名古屋~札幌~東京と綱渡りの出張もこれで一段落。
今日は昼にプレイエルを積み込んで表参道に搬入。


このホールは客席で聞いた事はあるけどピアノ持ち込むのは初めて(苦笑)
今日は日本ショパン協会主催で日本・ポーランド国交樹立100周年記念ショパンフェスティバルに、K君が出演するのでプレイエルを持ち込み。

当然ステージにはシゲル・カワイとピアノ庫にはカワイのフルコンがあるらしい。
その隣にプレイエルという何とも不思議な光景。
でも次々にカワイのスタッフさんたちが興味深くやって来ては話しかけてくる。
こんな時に思うのが、プレイエルってヴァイオリンのようにメーカーの競争がないのでストレスがないこと(笑)
調律が終わった頃にK君が到着してリハーサルが始まりました。
今日はショパンシリーズなので、全曲ショパン。
最初の1音からフォルテピアノを弾きなれた流石の音が会場隅々まで届きます。

プレイエルを奏でるにはちょうど良い広さの空間。
開場と共に瞬く間に席は埋まり、満席の中で本番が始まりました。
招待席にはポーランドのショパン協会と日本のショパン協会の皆さんが列席され、K君も久しぶりの顔合わせにいささか緊張ぎみ。
一曲毎に日本語と英語で丁寧な解説をして、K君の人柄が伺い知れる素敵なコンサートでした。
せっかくショパンコンクール二位の快挙を得た彼を呼びたくても、普通のホールにはフォルテピアノがないので、東京からレンタルしなくてはならない。
フォルテピアノ専門の楽器店も持ち込みの仕事がそうあるわけでもないので、普通の運送業者を頼むとなると、真夏真冬の温度変化に対応できない。
等々のジレンマで、各地のコンサート企画担当者も二の足を踏んでいるようなので、タカギクラヴィアのアーティストサーヴィスが本領を発揮!
エアコン、発電機付きのトラックに油圧電動運搬車が大活躍。
北海道から九州沖縄までアーティストの求める現場にプレイエルを運んでのコンサートが可能です。
とは言っても親しいアーティストにしかやってませんけどね(苦笑)
ピアニストの夢を叶える為に始めたアーティスト・サーヴィスか積み上げた28年間7000回を越える実績は経験値となってアーティストに安心と信頼を与えています。

終了後プレイエルの回りには写メする人だかりが後を絶たず、また1つ実績を積み上げました。
プレイエルを積み込んで渋谷に戻り今回の過酷なスケジュールも無事に終了、お疲れ様!!
セントレアのホテルは便利!
チェックアウトしてそのまま空港のカウンターへ。


7時半出発の札幌行きに乗って、9時過ぎにはもう千歳空港!

地下鉄で札幌、乗り換えて大通駅で降りて歩いて、10時頃には札幌文化芸術劇場 hitaruへ到着!
スタッフがトラックからちょうどピアノを2台ともおろしたところでした!

素晴らしい劇場!!
「ホロヴィッツピアノの秘密」の表紙写真に使ったよこすか芸術劇場に似ている!!
劇場なのに音も良く響く。

2台の調律を済ませ、ホールの5階まで上がって写真をとって、アーティストが来るまでに皆でお昼ご飯に外へでました。
久しぶりに見る札幌のテレビ塔の横を通って市場へ!
せっかく北海道なので豪華な海鮮丼。美味しかったなぁ。

お店のおじさんが冷蔵の空輸で送れるとの事なので、ウニと鮭のセットを注文して東京に送りました!
さてホールに戻り、アーティストのN&Tご夫婦も来たのでリハーサル。
このホール気に入ったなぁ。レコーディングや撮影に使いたいなぁ…。
さぁリハーサルも終わり、本番が始まるのを見届けて、後はスタッフ2人に任せて私は後ろ髪を引かれる思いで朝と逆ルートで千歳空港に向かいます。
今夜は恒例の打ち上げなんですが残念ながら私は寂しく日帰り北海道。

千歳空港から羽田行きの飛行機で23時前には渋谷に到着!
久しぶりにやって来ました!栄の県芸!
私は昨夜は栄のABホテルに泊まりだったので、斜め前の「やよい軒」でサバ塩焼き定食に納豆、生卵プラスを食べて寝て、今朝はホテルの朝食でまたまたサバ塩焼きと納豆、生卵。

