこれも出張録音の楽しみ!
今日から3日間、ここでレコーディングです。
ピアノ車は渋谷を昨日出発しましたが、私は今朝の新幹線で合流しました。
今回はビクターのレコーディングでヴァイオリンとピアノ。
サラマンカホールは中京地区で1番好きなホールです。
このホールができて25年との事ですが、オープン当初、何度かレコーディングに来ました。
パイプオルガンは珍しい日本製で、響きの良い素敵なホールです。


昨年、一昨年とコンサートで2回位来ることがありましたが、残念ながら私は他と重なっていてスタッフが担当しました。
今回はブラームスなのでご存知ローズウッドを持ってきました。
1887年に作られたこのピアノ、この時ブラームス54歳。
作曲者と同時期のピアノで演奏する意味は音色を聴けばわかります。
それも名手が演奏するに限ります。
今回も楽しみな録音です!
ステージにローズウッドを置いて調律を始めると、ここのホールの響きの良さがすぐにわかります。
もう少し近ければもっとレコーディングに来れるのにねぇ~。
20年以上前にT京子ちゃんの1枚目のシューベルトもここでレコーディングしましたね。
あの頃は近くにホテルが無くて車でかなり走って長良川の近くのルネッサンスホテルと言うところに泊まったけど、今はホールからなんとか歩けるところにルートインホテルができたので、楽になりました。
アーティストも到着してマイクチェック開始。
予定通り14時頃から録音を始めて21時頃までバッチリ録って、今夜は歩いてサイゼリアで晩御飯。
歩いてルートインへ戻る。
酔っ払って歩くとちょっと辛いね(笑)
昨日は大ホール、今日は小ホール。
とは言っても今日は珍しく聴衆です。
川口成彦さんのフォルテピアノコンサートにご招待頂きました。
川口さんが1年以上前から企画していたこのリサイタル。
「近代スペイン音楽の幕開け」と題して、彼の大好きな19世紀末のスペイン作曲家によるプログラム。
グラナドスやアルベニスを久しぶりに聴きました。

ピアノは1890年製のエラールを使用。
私の1887年のローズウッドより3年新しいけれど、ほとんど同年代のフォルテピアノなので、とても興味深い演奏会でした。
フォルテピアノに慣れた川口さんの理想的なタッチコントロールが豊かな倍音を作り出し、曲に込められた様々な景色や感情が目に浮かび、ロマン派の時代の楽器でないと描けない世界に聴衆は息を呑んで引き込まれていました。
プレイエルではもう少しテンポを落とさないと音が抜けてしまう同音連打も流石にエラール。
ダブルエスケープメントアクションの成せる技ではっきり演奏できます。
東京文化は小ホールといっても700席のキャパなので、やはりフォルテシモはちょっと弱い。
このニュアンスを大ホールでも通じるようにダイナミックレンジを広げるように改良したのがローズウッドであると、まさにそれを実証したようなコンサートでした。
高音域はローズウッドに良く似た発音で、スタインウェイはエラールのコピーから始まったと確信した次第です。
明日から岐阜でレコーディングなので、本来なら私はもう東名を走ってる予定だったけど、スケジュールを変更して、ピアノ車だけ先に出発させ明日の早朝の新幹線で岐阜入りする事にしました。
それだけの価値あるコンサートでした!
8年前のこの日、私は日本橋三井ホールでコンサート前日のリハーサルでした。
朝9時にピアノを搬入して調律していたら、スタッフさんから「ステージを上げても良いですかぁー」の声。
ここのホールは搬入時にはフラットにしておいて、本番はステージを上げる可動式。
ウィ~ンとステージが上がりやがて定位置で停止した直後、グラグラ揺れ始めた。
私は「こんな華奢なステージで大丈夫なの?」と思わず回りのスタッフに笑いながら言ったけど、なんだか様子がおかしい。
揺れは更に酷くなり、ビルの5階にあるホール全体に不気味な音がこだまして軋み出した。
天井の吊り照明器具が、ガチャガチャぶつかり合ってパラパラとネジらしきものが落ちて来る。
思わず私はピアノの下に潜った。
照明のスタッフも潜って
「いよいよ来たのかなぁ…」
「そうなんじゃないですかねぇ…」
と不安な言葉を交わす。
1ヶ月程前のニュージーランド地震、ビルの床が抜け落ちて何人もの日本人が亡くなったニュースを思いだし、これがそうなのかと更に不安がつのる。
やがて揺れが収まり一安心
。ぞろぞろとスタッフが集まって来て点検後に仕事再開したけれど、また揺れが始まった。
今度は更に大きい!
流石に今度はダメだと思いました。
またピアノの下に潜ったけれど、ピアノが左右に50cmほども移動する!
ステージ上にはマイクか電源かのコードがあって、そこにピアノのキャスターが引っかかり、ミシッと不気味な音がする。
グランドピアノは縦の力には強いけど、横にはからきし弱い。
これはヤバイと思い、ピアノの下から脱出して舞台袖に飛び降りた。
長い揺れがおさまり、アナウンスが入る。
「このビルは築2年で耐震対策は万全ですのでご安心下さい。」
しかし壁は皹だらけ。
階段で降りて警備室に行ったら、テレビに晴海のほうでビルが燃えている画像が映っていた。
通常番組は中断、「震源は宮城県沖、津波警報発令」とかテロップが出ているけど、情報待ちの状態。
しばらくして、あの津波の映像が流れ大変な事が起こったと理解した。
交通機関は乱れアーティストも来ないのでリハーサルは出来ない。
夕方、来られた人だけで軽くリハーサルをやって早めに帰る事になったけど、電車は止まりタクシーは路駐や放置車両で大渋滞。
かろうじて銀座線は動いていたので渋谷には帰れた。
その後はご存知の通りの惨状。あれから8年か…

