山梨市花かげホール             4/6

今日から3日間、旧 牧丘町文化ホールでレコーディングです。
朝9時にホール集合ですが、私は前乗りだから楽(笑)
東京からローズウッド君も到着して、搬入。
まずは電動ステージを下まで下ろして、客席の中央列を全て外して移動。これが大変。
しかし良い音で録るためには手抜きはできない。
客席を外してピアノをホールの中央に移動して半回転し、ステージと逆方向に向けて設置完了。

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音を吸収する布張りのシートを外して床面積を増やすと、ここは400席だけど大ホール並みの床面積が稼げるし、床に下ろしたのでピアノから天井までの高さがぐんと高くなって綺麗な残響が録れる。

今回のアルバムはドビュッシー。
ローズウッドが作られた1887年はドビュッシーまだ25歳。
亡くなったのは1918年でちょうど同時期に主流だったピアノなので、当時の作曲家達が何故このような曲を書いたのか良くわかる。
ロマン派の時代のピリオド楽器で聴くドビュッシーは、やはり天才だった。

順調に今日の収録を終え、ROUTE INN山梨へ。
このホールの欠点のはホテルが遠い、歩いて行けるところに飲み食い所もコンビニもない。
なので、ホテルのレストラン花茶屋へ。
21時半ラストオーダー滑り込みで急いで飲食(笑)


秩父レコーディング最終日         4/5

順調に進んだので、今日は余裕。

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午後早めに終了して、写真撮影。
集合写真も撮ったけど、告知前なので、ここではアップできません(笑)
片付けて、お昼は秩父名物の野坂の豚丼!

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ここでアーティストと解散!お疲れ様!

我々スタッフはまたホールに戻り、ちょうどやって来たピアノ車にピアノを積み込み。(勿論ここで鍵盤の蓋を取り付け)
私は1人パジェロに乗ってみんなとは逆方向の荒川、三峰方面に走って峠を越えて雁坂トンネルを抜け、わずか1時間半で山梨に到着。
今夜は山梨のROUTE INNに泊まり、明日からここで3日間次のレコーディング!


秩父レコーディング2日目 椅子の話  4/4

レコーディングでは欠かせないノイズの出ない理想の椅子はこのガス式タイプ。

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しかしあまり低くならないので、ピアニストの希望により、トムソン椅子も持ってきた。

初日はこれで録音したけど、今日はもっと低い椅子で弾きたいと言い出した。
ホール中探して、やっと見つけた楽屋の椅子は38センチ!

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鍵盤蓋を外して超低い椅子で弾くのはグールドの専売特許(笑)
もっともグールドは35センチ位の椅子で、ピアノのキャスターもインシュレータに乗せてピアノを上げていたので、相対的にはもっと低い位置で弾いてたから恐るべしだね。

調律師としては鍵盤蓋を外してのレコーディングはとてもやり易い。
コンサートと違ってレコーディングは長時間引き続ける上に、エアコンを入れたり切ったりで温度湿度の変化が激しく、調律はもとよりアクションの状態も変わってきてしまうので、プレイバックや休憩の時間にアクションを出したり入れたり忙しい。
よって鍵盤蓋がないと、調整が楽(笑)
特に今日の曲はピアニシモの連打が多いので、究極の調整でピアニストをサポートする。
ホールのピアノ調整は年に1回の保守点検のみ。夏場、冬場、雨、使用頻度等々で刻々と変わるアクションの状態に対応するには多少の余裕を与えないと、非常に危険な状態に陥る。
普段「まるでF1マシーンのように」と表現するのは、フルチューンのマシーンがワンレースしか持たないとか、サーキットを競い合うには最高のパフォーマンスを得られるが、歩くようなスピードでは逆にコントロールが難しいのと良く似ている。
究極の連打やピアニシシモが可能になる代わりにレガートに囁くように歌いたい曲には向かない。
もちろん、ホールのピアノではこんなことできないから、アーティストサービスで専用のピアノを持って行けた巨匠時代のスタインウェイ・コンサート部の話。
究極を攻めるから音楽が面白い。

さて、超絶技巧の曲からパヴァーヌにかわって、調整は少し元に戻し、今度は音色の粒揃えのほうが大事になる。
さぁ、2日目で収録予定曲は全て終了。
夜は焼き肉で前打ち上げ。
ピアニストが上手いと焼肉も旨い(笑)

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秩父ミューズパーク音楽堂 録音    4/3

半年ぶりにやって来ました、この音楽堂!