その後歩いて県芸に行くと既にKさんとピアノ車と、今朝新幹線で駆けつけたスタッフのN君が待機中。
搬入口でオケのステマネさんらしき人がニコニコ。
「あれ?今日はキャタピラじゃないんですか?」
「キャタピラは2台とも札幌に行ってますよ」
など会話しながら、「あれ?このオケと仕事するのはずいぶん前なのに良く覚えていてくれたなぁ~」と思ってました。
ピアノをステージにセットしたらわざわざ名刺を持ってきてくれて、良く見たら、あれ?以前、紀尾井ホールにいた人!
数年前からこのオケのステマネをやってるとの事。業界狭い(笑)

さぁ今日はコンチェルト使用にバリバリにチューニングアップしたCD368ルイス号で、チャイコフスキー ピアノコンチェルトの1番!
彩ちゃん出産後初のステージ復帰戦。

この曲は普通のピアノで聞くとイントロ以外のほとんどがオケに呑み込まれてピアニストは弾きぶりみたいになってしまうけど、今日は違うよ~(笑)
ちゃんと1音1音が分離してオケの中から飛んで来る。気持ち良いねえ~。
彩ちゃんは産後2ヶ月だし、体力を考えると格闘しなきゃならないような普通のピアノじゃ可哀想。
まぁ慣れたピアノで、それも今回はコンチェルト仕様にチューニングアップしてあるので精神的にも楽。
これも持ち込みの利点。
スタインウェイ本社のコンサート部のこのシステムは理想なのに、何故日本ではやらないのかと言うと「買うより借りろになってしまいますからねぇ」がホンネ。
さてバランスバッチリでリハーサル終わってバックステージに戻ってきたら豪華なお弁当が!

さっきスタッフに、おにぎり買ってきてもらって食べた。
これは食べ過ぎ!!でも美味しい(苦笑)
そして今日は楽しみだった彩ちゃんの娘さんをお約束の抱っこ(苦笑)
なにしろ経験ないから壊れ物を抱いてるようなぎこちなさを感じたのか、赤ちゃんは泣き出しそうな顔して嫌がられた(苦笑)
彩ちゃんとは10年以上のお付き合いだけど、お母さんになって更に成長したね!
本番は堂々として安心して聴いてられました。
アーティストサーヴィスとしてはホッと胸を撫で下ろして感無量。
ステマネさんの計らいで、休憩時間にピアノを搬出させてもらったので、思ったより早くピアノ車とスタッフは東京に戻り、夜中の1時過ぎには渋谷でピアノを下ろせる模様。
札幌組からはフェリーに乗って無事苫小牧に着いたと写真が続々送られてきた。

私はセントレアに向かい空港のホテルへチェックイン!
過酷なスケジュールの始まり!
昨年末にレコーディングしたプーレ氏のCDがようやく発売され、タイミング良く、プーレ氏がフランス文化省から芸術文化勲章の最高位コマンドールを叙勲したと連絡がありました。

いつも気さくに冗談ばかり言い合ってたけど、やっぱり偉い人だったんですねぇ~(笑)
さて我々はいつもの過酷なスケジュール真っ只中!
札幌と名古屋と東京とコンサートが重なって、しかも30~31日は札幌で2台ピアノ、29日は名古屋でコンチェルト、31日は東京でプレイエルのコンサート。
こんなときは、サブちゃんが亡くなってスケジュール調整が大変。
今さらながらサブちゃんに頼り切ってた事を痛感する。
今回は運良くそれぞれ使用ピアノが違うので何とかなるだろうと社内でスケジュールを練りに練った結果、それぞれにピアノは出発して私は新幹線や飛行機で追いかけて、各地に顔を出して東京のコンサートに戻れば何とかなるって訳で決行!
札幌組はトラック2台にそれぞれフルコンを乗せて大洗から苫小牧行きのフェリーに乗って先に出発。
名古屋のコンチェルト用のCD368は、サブちゃんの相方のKさんに託して渋谷で梱包、トラックに積み込んで送り出してから、私は新幹線で名古屋に向かい、

夕方、名古屋駅までお客さんにお迎えに来て貰ってご自宅のスタインウェイの調律をやって、栄のホテルまで送ってもらいました。
今頃ピアノは東名を走ってるはず、札幌組のトラック2台は海の上。
今年から始まったこのコンクールは、FIERTÉの主催で松濤サロンで予選、本選を行い、先日の予選を勝ち抜いた人達が今日の本選に挑みました。

