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グリーグピアノ作品 連続演奏会

グリーグ没後100年イベントのコンサートシリーズ、第2回目はリヴ・グラーセルさんです。
グラーセルさんは御年70歳。
元ノルウェー国立音楽大学の教授で、グリーグの権威なので、今回、一緒に仕事ができることを楽しみにしていました。
ドビュッシーの時のムニエさんのように、遠い北欧のグリーグが何たるや・・を感じ取るには、やはり彼女しかいないでしょう。

小柄で陽気なおばさんといった感じのグラーセルさんは、実に行動的で、難解なノルウェー語(ドイツ語とロシア語を混ぜたような感じ)とドイツ語と片言の英語を駆使して、おまけに満面の笑顔で我々を笑わせてくれます。
事前に、グラーセルさんはピアノフォルテのような古楽器が好きで、過去にはそういった楽器で録音もしているという情報があったので、今回は、1887年ローズウッド君を用意しました。
おばあちゃんとおじいちゃんの組み合わせはとっても相性ピッタリだったようで、先生はすごく喜んでいました(笑) 

グリーグ(1843~1907)の生涯で、1887年といえば44歳の時。
亡くなる20年前でまさに現役バリバリの時ですから、この楽器以外はありえないでしょう。
真新しいピカピカ光ったスタインウェイで演奏して、グリーグは何を語りたかったのか・・では、お墓からグリーグが出てきて「おいおい、何だいこの音は。これがプレハブってやつかい?」とか言いそうです。
新幹線やジャンボジェット機の時代に、馬車や蒸気船で移動していた時代の叙情をより正確に表現するには、できる限り当時の条件を揃えてあげることが必要だと思います。

味のある奥深いグリーグを休憩なしの1時間、無事に弾き終えて、満員の聴衆は大満足。先生もはしゃいで、打ち上げでは納豆まで食べて、おいしい、おいしいと言ってました(笑)
この勢いで、10日からこのピアノでレコーディングをやります。
お楽しみに!