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川口成彦 プレイエル・サロンコンサート    10/8

新潟のレコーディングを少し抜け出して、今日は朝からプレイエルの調整。

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京都からの長旅でもほとんどピッチの変化はなかったので一安心。
フォルテ・ピアノのシングル・アクションは、構造が単純だなだけに材質によるタッチ音色の違いは歴然で、汎用の部品で補修すると、どんどんモダンピアノの感触に近付いてしまうから、メンテナンスには気を使う。

昼過ぎにマネージャーとR君が来て、来年のコンサートに向けて試弾とのことで、1人黙々と練習。
困った、本番前の調整が終わったばかりなのに二時間も弾かれてしまった(苦笑)
R君はメンテナンスルームにあるホロヴィッツピアノにも興味津々。
若いのにホロヴィッツ知ってるんだね(笑)

遅れて川口君登場でやっと連弾のリハーサル。
その後、楽器の調整をやり直ししたので、休憩時間にも直しなしでいけます。

しかし開演の二時間前からサロン前に並ぶ人人!成ちゃん人気あるねぇ~。
そして本番!

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やっぱりショパンはサロンで演奏すべきだとつくづく思う。
コンサートホールの響きはある意味楽器や演奏を助けるけど、多くの場合音に色を付けてしまうので作曲家の意図とは違う景色に見えてしまうことがある。
風呂で歌うと普段より上手く聞こえるのと同じだ。
その点、サロンは余計な響きがなくダイレクトに楽器の音が聴こえるので、ショパンのようにサロンで演奏することを想定して書いた曲は、より自然に景色を描いてくれる。
シングルアクションをコントロールするテクニックは、川口君の方がR君より慣れてると私は思うので、コンクールでは1位タイでも良かったんではないかな?

それにしても、このプレイエル。昨年のショパンコンクールの審査委員長から1位2位にまで弾いて貰えて名誉な事だったね、
3年前にフランスの片田舎からここに来て良かったね!(笑)

超満員のサロンコンサートはお客さん大満足のうち終了!
ピアノ技術者はプレイエル知らずしてショパンを語るべからず。
リストはダブルエスケープメントアクションのエラールを駆使して演奏活動していた同時期に、ショパンはなぜ既に時代遅れになっていたシングルアクションにこだわったのかは、サロンでプレイエルを聴くとよく分かる。

ショパンの死から6年後、プレイエルもダブルエスケープメントアクションに設計変更しましたが、時すでに遅し。
時代は、「近代的で完成された」と思い込んだエラールのメンテナンス性を改良したスタインウェイにとって変わって行くのです。

つまりショパンはスタインウェイを弾いたことがない。
鍵盤がわずか8ミリの深さで、なおかつ鍵盤を完全に戻さないと次の打鍵ができないので、自ずと連打のスピードはモダンピアノより遅い。
この仕組みが曲全体の手綱を引っ張り、得てして先走ろうとするテンポを本来の位置まで戻しているように感じる。
「ここはこれ以上早く弾いてはいけない」というテンポ設定を、楽譜ではなくプレイエルが「ここはこれ以上早く弾けない」と物理的に教えてくれる。
楽器から学ぶ意味がここにあるわけで、これを基本に奏法を変えるべきであると納得する。
モダンピアノで弾くショパンも私は好きだけど、更にその先の世界の答えは過去にあり、それを探求するのは実に楽しい。


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さぁアンコールの前にまた私のMCで「本日のピッチは430」であることを告白。
やはり皆さんわかりませんでしたね、
開演してすぐは、あれ?と思った人は多かったと思うけど、やがてそれは音色の違いとしか感じなくなり、徐々に木質の暖かい音色が心地よく、まさか半音の半分も低いピッチで聴いているとは誰もが思わなくなるので、絶対音感云々なんてあまり目くじら立てるものではないね(笑)


今年活躍したこのプレイエルも1ヶ月ちょっとお休みなので、音色のムラや雑音を止める作業にやっと入れるね!
12月の浜離宮楽しみ!
終演後、カフェで恒例の打ち上げ!

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楽しかったね!お疲れ様!!