私もプロフェッショナルコースの本選の審査員になっているので午後から参加しましたが、皆さんのレヴェルの高さにびっくりですね。
最近は音を外すなどほとんどないので、昔の「それはアクシデント」で済ませていた時代とは隔世の感があります。
技術的な部分では点数は拮抗しているので、音楽的な面での評価として点数の差を付けられる時代になったのは喜ばしい事です。新しい時代のピアノでは弾き手が思っているほど音色が変わらないので大袈裟に上体を揺らす人が多いのに、今回の応募者の皆さんは意外と姿勢が良かったのは見ていて好感持てました。

最終審査はメンテナンスルームに審査員一同揃って集計、順位はほとんど同じだったのは、みんな見ている部分に差がなかったと言う事かな。

コンクール終了後はカフェで打ち上げ、お疲れ様~!
毎回このシリーズのレコーディングの為にイギリスから飛んで来るトミーさんは「高木さんのところではフルコンは何台お持ちなんですか?」といつも聞いてきます。
タカギのピアノに刺激を受けたのか、もともと持っていたハンブルグの新しいフルコンに飽きて、ヴィンテージのハンブルグとニューヨークのフルコンも買ったとのこと。
イギリスの自宅にフルコン三台!凄いねぇ(苦笑)
ピアノに対する考えが変わったと言ってもらえるのは嬉しいけど、この世界を知らなきゃ良かったかな(笑)
今回のレコーディングも無事に終わり、プロモーションビデオ用にエンジニアの酒井さんのお気に入りドローンの空撮と、今回はラジコン車で地上からも撮影!

ビデオが出来上がるのが楽しみ。
搬出が終わってこれまた恒例のみなとみらいのチャオタイのタイ料理で打ち上げ!
なに食べても美味しいよなぁ…!



四冊目の著書が「音楽之友社」より発売されました。
音楽の友誌に3年3ヶ月に渡って毎月書いた「調律師から見たピアノと音楽」を加筆・修正、新たにコラムなども書き足したのですが、この間にピアノ業界には大きなニュースが飛び込んで来ました。
とは言っても既存のピアノメーカーには都合の悪い事ばかりなので関係者は沈黙していますが…
これは私が書かなきゃいかんだろ!と書き足している間に、またまたショパン・コンクールにピリオド楽器部門が行われ、その結果を待っていたら川口成彦さんが(同列)2位入賞の快挙!
これも書き足していたら、2019年はホロヴイッツ没30年に当たるので、どうせなら2019年の発売!としたわけです。
発売時期を延ばしたので新しい試みとしてホロヴイッツ・ピアノCD75とハンブルグスタインウェイの音響測定比較として、全帯域の波形をグラフで可視化。
それをご協力頂いたスタジオ407のHPにリンクして収録音源やアクション入れ替え比較演奏も聴ける試みや、別アクションの数値比較等も取り入れました。
本では分かりにくい音の世界をホームページとリンクする事によって、本で読んだ内容をネット上で実際に聴けるようにしたのです。
いずれ紙の本は消える運命でしょうが、私のような昭和のアナログ世代には画面で読む電子書籍よりページをめくる紙の文章のほうが頭に入るので両方の利点を取り入れたハイブリッド方式にしました。
思い起こせば連載を書いていた3年とこの本を合わせ、ここ5年程、頭の中は毎月締め切りに終われる毎日だったような気がします。
この日記も遅れ遅れになって各方面から「最近日記更新されないですね~」と心配されましたからねぇ(苦笑)
とりあえずこれで現場に復帰して溜まっているTo Doリストを1つづつこなしていく時間ができた!
「スタインウェイ戦争」第2弾とも呼べるこの本を書くに至った経緯は、これからこの日記で連載形式で書いて行きます。
締め切りが無いので精神的には楽(笑)
では乞うご期待!
順調に進んでいるトミーさんのレコーディング。

外は豪雨で時折ホールの中にも雨の音が響く。
このアートホールは神奈川フィルの練習場にもなっていて、客席を収納すると広い体育館のように容積が増えるけど、風呂桶のような響きは無くて使いやすい。
今回はピアノの位置は中央後部で屋根外し。

いろいろ実験してみると面白い。
今日はショパンからブラームスを録って夕方終了!
雨も小降りになったけど台風みたいな1日でしたね。
今日から3日間、ここでトミーさんのレコーディング。
今回のメインはショパン。
トミーさんはロンドンの自宅にハンブルクのフルコンを持っているので、今回のピアノはニューブルグを持ってきました。


前回もそうだったけどトミーさんはガツガツ弾かないし、夕方には終わるので我々スタッフには体に優しい理想のレコーディング(笑)
なので3日間通いです!
初めての録音の時に、私が「横浜でレコーディングだからお昼は崎陽軒のシューマイ弁当食べたいなぁ…」と言ったのを覚えていてくれて、今回も崎陽軒買ってきてくれました(笑)
やはり今日も夕方明るいうちに録音は終了。
横浜工場はここから20分ほどなので、工場に寄って一仕事やってから渋谷に帰ってもまだ20時~。
楽しい仕事だねー!
昨夜はサロンでプレイエル・ショパンコンサートがあったので私は今朝6時品川発の新幹線で京都に出発!