今日の東京文化会館のコンサートはマギーズ東京主催のチャリティーコンサート。
ベンジャミン・ベイルマン(Vn)/江口玲(P)、大ホールなのでCD75を持っていきました。

江口君はソロでラフマニノフを2曲弾きました。

普通に弾いてるだけなのにピアニシモが大ホールの隅々まで聞こえるからお客さんもびっくり。
ベンジャミンのストラディバリウスに決して負けないどころか、主役を奪う存在感。
名器には名器で!
贅沢なチャリティーコンサートでした。
昨日はサロンで須江太郎のコンサートがあり、久しぶりにカフェにみんな集まり座談会(笑)
今日は白寿ホールでマチネ公演なので、カフェ前の停留所からハチ公バスで出勤!
ここも歩いて行ける町内だから遅刻無しで楽チン。
白寿ホールにピアノを搬入するには、7階までウィンチでピアノを吊り上げなければならず、残念ながらヴィンテージの楽器は持っていけません。
以前はハンブルグのフルコンを何度か吊り上げたけど、それもサブちゃんが亡くなったからちょっと無理かなぁ。
ここは300席とクラシック聴くにはちょうど良いスペースだし、会社からも近いので、いろんな企画やりたいけどなぁ…。
さて今日は坂本真由美さんのリサイタル。
ピアノは2台あるスタインウェイの、新しい方をチョイス。
私は古い方が好きだけどハンマーなど新品に交換されてるのでまだ落ち着かない。
新しい方はやたらと弦が切れるので困るのだが、2週間前に高音部分だけ張り替えたとのことで、一安心。

ピアノはある時期を過ぎると弦がブツブツ切れ始めるのは仕方ないけど、コンサート用のピアノは困る。
しかも演奏中より調律時に切れることが多いので、この場合は自腹で張るしかない(苦笑)
高音部分に所々弦を張り替えた跡があるピアノは、その近辺があまり酷く狂ってない時は多少の誤差は無視。なるべく触らない。
演奏中に切れるほうがよほど厄介だ。
公共のピアノは予算の関係もあり、完璧に保守管理ができないのは致し方ない。
今日のピアノは次高音~最高音にかけて綺麗に張り替えてあるからその点安心。
あとは張り替えたばかりだからまだ弦が伸びていて調律の安定が悪い。
昨日もコンサートがあって調律が入ったらしいけど、すでに何ヵ所かビョ~ンと狂ってる。
確かにフォルテシモで叩くとダラダラ音程が下がる。
悪戦苦闘しながら今日のアンコールまで保つように調律。
私のポリシーは休憩時間に調律を直しにステージに上がらない事。
せっかくのコンサートの余韻を調律師がノコノコ出て行って音をポンポンステージで鳴らしたら雰囲気を壊すから。
調律はリハーサル後にチェックしたらアンコールまで保たせないとダメ。
待機しているのは突発的な故障(弦切れ、アクションやダンバー、ペダル等のトラブル)に対応するため。
とは言ってもほとんどのコンサートが持ち込みピアノだから、搬出までいなきゃならないからね(笑)

それにしても今日のプログラムはヘビー!
アンコールのトルコマーチ、ヴォロドス/坂本バージョンまで観客大喜び。
ヴィルトーゾぶりをたっぷり披露した圧巻の演奏でした。
ピアノの中音域~低音域がもっこりした音色なので音が団子になるのは残念だけど、次に繋がる素晴らしい演奏でした。
テレビの「音楽王No.1決定戦」で優勝しただけのことはあるね、
しかもそれを自慢たらしく表に出さない所も良いね~。
満員のお客さんも大満足でした。
マチネ公演だったので、夕方会社に戻り、夜は某ピアニストの自宅サロンの調律に行って来ました。
ここには私が93年にニューヨークで選定してヘンリースタインウェイにサインを入れてもらったピアノが入っています。
マチネだと仕事が2つゆっくりできるねぇ~。
レコーディングも終わり、今日はいよいよGIミリタリースタインウェイをカフェに設置!

ぴったりだね~。
第二次世界大戦末期に最前線にパラシュートで投下され兵士達の心の傷を癒した通称「勝利のスタインウェイ]
完成してカフェの備品になりました!

まずは昨日のスタジオで昨日の続き。
ピッチ変更したけど調律は安定してたので時間をもて余す。
余った時間で整音をやって、みんなと集合写真を撮って(笑)

松濤サロンに戻ります。
こっちではいよいよでき上がったVictory Gi Vertical Steinwayでのレコーディング。
今日はテレビの特番の音源をレコーディング。

昨日も別の映画の録音に使ったので、ちょっと人気!

まぁ色といい、ストーリーといいインパクトあるからねぇ…。
気がつけばもう3月!
年度末なのでスタッフ達は毎年恒例、大量に依頼が来る学校関係の調律に嘱託総動員でてんてこ舞い。
今日は都内のスタジオ3ヶ所+松濤サロンの4ヶ所のレコーディングが重なってスケジュールはパンク!
私も動員されたのでコロムビアのレコーディングを担当する事にしました。

朝9時入りでピッチ変更441→442。
今日と明日はピアノとチェロのCD録音。
いつもはスタッフに任せてるけど、今日は私が調律に入ったのでびっくりされました。
みんな20年以上の付き合いのベテランスタッフに支えられたレコーディングで、若いアーティストのお二人はかえって緊張!
いえいえ、我々は裏方ですから気を使わないでね(笑)
このレコーディングは明日も続きます。