本当は今日から3日間、コンサートやレコーディングがないので、やっと正月休みを取って草津温泉でも行こうかなあ・・と思っていたけれど、その先のスケジュールをみると、どうしてもここで横浜工場から秩父倉庫への荷物移動をしなければ、また延び延びになってしまうことが確実なので、一大決心で決行することした。
と言うのも、広い秩父倉庫の半分をピアノ倉庫にあてているが、残りのスペースに、私の趣味の車や部品を大移動すれば、横浜工場や横浜倉庫が大幅に片付き、塗装を含めたピアノのオーバーホールや運搬機の製作がもっとやりやすくなるから、というかねてからのごもっともなご要望に、ついに応える事となったのである。
まるまる3日間を費やしての大移動の末、こうやって並べてみると我ながら「よくぞ集めたり!」(笑)
ここ15年くらいは仕事が忙しくてパッタリ車をいじる時間もなくなってしまったけれど、古くは19歳くらいからコツコツ集めた部品や車体である。
ホンダS800用が約7台分、ロータス・ヨーロッパ用が3台分。
これでも処分したほう・・。
普通、男性に「趣味は?」と聞いて「車だよ!」と答える人は山ほどいるけれど、せいぜいタイヤを交換したり、アクセサリーをオートバックスに買いに行く程度だ。
エンジンをボアアップし、4速のマニュアルミッションを設計しなおして、
5速に改造。
勿論図面を書いて、最終的な製作、歯研、焼入れは歯車屋さんでやってもらうけれど、エンジンからデフまで組み立ては全て自分で。
旋盤もあるので金属加工もできるし、溶接機はTIG&MIG完備だから、アルミの溶接までOK。
2mmボアアップして1人で組みあげたエンジンを乗せて、テスト走行は、横浜工場からの帰り道、必ず通る深夜の第三京浜。
我がホンダS800Mのタコメーターは10000回転を示し、スピード・メーターは190キロを超えている。
やっほ~!やった、やった、10000回転!
そして、多摩川料金所。第三京浜は全線で約20キロ弱と高速エンジンテストにはちょうど良い長さ。
私にとって趣味とは、こういうことだ。
横浜工場はA~Dまで4つの部屋に分かれていて、スタッフ達がDの部屋と呼んでいるその部屋は、まるまる全てが私の車のガレージと部品庫だった。
25年位殆ど開けられていなかったこのDの部屋は、時間が止まっている。
スタッフ達がどんどん部品をトラックに運び出して行くけど、そのたびに「あ!それはゴミじゃない、これは昔、あ~で、こ~で」と昔話をするんだけれど、何だかワイドショーでよくやっているゴミ屋敷の主人のようで、何だかむなしい(笑)
自分の青春が詰まったこのDの部屋は誰にも触らせず、今は本業が忙しいけれど老後になったら続きをやろうと、一時中断していたのだけれど、あっと言う間に20年。
もはや老後(笑)なのにまだまだのんびりなんか出来ない(笑)。
とうとうあきらめてこの部屋を会社に明け渡す事になった。。。
とはいうものの、よくここまで集めたものだ。
小、中学校時代に没頭した電気関係と、この頃の車の整備知識と、本業の音楽が一体となって、よぶちゃん、ごぶちゃんが、完成したのだから、まあ、将来何が仕事に役立つかわからないもので、芸は身を助くって事かな?
勿論、こういう性格だったので、本業のスタインウェイに、のめりこんだ度合いは半端なもんじゃなかったですよ(笑)