ピアノ車は昨日先に出発していたので、京都駅で拾ってもらいました。
今日はH真美子ちゃんのライブにM型を持ち込み。
京都市内のお店にピアノを起こして搬入なので雨が気になったけど無事搬入。
吹き抜けのお店は天井が高くピアノの音も抜群!

安心して我々は京都に来たからには六盛!の手桶弁当を食べて、ここでも利き酒セット(笑)

運転手がいるって良いねぇー。
夜は蛸虎のたこ焼き!
京都を満喫して大盛り上がりのコンサートも終演。
ピアノを搬出して今夜は京都駅近くの新しいホテルに泊まって、私は一足早く新幹線で東京に戻ります。
ピアノ車は夕方には東京に戻るかな?
プレイエルで演奏するショパンも後半に入り、今日はTAKAHIRO HOSHINO編。


いつものように小坂裕子さんが、その曲が書かれた時代背景やエピソードを解説してくれるので、情景が目に浮かんでとても面白い。
ショパンはこの曲を何フランで売りに出したとか、1843年のプレイエルが描き出す光景はショパンをより身近に人間臭い部分をさらけ出してくれる。
サロンコンサートのあとはカフェでお決まりの打ち上げ!
3日間の充実したレコーディングも今日が最終日。
ほとんど昨日録り終えたので、今日は編集しながら確認作業。
どこかのタイミングで録りなおしがあるといけないのでピアノはそのままキープ。

みんな楽屋スペースにこもっているので、ホールの中は無音でゆっくり時間が流れています。
この時間を利用して、普段できないピアノの調整をやります。
いつものメインテナンスルームは狭いので音の飛びやフォルテシモの最終調整はホールでやるのが確実。
これも持ち込みのピアノならでは。
どうやら録りなおしは無さそうなので近くのホームセンターでお買い物。

新潟の山はまだ北斜面に雪あるねー。あれが八海山なのかなぁ?
無事にレコーディングも終了して撤収!
渋谷には夜22時半くらいに戻って来ました。
CD75もお疲れ様!
ホテルオカベの和朝食は、毎朝おかずが変わります。

いつも朝ごはんなんか食べないのに、こうしてしっかり食べてしまうからレコーディング太りするはずだよなぁ…。
ホテルからホールまでは遠いので車で皆一緒にホール入り。
調律している間に、昨日のセッションの仮編集をやっています。

お昼休憩に、ホールの敷地内にある前回利用したレストランに行ってみたら、なんと幼稚園になってた(苦笑)
やむなく車で近くのトンカツ屋さんへ。更に太るね!

午後からのレコーディングもどんどん進み、とりあえず予定通り終了!

順調、順調。物凄く高レベルのCDが出来上がりつつあります。
今夜もやっぱり居酒屋一坊の利き酒セットで八海山。
浦佐駅前のホテルオカベの楽しみは、和朝食のコシヒカリ食べ放題。
今朝は鮭でした。

この小出郷文化会館でレコーディングするのは4回目。


今回は江口君とラフマニノフを録ります。
ピアノはCD75を持ってきました。
正面からの反射音も少ないし音離れも良く私は好きなホールです。
難点と言えば駅から遠いのと近くに食べるところが少ない。
それも慣れれば問題なし!
しかし今回のラフマニノフは難しい曲!
江口君もあと10歳年取ったら弾けないかも…って言うくらい。
本当に録音はその年その年で残して置かないとね!
終了後はホテル近くの居酒屋(一坊)でお馴染みの利き酒セット。

お疲れ様~
昨夜はランドマークスタジオのラウンジで打ち上げで呑んで、馬車道のルートインに宿泊。
今朝は歩いてランドマークスタジオへ。

昨日溶接で補強した運搬機のキャスターは絶好調!


