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フィリアホールにて

今日の公演は、日曜日なのでマチネです。
青葉台の駅前にあるフィリアホールは、もう何度も持ち込みで来たことがあります。室内楽にはぴったりの約 400席。搬入も楽で駅も近いし、なかなか使い勝手の良いホールです。

朝9時半に搬入して、調律アップが11時。マチネは慌ただしい。
リハーサルでは客席で音のバランスを聞くのも調律師の重要な仕事です。ステージにいるアーティストには、自分の演奏している音が、客席にどんな具合に聞こえているのか、絶対にわからないので、とても気になります。
音色や音量やバランス、それによってはピアノの置き場所を変え、ヴァイオリンの立ち位置を変え、ピアノの調整まで変える事も良くあります。
特にヴァイオリンのような弦楽器は、弾き方はもとより、楽器によって音量や音の飛んでくる感じがまるで違うので、ピアノ全体の音量を調整して、バランスをとります。
ソフトペダルをもっと効くように調整してしまうと、ピアニシモに輪郭がなくなり、もわっとして和音が団子になる事が多いので私は好きではありません。
ソフトペダルが段階的に効くようにする事はよくありますが、それよりはタッチ調整でピアニシモが出しやすくしたほうが、より芯のある弱音が出て、遠くまで良く届くようになります。もちろんこういった作業は持ち込みだからできるのですが。

今日もステージの上では音楽的なバランスの論議が続き、何度も調整を繰り返します。
そのたびに少しずつフォーカスが合ってくるように、いろんな倍音が見えてきます。そこにヴァイオリンが乗ると、まるでオーケストラとのコンチェルトのように色彩豊かになり、もう単なる伴奏ではありません。
アコースティックな立体感のある音楽に包まれた至福の2時間を過ごして、楽屋の長蛇の列を横目で見ながら、搬出!