
昨年6月に君津文化ホールで収録した加藤知子のシューマンが、やっと製品になってサンプル盤が届きました。約一年がかりで、やっと世の中にでるわけです。
加藤知子は、82年にチャイコフスキー国際コンクール2位になって一躍有名になりましたが、あの当時、著名な国際コンクールで入賞するのは至難の業で、大いに話題になったものです。
その後、DENONレーベルで何枚かのCDを出し、私も90年代には、随分一緒に仕事をさせてもらいました。みんな若かったね(笑)
バブルがはじけて、メジャーなレコード会社に余裕がなくなってくると、こういった実力派アーティスト達のCDがなかなか作れなくなってきて、採算の見込める若手イケメン、かわい子ちゃん演奏家の名曲集しか、コマーシャルベースに載せられなくなってしまった。
クラシックの作品として残さなければいけないのは、実力派アーティストの円熟期からの演奏であることを、本当はみんなわかっているのに…。
アーティストも我々スタッフも、だんだん年を取ってしまいます…というわけで、我々NYSレーベルの出番(笑)
ジェルメーヌ・ムニエ、江口 玲、ジェラール・プーレなど、本当に実力派アーティストだけを録音し続けるこのレーベルは、採算無視の贅沢レーベル(笑)
昨年動き始めた今回の企画も、年末にはTYプログラムに選出され、その後コロムビアとの業務提携盤でリリースが決定した。
つまり、企画制作:タカギクラヴィア、発売元:コロムビア・ミュージック・エンターテイメントというクラシックのCD制作販売の新しい型となった。
ジャケットにはNYS、T&Kコロムビア、コロムビアミュージックエンターテイメント、のロゴが並び賑やかだ(笑)

ピアノは江口 玲、エンジニアは元DENONのチーフエンジニア岡田則男と現DENONチーフエンジニアの塩澤利安ほか、ディレクターは野田智子、そして曲目解説には小坂裕子、と現在考えられる最高のメンバー。あ~何と贅沢なスタッフだろう(笑)
また一つ世の中に作品が残せて嬉しい。詳しくはジャケットを参照して下さい。
発売日は5月27日。さあ、全国のレコード店に急げ!