難なく搬出してピアノ車は渋谷に戻り、私は軽トラで工場へ行って3トン車デュトロに乗り換えて渋谷に戻りました。
サロンでレコーディング中のI&Yのお二人に挨拶。
この録音もサロンで毎年やっています。
本来なら録音終了後カフェで打ち上げやるんだけど、今夜は私はCD75を積み込んで前乗りなので、飲み会後ろ髪引かれながら新潟に出発!
夜の22時半に南魚沼浦佐駅前のホテルオカベに到着!
明日から3日間レコーディング!
横浜のランドマークスタジオは、フルコンの持ち込みができる数少ないレコーディングスタジオです。

しかし裏導線の細い廊下を通るため、ピアノは起こさなければなりません。

地下2階の搬入エレベーターから5階に上がり、ビル反対側のスタジオまで延々と、右へ左へ曲がったり斜面を登ったりしてやっとスタジオに到着したらピアノを起こして設置。
毎回ハァハァ息を切らして調律するスタジオです(苦笑)

さて特製のフルコン起こし機でピアノを起こして、朝10時に搬入エレベーターに押し込んだら悪夢!
バキッと嫌な音がして起こし機のキャスターが取れた!!
仕方なく油圧リフターをはめて何とかエレベーターに乗せて5階へ。
エレベーターの出口でまたまたバキッ!!
最悪。今度は別のキャスターが取れた。
どうやらエレベーターと床の隙間が以前より広くなってしまったのか、キャスターが挟まったらしい。
さすがに今回は立ち往生で搬入不可能、録音は中止か・・・と最悪の事態が頭をよぎったけど、残りの2本のキャスターを後ろに付け替えて手前をリフターに乗せたまま延々と引っ張って何とか搬入成功!
冷や汗の汗だくの私に皆が心配してくれて、いつもの「陳さんの麻婆豆腐」を用意してくれました(笑)


レコーディングも無事に終わったので、打ち上げまでの間に私はランドマークから20分で行けるわが社の横浜工場に直行して、折れたキャスターを修繕してがっちり溶接!
戻ったら打ち上げの真っ最中。
ランドマークの搬入搬出エレベーターは朝10時にしか動かせないので、今夜は横浜馬車道のROUTE INNに泊まり!

「音楽の友」誌に3年3ヶ月書き続けた連載「調律師から見たピアノと音楽」をまとめて書籍化して出す予定が、2年も遅れてしまいましたが、どうせならホロヴィッツ没30年でもあり、平成も終わり令和元年に出版する事になりました。
目玉はホロヴィッツピアノとハンブルグスタインウェイとの音響比較(周波数特性)可視化データやアクションの数値比較。
書籍の欠点でもあった音を文字で表す難しさも、百聞は一見にしかずでエンジニアさんのホームページとリンクしてパソコンで音源も聴ける試み。
今回の出版社は音楽之友社で、ある程度音楽がわかる人を対象に書いたのですが、それでも編集者から「もっと分かりやすく」と要求が入るので用語の説明文を入れたり苦労しました(笑)
当初は3年間毎月執筆した連載をまとめて書籍化するつもりでしたが、この数年でピアノ業界は激動しました。
スタインウェイ社が中国と身売り交渉を始めたと発表した件については、数年前にファンドがスタインウェイを買ってから遅かれ早かれ想定済みの事だったので、いよいよ始まったかと思いましたが、とうとうクラシックはアジアの時代に完全に移行したと認めざるを得なくなりました。
そんな最中、昨年9月からポーランドで始まった第1回ショパン・ピリオド楽器コンクールで1~3位をポーランド人が独占するなか、オランダ在住の川口成彦さんが同列2位に入賞する快挙!
そもそも「今、ショパンがショパンコンクールを受けたら予選で落ちる」と揶揄されるほど、あまりにも変わってしまった近代ピアノ。
完全にピアノメーカーの広告宣伝の場と化した従来のショパンコンクールを、少しでも本流に戻そうとした動きがポーランドの国立ショパン研究所から始まったのは非常に興味深い流れです。
このコンクールの模様はNHKのBSで「もう1つのショパン・コンクール」として何度か放送されましたが、本来であれば通常のショパン・コンクールの方を「もう1つの・ショパンコンクール」と称するべきでしょう。
故人となってしまいましたが、ジェルメーヌ・ムニエ女史は生前、「ドビュッシーもラヴェルも『楽譜に書いてある私の指示通りに弾かないと、全く別の曲になってしまう。それなら弾かないで欲しい』と、いつもレッスンの時に言ってたのよ」と何度も話してくれました。
もし私が作曲家だったとしても、同じことを言うと思うし、当時の作曲家は自分の作品に責任と自信を持っていたのだと良くわかるエピソードです。
近代ピアノによって誇張されたロマン派時代の作品は別のものとして楽しんでいただいて、私はそろそろピアノメーカー主導で脚色されたクラシック・ピアノ音楽ではなく、作曲家が描いた本来の景色を見たくなってきました。
音友の連載が3年、この本に2年、計5年間原稿の締め切りに終われた生活を送ってきたので、やっと頭を切り替えて本業に戻れます!(笑)
「ホロヴィッツピアノの秘密」は音楽之友社より今月末発売です!
今日の私の担当は「恩送りプロジェクト」による学校訪問。
埼玉県の嵐山学園にスタインウェイB型を持ち込んでのコンサートです。

