今回、佐藤さんの体調はなかなか良いと見えて、順調にスケジュールをこなしていきます。
湿度が70%近いのも関係しているのかもしれません。
楽器や録音機材のためにはあと20%くらい低いほうがありがたいのですが、生身の人間のほうが大事ですから。
体が楽器って大変です。
それにしても、声楽家と仕事をすると、決まって始まる発声練習には未だに慣れません(笑)突然、ホォー!フォー!とか始まります。
まるで動物園にいるみたいです。
今日も秩父は寒くてステージの温度も16度まで下がってきました。
夕方には雷と共にあられや雪交じりの雨が降り始めたけれど、その頃にはチャイコフスキーの録音は全て終了したので残りは昨夜録音した「千の風になって」という曲をやり直すだけ。
これは去年の紅白歌合戦でも話題になりましたが、なかなかいい曲
ですよね。
「私のお墓のまえで、泣かないでください、そこに私はいません、死んでなんかいません。眠ってなんかいません。千の風、千の風になって、あのおおきな空を吹き渡っています・・。」
折しも昨日、ビクター・スタジオの専属調律師だった小林さんが亡くなったという訃報が入ったばかりでした。
偶然ですが2年ほど前に、今録音しているこのピアノを小林さんに貸して、彼が調律して山下洋輔さんのコンサートをやったのが、私にとって小林さんとの最後の思い出です。
今頃、千の風になって吹き渡っているのでしょうか? 合掌・・。
三鷹で仕事をしている社員から「早くおわったので、これから秩父に向かいます!」と連絡が入りました。やれやれ。
それではトラックとピアノを先に帰らせて、私はちょっと途中で満願の湯という温泉に浸かって帰ります。寒いので・・。