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25年前、タカギクラヴィアのコンサート部発祥のホールといえる懐かしいホールで、コロムビアチームとレコーディング。
もちろんピアノは持ち込み。
しかも今回は鍵盤蓋を外してグレン・グールド風にレコーディング(笑)

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オープン当初から約20年間スタインウェイの保守管理をやっていたので、このホールで何百枚ものCDを録音しました。
ステージの音響が太鼓なので、通常のコンサート位置に置くと低音がボケる。
床下に縦に入っている梁も細いので、足で床を蹴ると「ボーン」と太鼓のようになってしまう。
とうとうホール側が客席の前列を外れるように改良してくれたので(バブルの頃だからお金あったんだね)レコーディングの度にステージから客席床にピアノを下ろして録音したり、レコード会社と色々実験したものです。
その後ピアノを持ち運ぶシステムを完成させ、日本中のコンサートホールに行くようになったのは、このホールでの経験があってこそ。
次第にこのホールも話題になり各社がレコーディングをするようになって、なかなかスケジュールがとれなくなった。
合わせてとても良好な関係だったホール側に典型的な昭和のお役人が天下って来て、出入り業者はペコペコしろと言わんばかりな態度。
巷の営業マン達は、ごますり、後ろ向いてベロ出しながらもヘコヘコしてるんだろな~と思いつつ、私は典型的な技術屋なので、理不尽な役人に最後まで頭を下げなかったら追い出された(笑)
まぁいろんな事があったけど、懐かしい思い出。

今回のレコーディングは元々富山で録音と言ってきたけど、最近はこのホールも寂れてスケジュールが空いているし、近くて季節も良い事だし、秩父に変えてもらいました。
「ピアノソロをこの大自然の中でゆっくり録音したい」というわけで、かつて知ったるミューズパーク音楽堂。
レコーディングチームもこのホールは慣れてるので、音もすぐに決まり、お昼にgo!
渋谷のタカギクラヴィアカフェで出しているカレ屋ーのマジョラムは残念ながら改装中でやってない。

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それで、和平蕎麦の「ざるそば芝桜えびかき揚げクルミ汁付き」を食べてホールに戻り、夜まで録音。
アーティストが上手いと録音も順調に終了。
今回は常宿のROUTE INNがとれなくて、秩父第一ホテル。
そのお隣の居酒屋で飲み会。楽しい。



レコーディング・スタジオのピアノ保守点検   4/2

やっと日記が追い付いてきた(笑)
毎月原稿の締め切りがある仕事をやっていると日記を書くのが遅くなり、ずいぶんたまってしまったけど、連載が1つ終わって時間の余裕ができたので、レコーディング中にまとめてアップ。
スマホだとあまり過去の日記は表示されないけど、書いてありますよ~!

さて、今日は都内のレコーディング・スタジオのピアノ保守点検。
ベースの音域がどうも音の止まりがよろしくないと、前から思っていたので、今回はそこを重点的にチェック。
56万台の新しいハンブルグなんだけど、調べて見ると、恐れていたダンパーブロックのスティック!
しかも無視できないぐらいガチガチ。
このスタインウェイは昔のニューヨークのようにフレンジが膠で張り付いているタイプ。
これはダンパーの平行上下を得られやすい代わりに、スティックしたら最悪。
1個ずつ接着されたフレンジを剥がさないとセンターピンの交換ができないという気の遠くなるような作業が続く。
その後このメンテナンス性の悪さに垂直ネジ止めに変更したはずなのに、いつの間にかまた膠止めに設計が戻された。
設計開発のビル・ガーリックとも昔よくこの話をしていて、その時はちょうどネジ止めに変わった時期だったので、よかったねぇと言ってたのに、なぜ最近また戻したんだろ。
よっぽど乾燥してる国に住んでる奴の意見だな。

スタインウェイは何故世界を制したか。
音やタッチという楽器そのものの性能もさることながら、エラールやベヒシュタインに比べて圧倒的に整備性の良い設計だったからに他ならない。
ステージの上でトラブルが起きてもほとんどの作業が休憩時間のうちに終わってしまう。
なのにこのダンバーフレンジの先祖帰りはなんなんだ?

そんなことをぶつぶつ言いながら、やむなくスタッフと覚悟を決めて、アッセンブリーで外すことにした。
ダンパーを全部抜いて、ソステヌートロッドを外して、やっと顔を出すダンパーブロックアッセンブリー。
応援のスタッフを入れて3人がかりで、センターピン交換。
その間に私は会社に一旦戻り、明日からのピアノ選びをピアニストと共にやって、またスタジオに戻って、修理の続き。
ようやく21時に終了。
また元通り組みつけて調整をして弾いてみたら、音は止まるし、鍵盤は軽くなるしで、やっとここ数年の懸案が解決!

お値段?ほとんど無料。
わが社の保守管理しているレコーディング・スタジオなので、楽器のトラブルは結局普段の調律時に自らの首を締めることになるからね。
なんて人が良いんでしょ(笑)


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