リハーサルを終えて、搬出までの間に秩父倉庫の片付け。
久しぶりの倉庫で、最近すっかり乗らなくなった可哀想なジャガー君と再会。

ホコリだらけで完全にバッテリーが上がって死んでいたので、まずは充電。
その間に倉庫を片付けて…エンジンかけて渋谷に乗って帰りたいけど、置くとこ無いしなぁ…。
夕方、嵐山学園に戻ってピアノを搬出して、このB型は圏央道経由で横浜倉庫に置いて帰りました。

マチネだと夜にまた一仕事できるから良いな…。
今年も無事に終了して一斉にピアノ搬出!

トラック4台結集して15台、運びだします。

渋谷と横浜工場、秩父倉庫に手分けして戻しますが、この時にしか活躍しないベーゼンも倉庫に帰って行きます。
ベヒシュタインのフルコンも研究期間が終わってから倉庫の肥やしになってるなぁ…(笑)
こうして今年のラ・フォル・ジュルネも終了!
皆さんお疲れ様!
ピアノ達はごっそりラ・フォル・ジュルネに出張したので、サロンや事務所の床にワックスかけ。

毎年恒例行事、研究生君は初体験なれど一生懸命やっています。
私は音友から出版される書籍の、いよいよ最終打ち合わせ。

私のプロフィールに使う写真選びが難航。

というのも、裏方なので根本的に自分の正面からの写真がほとんど無い。
ブログやフェイスブックにも原則として自分の写って無い写真しかアップしないので、かろうじて横顔の調律写真を見つけ出したけど、ポロシャツにスタインウェイのロゴが入ってるので、ボツ。
音友から提供された写真は「腹が出てるからダメ」とか外野もうるさい(苦笑)
結局ほとんどの写真はボツで、まぁこれかなぁ…に決めて、写真関係は終了。
もう何度も校正やったので大丈夫だと思いきや、ホロヴィッツのラストコンサートの年や82年のロンドン公演がデビュー以来初めてのヨーロッパツアーと書いてあったりであわてて校正。
この辺の話は90年頃のフランツ・モアとの雑談から引用してるので、うっかりミス。
私もモアさんもピアノの事しか頭になくて、意外とコンサートに行った年を間違えたりはしょっちゅうだったので、この辺はホロヴィッツマニアには敵いません(苦笑)
さぁ、いよいよ4冊目の書籍は、6月19日、サントリーホールでのコンサートから発売開始です!
準備も終わり今日から本番開催。

なので恒例の屋台も今日から。
スタッフも毎年これが楽しみ!

9時に調律が終わって時間を潰して10時にオープンする屋台村に集合してブランチ!
私は特権でエノテカの赤ワインを2杯!
真っ赤な顔して歩いてたら、ピアニストのFさんに「あ!高木さん!」
見つかりました(笑)
明けましておめでとうございます(笑)
昨日までの平成は仕事に没頭した30年間でしたね~。
明けて令和元年の初仕事はラ・フォル・ジュルネ。

昨日15台の搬入が終わり、今日から早朝に全ての調律をやります。
来日アーティストはホテルにピアノがないので早朝から練習室の争奪戦。
調律はスタッフ総出プラス嘱託も動員して、朝8時から朝9時まで一斉に作業。
ここからそれぞれ別の現場に出掛けて行きます。
私は渋谷に戻り、午後からサロンでFM横浜「ピアノワイナリー」の収録。

こちらももう9年目に突入しました~!
今日は今月の3回分を収録、ゴールデンウィークなのでゲストなしで喋ります。
ピアノ・ワイナリーは毎週土曜日18時45分~19時00分まで、FM横浜84.7Mhzです。
関東以外の方はラジコで!
さぁ平成が終わり令和最初の仕事始まりました!